侮れません!
Pushマーケティングのすごさ
プッシュマーケティングといえば、テレビCMやバナー広告、DM、メール配信など、手法としては若干ひと昔前の施策といったイメージも否めません。しかし、電子マネーの台頭により、会員証やポイントカードがアプリ化されるケースが増え、あらためてプッシュマーケティングの絶大なる効果が見直されています。
会員証、電子マネー、ポイントカードの集約化
お客さまとの接点はどこに?
電子マネーにもさまざまな種類がありますが、増えてきているのは、特定のお店や系列店のみで使える「ハウス電子マネー」。ハウス電子マネーの特徴は、会員証やポイントカード機能を、そのお店だけで使える、いわば“お財布”として集約することで顧客情報を一元管理できることです。
これまでプラスチックのカード型が主流でしたが、現在はスマートフォンにアプリとして無料配布することが増えてきました。スマートフォン利用者の60%以上※が、店舗公式アプリをインストールしているというデータもあり、アプリコンテンツが企業とお客さまのコミュニケーションの太いパイプになりつつあるようです。
※出典:「ネットリサーチ『Fastask』」ジャストシステム
(※ideanote98号3頁より)
店舗公式アプリの成功例のポイントは?
年間数百万ダウンロードされる理由
全国展開をしている、あるファッション・生活雑貨専門店は、店舗公式アプリのリリース後、1年ほどで何と数百万ダウンロードを記録したと言われています。なぜでしょうか。その特徴は、「個人属性を入力せずに、いま買う商品のポイントが貯まる」「来店でもポイントが貯まる」「各リアル店舗やEC店舗の在庫を検索できる」という3つの機能。リアル店舗に足を運ばせ、店頭での買い物の効率をあげる工夫が、お客さまに支持されていると考えられます。
利用状況を分析したレコメンドも
前述のアプリは、お客さまの買い物履歴を分析し、連動した商品のおすすめ情報を発信。他の商品にも注目させるという施策も行っています。また、店頭では会計時に必ず「アプリはお持ちですか?」と店員が声をかけることも、アプリをダウンロードする一つのきっかけになっているようです。
けっして顧客に無理強いするのではなく、店頭での買い物を楽しくさせる工夫も盛り込むことが、この企業の成功のポイントだと言えるでしょう。
アプリのプッシュ通知サービスが効く理由
Push通知で行動したお客さまは40%
2015年6月に発表された「スマートフォン通知に関する調査レポート」(調査元:株式会社エンプライズ)では、「プッシュ通知サービスがきっかけで入店や購入などの行動にうつしたことがある」と答えたユーザーは約40%にのぼりました。
通常こうしたアプリのプッシュ通知サービスは、セール情報やお得なクーポンなど、来店や購買意欲を高めるのがメイン。中には、プッシュ通知サービスと位置情報を組み合わせて、店舗周辺に近づくとクーポンなどの通知が届く「ジオプッシュ通知」と呼ばれる機能もあります。
配信されるタイミングや場所によって、手元ですぐ見られるアプリはPCサイトなどと比較しても、購買意欲を高めるには非常に効果的なツールです。
タイミングと内容を工夫し、マーケティングの強い味方に!
最近ではプッシュ通知サービスが、メールマガジンと比較して開封率がぐんと上回ることは、さまざまな調査で明らかになっています。これはメールマガジンが、メーラーを開いて該当メールをクリックする…と開封までの工程が多いのと比較し、 プッシュ通知サービスはスマートフォン画面の通知をタップするだけという手軽さにもあるでしょう。
ただし、気軽に見られるプッシュ通知サービスもタイミングを間違えると、アンインストールされやすいという傾向も。お客さまの繁忙な時間帯や睡眠時間中の配信は避ける、ニーズに合わない情報は送らない、などの繊細な配信設計が必要です。
とはいえ、常にお客さまの手元にあるスマートフォンにダイレクトにアプローチできるプッシュ通知サービスはマーケティングの強い味方。これを使わない手はありません。プッシュマーケティング戦略は、使い方次第では、他のツールと比較して顧客とのコミュニケーションのパイプをより太いものにできるでしょう。
2021.09.16