カーボンフットプリントとは?
パッケージに表示するメリットと方法
国内外で脱炭素への取り組みが活発になっている中、日本でも事業者は取り組みを実施するのはもちろんのこと、消費者やサプライチェーンにも現状を周知・浸透させ協力を仰ぎ、さらなるCO2削減を行う必要があります。その取り組みを促進するのが「カーボンフットプリント」です。
製品パッケージに表示することで、どのようなメリットが生まれるのでしょうか。またその表示方法についてもご紹介します。
1.カーボンフットプリントとは
カーボンフットプリント(Carbon Footprint of Products/CFP)とは、「カーボン=炭素」つまり二酸化炭素(CO2)の「フットプリント=足跡」、つまり排出量を表示したものです。
LCA(Life Cycle Assessment/ライフサイクルアセスメント)の手法を用いて、製品・サービスのライフサイクル全体を通じて排出される温室効果ガスの排出量をCO2に換算し、分かりやすく表示する取り組みを指します。
LCAとは、製品・サービスの原材料の資源採取、原材料製造から製造、使用、リサイクル、廃棄など、ライフサイクル全体にわたって、投入する資源や排出する環境負荷を定量的に評価する仕組みのことです。
すべての商品やサービスはその生産過程において多くのエネルギーを必要とします。例としてレトルトパウチパッケージを挙げてみますが、パウチ袋の加工・印刷工程の工場稼働に必要なエネルギーだけでなく、原材料(石油やアルミ)の調達から始まり、内容物を充填し輸送するのにかかるエネルギー、お客さまがパウチ袋を温める際に使うエネルギー、捨てた袋が処理されるのにもエネルギーが必要となります。LCAはこのように、製品のライフサイクル全体にかかる環境負荷を対象として評価を行います。
事業者がカーボンフットプリントの取り組みを行うことにより、事業者と消費者の間でCO2排出量削減行動に関する気づきを共有することができます。カーボンフットプリントの「見える化」された情報を用いて、事業者はサプライチェーンを構成する企業間で協力し、さらなるCO2排出量削減の推進につなげます。そして消費者が低炭素な消費生活へ自ら変革していくことを目指しています。
カーボンフットプリントを表示するには、「CFPプログラム参加マーク(カーボンフットプリントマーク)」を用います。「量り」をモチーフにデザインされたもので、量りの上皿の部分にCFP算定量の数値を記載します。これにより、事業者の自主的な取り組みの象徴になる意味合いもあります。
2.カーボンフットプリントを表示するメリット
カーボンフットプリントを製品に表示することで、消費者と企業をはじめとした事業者にはどのようなメリットがあるのでしょうか。それぞれご紹介します。
消費者のメリット
消費者にとっては、日頃から数多く目にする商品のうち、どの商品がCO2排出量が少ないのかカーボンフットプリント表示の有無、そしてCFP算定量の数値を比較することにより一目で分かります。これにより商品選定の目安となります。
また、日頃から目にする商品にカーボンフットプリントが表示されることで、自ずとCO2排出量削減の必要性を感じ、地球温暖化への問題意識が高まり行動が喚起されると考えられます。
事業者のメリット
事業者にとっては、カーボンフットプリントの取り組みを通じて、サプライチェーンにおけるCO2排出量のうち、排出量の多い箇所を把握し、対策・改善することができます。
また、製品を販売する際には、消費者が環境に配慮された製品を選ぶ助けになります。世界各国と比較して、まだ日本国内でカーボンフットプリントの注目度は低く、カーボンフットプリントの表示された商品を意識して購入する消費者はそう多くはない状況ですが、早期にこうした活動に意識を向け、パッケージやラベルに表示を行っておくことで消費者に環境配慮の取り組みをアピールでき、企業やブランドに対する信頼性が高まります。
結果的に、環境配慮を求める投資家の期待にも応えることができ、アピール材料ともなり得ます。
3.カーボンフットプリント表示を行うには
消費者へのアピールになるカーボンフットプリント表示を進めるにあたっては、製品パッケージへの印刷による表示を検討する必要があります。その際には、ぜひTOPPANのデジタルプリントサービスにご相談ください。
当社では、CO2排出量算定システムの認証を取得する取り組みを推進しており、パッケージ、建装材、出版・商業印刷物といった製品のライフサイクル全体におけるCO2排出量削減に貢献しています。
まとめ
カーボンフットプリントの取り組みは、目に見える形で消費者やサプライチェーンに大きな気付きを与えることで、事業者のCO2排出量削減の取り組みを促進させることができます。製品パッケージへのカーボンフットプリント表示の際には、ぜひTOPPANのデジタルプリントへお気軽にご相談ください。
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2023.04.20