電子マネー活用とは?
種類・仕組みから店舗導入のメリットまで解説
- 情報ソリューションBU マーケティングDX事業部
- パフォーマンスマーケティング本部 第四部2T
- 渕江貴康
電子マネーが実用化されたのは2001年。その後、鉄道各社がIC乗車券や定期券を相次いで発売し、2007年には流通大手が電子マネーのサービスを開始しました。今では、スマートフォンやタブレットに対応した決済手段も登場。その利用価値から一気に普及した電子マネー、進化と共に企業にとって欠かせない重要なデータベースになりつつあります。
<目次>
1. 使えば使うほどお客さまは、おトク
2. なぜマーケティングに役立つのか
3. 電子マネーの主な種類と特徴
4. ターゲット層を左右する「支払い方式」の違い
5. データ分析だけではない!店舗運営における導入メリット
6. サービスの差別化にも電子マネーを活用できる
7. 電子マネーの導入から高度なデータ販促まで!「電子マネーカードレスソリューション」
1.使えば使うほどお客さまは、おトク
支払いの負担を軽減
一般的に、電子マネーとは現金をデータに置き換えて、事前にチャージして決済できる手法のこと。現在はその決済方法の種類も多様になり、クレジットカードと一体化したものも多く使われています。お客さまのメリットは、どこでも使える、小銭の持ち合わせがなくてもいいという使い勝手のよさの他に、現金で支払うより「支払いに対する心理的負担が軽い」こともあげられます。
ポイント貯めて割引率もアップ
さらにお客さまにとってお得なのは、電子マネーを使って買い物をすればポイントが貯まったり、ポイント付与率や割引優待のランクアップにつながったりすること。そうなると、次回もその電子マネーが使える店を利用しようという行動に結びつきます。
企業は、お客さまにどんどん電子マネーを使ってもらうために、自社の電子マネーが使える加盟店を増やし、アライアンスを推進しています。会員数が増えれば、それ自体が宣伝にもつながるからです。
2.なぜマーケティングに役立つのか
購買行動がデータで一目瞭然
企業にとって電子マネーが重要である理由の一つは、お客さまの購買行動がつぶさにわかるようになったことです。決済情報をマーケティングに活用したいという課題は、以前からありました。ただ、クレジットカードの場合は、どういう業種で使ったかはわかっても、何を買ったかまでは情報が得られませんでした。ところが電子マネーなら、「誰が」「どこで」「いつ」「何を」「いくらで買ったか」という詳細なデータも紐付けることができるのです。
2:8の法則で効果的な販促策も!
「約2割の顧客で8割の売り上げを確保する」という、通称2:8の法則(パレートの法則)はよく知られていますが、細かくお客さまの趣味嗜好や買い物の傾向を知ることができれば、その2割の優良顧客に対してヒット率の高いきめ細やかな販促計画を立てられます。そのための情報が、電子マネーの中にはたっぷり詰まっているのです。
お客さまにとっては利便性が高く、買い物がお得になる電子マネー。企業にとっては利便性を高めながら、同時にマーケティングの強化に役立つおすすめのツールと言えるでしょう。
3.電子マネーの主な種類と特徴
一口に電子マネーの活用といっても、その種類は多岐にわたります。自社のビジネスモデルや顧客層に合ったものを導入するために、まずは主要な系統と特徴を把握しておくことが必要です。
交通系(ICカード型など)
駅の改札通過から発展したタイプです。決済スピードが非常に速いため、駅ナカの店舗やコンビニ、自動販売機など、スピーディーな処理が求められる場所での使用に向いています。
流通系(商業施設発行型など)
スーパーマーケットやコンビニ、ショッピングモールが発行主体です。買い物でのポイント還元率が高く、主婦層を中心に多い利用者が定着しています。
QRコード・バーコード決済(ペイ系)
スマホアプリを使用するタイプです。ペイと電子マネーの違いとして、専用端末が不要で導入コストを抑えやすい点が挙げられます。
また、汎用的なものだけでなく、自社店舗のみで使える「ハウス電子マネー」を独自に発行する会社も増えています。顧客の囲い込みを重視する場合は、こうした独自規格の導入も検討の余地があります。
4.ターゲット層を左右する「支払い方式」の違い
電子マネーの使用方法やターゲット層は、支払いのタイミングによっても大きく異なります。以下の3つの型を理解し、自社の客層に合わせた解説や案内を行うことが大切です。
プリペイド型(前払い)
事前に現金をチャージして使うタイプです。審査が不要なため、クレジットカードを持たない学生や高齢者でも手軽に利用可能です。予算管理がしやすく、現金感覚で財布代わりに使えるため、日常的な少額決済でのプリペイド電子マネーの種類は豊富です。
ポストペイ型(後払い)
クレジットカードと連携させて使用し、後日まとめて請求されるタイプです。事前のチャージが不要(オートチャージ等)で、残高不足を気にする必要がないため、比較的単価の高い買い物で利用される傾向があります。
デビット型(即時払い)
決済と同時に銀行口座から代金が引き落とされます。使用したその時に口座残高が減るため、現金感覚で管理したいが、ポイント還元などのメリットも享受したいという層に支持されています。
導入する電子マネーの種類を選ぶ際は、運用コストだけでなく、自社の顧客が「どの支払いサイクルを好むか」という点に注意が必要です。客層のニーズに応じて、これらを適切に組み合わせる、あるいは使い分けることが、電子マネー活用の成功率を高めるカギとなります。次に、より具体的な紹介として、店舗運営におけるメリットを見ていきましょう。
5.データ分析だけではない!店舗運営における導入メリット
電子マネーを導入するメリットは、マーケティングデータの取得だけにとどまりません。現場のオペレーション改善や、多様化するニーズへの対応といった電子マネーのビジネス活用も期待できます。
レジ業務の効率化
現金の受け渡しやお釣りの計算が不要になるため、会計にかかる時間を大幅に短縮できます。混雑時の列解消につながるほか、レジ締め作業のミスも減り、スタッフの負担軽減に有効です。
衛生面と非接触ニーズ
現金に直接触れることなく決済が完了するため、衛生管理が重視される飲食店や食品販売店などで、清潔感のあるサービスを提供できます。
インバウンド対応
電子マネーの海外普及率は高く、キャッシュレスに慣れた訪日外国人観光客にとって、現金のみの対応は利用のハードルとなります。多様な決済手段を用意することは、機会損失を防ぐための電子マネーの有効活用策と言えます。
POSシステムや会計ソフトとの連携も進んでおり、売上管理の自動化など、バックオフィス業務のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する上でも、キャッシュレス化は避けて通れない要素となっています。こうした電子マネーの活用術を駆使することで、店舗運営全体の質を向上させることができるでしょう。
6.サービスの差別化にも電子マネーを活用できる
地方独自のアイデアに電子マネーを活用
こうした電子マネーの特徴を活かして、サービスの差別化を図る企業も出てきました。地方で食品スーパーを展開するある企業は、2004年から自社の電子マネーを発行。現在では来店客の2人に1人が電子マネーカードを所持しています。よくある購入額にあわせてポイント加算率が高くなるランクアップ制度だけでなく、特売情報をリアルタイムで発信するなど独自のサービスで、競合スーパーとの差別化に成功しています。
地域活性化の一端も担う
最近の電子マネーの種類を比較すると、全国共通で利用できるもののほか、地域の商店街の加盟店独自のサービスが受けられたり、利用金額の一部が地域振興や支援事業に還元されたりするなど、電子マネーは地域活性化の一端も担っています。
活用の幅がどんどん広がりつつある電子マネー。もはや「お金」としての使い道だけではありません。導入することによってマーケティングを格段に進歩させる「情報」としての価値が俄然注目されています。
7.電子マネーの導入から高度なデータ販促まで!「電子マネーカードレスソリューション」
本コラムでご紹介したような、決済データを活用した高度なマーケティングや、自社独自のハウス電子マネーの導入をご検討であれば、TOPPANの「電子マネーカードレスソリューション」にお任せください。
電子マネー機能の導入はもちろん、既存のポイントや会員証も1つのアプリに集約することが可能です。顧客の購買行動を可視化し、データに基づいた最適な販促施策をワンストップで支援。企業のLTV最大化に向け、企画から日々の運用までしっかりと伴走いたします。
2026.05.29





