サイトリニューアルを成功させる進め方とポイント!手順を基礎から解説
Webサイトリニューアルをすることで、デザインやシステムを含めた自社サイトの課題を解消し、運用成果の改善につながります。Webサイトリニューアルは、単なる更新・改修作業とは異なり、Webサイト全体の問題にアプローチし、大幅なパフォーマンス改善をはかります。
リニューアルには大がかりな工程が必要になるため、仕様を見直すべき適切なタイミングや進め方を理解しておくことが大切です。正しい知識を習得し、適切な計画のもとでリニューアルを進めると、Webサイトをより理想的な状態に近づけることができるでしょう。
本記事では、Webサイトリニューアルの進め方と押さえておくべきポイントを元に、Webサイトリニューアルを成功させるための秘訣まで解説します。
<目次>
1.サイトリニューアル前に押さえておくべきポイント
2.サイトリニューアルの進め方・手順
3.サイトリニューアル時の「SEO順位下落」を防ぐ必須の移行対策
4.サイトリニューアルでよくある失敗と原因
5.サイトリニューアルはゴールではない!公開後の「運用・保守」とPDCA
6.サイトリニューアルの成功のポイント
7.成果が出るサイトリニューアルを実施しよう
1.サイトリニューアル前に押さえておくべきポイント
Webサイトリニューアルとは、現行のWebサイトの根本的な問題を解決するために、自社サイト全体のデザインやシステムを変更する方法です。
Webサイトのリニューアルを実施する前に、その目的や適切なタイミング、必要な期間などの情報を押さえておきましょう。事前に基礎知識を身に付けておけば、その後の進行がよりスムーズになります。
サイトリニューアルとは?更新や改修との違い
Webサイトリニューアルでは、単に見た目を一新するだけではなく、各ページの構造や機能、コンテンツ、インフラ環境といったWebサイトのあらゆる仕様を見直します。
Webサイトリニューアルには、更新や改修というよく似た言葉が存在します。更新・改修は、ページの一部の掲載内容を変更したり、部分的に新機能を付け足したりと、必要な部分のみに応急処置を施すのが目的です。
一方のWebサイトリニューアルでは、Webサイト全体の課題や問題点をあぶり出し、根本的な問題解決をはかることを目的とします。更新・改修に比べて大掛かりな工程が必要になりますが、KGI(最終目標)やKPI(KGIを達成するための中間目標)の大幅な改善につながりやすいメリットがあります。
サイトリニューアルに適したタイミング
Webサイトリニューアルには、仕様を見直すべき適切なタイミングが存在します。適切な目的のもとでリニューアルを進められるよう、次のようなタイミングを意識すると良いでしょう。
● 一時的な更新や改修のみでは成果が改善しないとき
● SSL化やモバイル対応などの大幅な仕様変更への対応が求められるとき
● 企業のブランディング戦略が変更されたとき
このようなケースでは、Webサイト運営のどこかの部分に必ず課題が存在します。適切なタイミングでリニューアルを検討すると、課題の特定や、課題に対する明確な目的がイメージしやすくなるため、成果改善に効力を発揮しやすくなります。
「何となくデザインが古いように感じる」といったように闇雲にリニューアルを行ってしまうと、期待した成果が得られない可能性があるので注意が必要です。
サイトリニューアルにかかる期間
Webサイトリニューアルにかかる期間は、サイト規模によって大幅な差があります。一般的な15ページ程度のコーポレートサイトで2カ月半以上、1000ページを超える大規模なWebサイトなら、半年以上の期間を要する場合もあります。
また、期限内に必要な素材が用意できない、デザインの方向性が変わったなどの突発的なトラブルがあると、さらに時間がかかることもあります。
Webサイトリニューアルを検討する際は、目安となる期間にある程度余裕を設け、完成目標時期から逆算する形で計画を立てることが大切です。
サイトリニューアルにおいて、その後の運用効率やパフォーマンスを大きく左右するのが「CMS(コンテンツ管理システム)」の選定です。
自社に最適なCMSの選び方や比較ポイントについては、以下の記事で詳しく解説しています。あわせてご確認ください。
2.サイトリニューアルの進め方・手順
あらかじめ適切な手順や進め方を理解することで、よりスムーズにWebサイトリニューアルを進行できます。ここでは、制作会社に依頼する場合を想定し、手順ごとの流れや注意すべきポイントを解説します。
1. プロジェクトの立ち上げ
2. RFP制作
3. 制作会社の選定
4. 制作依頼
5. 制作・構築
6. 検収・公開
7. 継続的な運用・改善の実施
1. プロジェクトの立ち上げ
1つの目的を達成するためのプロジェクトを立ち上げ、社内のさまざまな部署から有志を募ります。たとえば、Webサイトの運用に携わる情報システム部門や、市場調査データを保有する営業・マーケティング部門、ブランディングの知見を得られる広報部門などからメンバーを集め、1つのチームを編成すると良いでしょう。
十分なメンバーが集まれば、組織全体を統括するプロジェクトマネージャーを選定します。プロジェクトマネージャーは、メンバー間の意見集約やスケジュール管理のほか、予算を確保するための社内調整が求められるため、リーダーシップのスキルに加え、決裁権のある人物が適任です。
2. RFP制作
RFPとは、Webサイトリニューアルの目的や方針、実装する機能、KGI・KPIなどの要素を整理することです。リニューアルに関する細かい要件を定めておくことで、トラブルの発生時に軌道修正を行いやすくなります。
具体的には、次のような要素をRFPにまとめます。
● 背景・目的
● ターゲット・コンセプト・デザインイメージ
● KGI・KPI
● 予算
● スケジュール
● プロジェクト体制
● サイトマップ
● サイト環境
● インフラ環境
● 納品方法・納品物
● リニューアル後の運用方法
3. 制作会社の選定
Webサイトリニューアルの目的や方針に合う制作会社を選びます。複数の制作会社に提案依頼すると、各社の強みや弱みが明確になります。
制作会社を選ぶ際のポイントは次の通りです。
● 制作実績:豊富な実績がある制作会社ほど信頼できる
● 得意分野:対応サイトの種類や得意な業界などをチェックする
● 料金体系:トータル費用やオプション料金などを確認する
● 納品スピード:自社のスケジュール通りに対応してもらえるか
● アフターフォロー:修正やコンテンツ追加などの対応可否を確認する
また、複数社に相見積もりを依頼する際は、RFP(提案依頼書)を提出するのが一般的です。開発側への要望やリニューアルの意図を書面にまとめておくと、発注内容のズレや不足が発生するリスクを抑えられます。
なお、TOPPANにWebサイトリニューアルをご依頼いただく際には、貴社のご要望をヒアリングさせていただき、適切な制作会社の選定を行わせていただきますのでお任せください。
【重要】制作会社選びを成功に導く「RFP(提案依頼書)」の作り方
制作会社へ見積もりやプランを相談する際、口頭や簡単なメールだけの伝達では認識のズレが生じ、後のトラブルの原因となります。そこで重要になるのが、発注側の要件をまとめた「RFP(Request For Proposal:提案依頼書)」です。
精度の高いRFPを作成することで、複数の制作会社から同一条件で提案書を受け取れるため、費用の妥当性や提案内容の質を公平に比較検討できます。多くの企業が導入している標準的なRFPの構成要素は以下の通りです。
●プロジェクトの背景と目的
なぜ今回サイトリニューアルを行うのか、現状の課題(デザインの陳腐化、スマホ未対応など)と解決後のゴールを明記します。
●ターゲットと業務範囲
誰に向けたサイトなのか、また企画書作成からデザイン、コーディング、システム開発までどこを依頼したいかを定義します。
●技術要件(CMS・インフラ)
ワードプレスなどのCMS(コンテンツ管理システム)の導入有無や、サーバー環境、セキュリティ要件を指定します。
●予算とスケジュール
想定している予算感と、公開希望日(納期)を提示します。
RFPの内容が具体的であればあるほど、制作会社からの提案も実効性の高いものになり、プロジェクトの成功率がグッと高まります。もし社内でRFP作成が難しい場合は、要件定義のフェーズから支援してくれるパートナーを選ぶのもおすすめです。
4. 制作依頼
制作会社に依頼すると、最初にヒアリングが実施されます。提案依頼段階で提示したRFPを参考に、リニューアルの方向性や細部の仕様などについて開発側と話し合います。
そして、ヒアリングで意見がまとまった後は、制作会社から要件定義書と見積書が提示される流れです。制作会社から提示される書類は各項目をしっかりとチェックし、気になる部分があれば制作前に確認しておきましょう。
要件定義書の内容に問題がなければ、コーディングやプログラミングといった開発段階に移行します。この際に画像やテキストなどの素材が必要なことがあるため、事前に用意しておくと良いでしょう。制作会社によっては、有料素材を提供してくれるケースもあります。
5. 検収・公開
開発完了後のWebサイトは、内容の不備について制作会社でチェックが行われますが、発注者側でも検収を行いましょう。事前にチェックリストを作っておくと不具合や漏れを見つけやすくなります。
納品後に発注者側がチェックすべき項目は次の通りです。
● 希望したデザインが忠実に反映されているか
● 表記揺れやスペルミスがないか
● 制作過程で仕込んでいたダミーを消し忘れていないか
● ブラウザによる表示崩れや動作不良が起こらないか
● ページ内のリンクが正しく機能しているか
● ページ内の入力フォームが正しく機能しているか
問題がないことを確認したうえで、Webサイトを公開しましょう。
6. 継続的な運用・改善の実施
Webサイトの公開後は、要件定義書に記載されたKGI・KPIをもとに効果測定を行います。リニューアル前とリニューアル後の実績を比較したり、目標と実績の差異を確認したりと、問題がある箇所を洗い出しましょう。問題点を特定後は解決に向けた仮説立案や改善を行い、PDCAサイクルを回します。
要件定義書にリニューアル後の運用方法を明記することで、書面を見ながらスムーズな運用が可能です。リニューアル後は更新作業やメンテナンスが必要になるため、必要な作業や運用体制を整理しておくと良いでしょう。
3.サイトリニューアル時の「SEO順位下落」を防ぐ必須の移行対策
Webサイトリニューアルにおいて最も懸念されるリスクの一つが、検索順位の大幅な下落です。デザインが綺麗になっても、Googleなどの検索エンジンからの評価がリセットされてしまっては本末転倒です。 SEO(検索エンジン最適化)の観点で、失敗を防ぐために必ず実施すべき技術的な対策があります。
301リダイレクト設定
旧ページのURLから新ページのURLへ、自動的に転送させる設定です。これにより、旧ページが持っていた「検索エンジンの評価(ドメインパワー)」を新ページへ継承できます。リダイレクト設定を忘れると、ユーザーが「ページが見つかりません」というエラー画面(404)を目にすることになり、大きな機会損失につながります。
内部リンクと構造の最適化
検索エンジンのクローラーが巡回しやすいよう、パンくずリストの整備や、トップページから重要なコンテンツへスムーズに移動できる導線を設計します。
XMLサイトマップの送信
リニューアル公開時や直後に、Search Consoleを通じて新しいサイトマップを送信し、検索エンジンに「サイト構造が変わったこと」を速やかに通知します。
また、SEOの観点でサイトリニューアルにおいては、既存のコンテンツを安易に削除しないことも重要です。アクセス解析を行い、Web上で流入の多いページは内容を保持したまま移行するか、適切な転送先を用意しましょう。
AIO(AI Overview)を見据えた構造化データの引き継ぎとマークアップ
従来のSEO対策に加え、近年は生成AIによる検索回答(AIO)への対応も重要になっています。AIがページの内容や「専門性・信頼性(E-E-A-T)」を正確に読み取れるよう、Q&Aや著者情報などの「構造化データ」を新サイトへ正しく引き継ぐことや、見出しタグ(h1〜h3)を順序立てて使う「セマンティックHTML」での構築を実装要件に含めましょう。
4.サイトリニューアルでよくある失敗と原因
上記のような手順でサイトリニューアルを進める際、以下のような失敗しがちな点に注意する必要があります。
効果が曖昧・課題解決につながっていない
リニューアル後にアクセス数や問い合わせ数が増えるなどの効果を期待していたものの、一向に増えないということはよくある失敗です。サイトリニューアルの目的である課題解決につながっていないというケースです。
原因としては主に目的を設定していないことにあると考えられます。サイトリニューアルを進める際には、まず、現行Webサイトの根本的な問題を洗い出し、それらの問題を改善するという明確な目的意識が重要です。
ほぼデザインのみのリニューアルになってしまった
リニューアル後にデザインが大幅に変わり、見映えは良くなったものの、その他の機能面や操作性、コンテンツ、集客面などが特に改善されなかったという失敗もよくあります。ほぼデザインのみで見栄えだけのリニューアルになってしまったというケースです。
そもそもサイトリニューアルの意味を理解していないこと、優先順位を見誤り、デザイン重視になっていたなどの原因が考えられます。サイトリニューアルは単なるデザイン刷新ではなく、要諦は現行サイトの根本的な問題解決にあります。
ユーザビリティが下がってしまった
ユーザビリティとはWebサイトなどの操作性を表し、容易にストレスなく操作できることを「ユーザビリティが高い」と表現します。サイトリニューアルによって操作性や表示速度に悪影響が及ぶと、ユーザビリティが低下し、ユーザーの滞在時間も短縮されてしまいます。この原因としては、デザインを魅力的にしようとこだわりすぎてユーザビリティを軽視し、ユーザー目線の設計ができていなかったことが考えられます。
その他にもサイトリニューアルでのよくある失敗と原因については以下でまとめております。防止する対策と合わせてご確認ください。
5.サイトリニューアルはゴールではない!公開後の「運用・保守」とPDCA
サイトリニューアルは公開して終わりではありません。むしろ、公開してからがスタートです。最新のWebマーケティングトレンドに対応し、成果を出し続けるためには、日々の「運用・保守」と改善サイクル(PDCA)が不可欠です。
コンテンツの定期更新
「お知らせ」や「プレスリリース」の更新だけでなく、商品情報の追加やブログ記事の作成を継続し、ユーザーに有益な情報を発信し続けます。
効果検証と改善
Google アナリティクスなどの解析ツールを使い、アクセス数やコンバージョン率を分析します。実際のユーザーの動きをデータで見ながら、「どのページが見られていないか」「どこで離脱しているか」を把握し、改修を行います。
セキュリティ保守とシステムアップデート
CMSやサーバーのバージョン管理を行い、サイバー攻撃や情報漏洩のリスクに備えます。
社内で運用リソースが不足している場合は、更新業務や保守管理をアウトソーシングできる保守サポートサービスの利用も検討しましょう。また、競合他社の動向を定期的にチェックし、自社サイトの立ち位置を客観的に評価することも、担当者には求められます。
6.サイトリニューアルの成功のポイント
ここでは、リニューアル成功のための考え方や方法論を解説します。
「デザインだけ」のリニューアルにならないようにする
「デザインを一新したものの、当初の課題は解決されていない」といった失敗事例は少なくありません。なぜなら、デザインはWebサイトの構成要素の一部にしか過ぎず、根本的な問題を解決できるとは限らないためです。
そのため、リニューアルを検討する前に、デザインやコンテンツ、システムなどのWebサイトを構成する要素のなかから、どのような箇所に問題が発生しているかを見極めましょう。その問題点をもとに、リニューアルの目的や方針などを要件定義として整理します。あらかじめ問題点を特定すれば、「課題に対して適切なアプローチがとれず成果が出ない」といった失敗を避けられます。
リダイレクト・SEO対策を適切に実施する
リニューアルでページのURLを変更する際は、リダイレクトの処理が必要です。
リダイレクトとは、変更前のURLにアクセスしたユーザーを、変更後のURLへ自動的に転送する方法です。リダイレクト処理をせずに古いURLを放置すると、検索エンジンからの評価がリセットされてしまう、ブックマーク中のユーザーがアクセスできなくなるなどの問題が発生します。
リニューアル後はほかにも、メタタグ(titleやディスクリプションなど)を見直したり、XMLサイトマップを送信したりといったSEO対策が必要です。
リニューアル後はお知らせページで報告する
お知らせやニュースのページがある場合は、Webサイトリニューアルの情報を発信しましょう。情報を周知させることで、久しぶりに自社サイトを訪問したユーザーの離脱を予防できます。
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【リニューアル報告の例文】 当社○○株式会社のホームページをご覧いただき、誠にありがとうございます。 当ホームページは、2023年4月5日に全面リニューアルいたしました。ホームページのリニューアルにあたり、全体的なイメージを一新したほか、○○という機能を追加いたしましたので、ぜひご活用ください。今後とも内容の充実をはかるとともに、できる限りわかりやすい情報発信を心がけて参ります。 |
7.成果が出るサイトリニューアルを実施しよう
Webサイトリニューアルで最も重要なポイントは、事前に自社の課題と目的を明確にすることです。単なるデザインのみのリニューアルに終始せず、しっかりと目標となる成果を生み出せるよう、課題と目的に沿った計画を策定しましょう。
もし、Webサイトリニューアルの進め方がわからない場合は、TOPPANのWebサイトリニューアルサービスをご検討ください。当サービスでは、大企業を中心とした豊富な実績をもとに、お客様のニーズに合わせてWebサイトリニューアルのサポートを行います。
ヒアリングによる現状把握や課題特定のほか、要件定義書・RFPの作成までサポートいたしますので、リニューアルの進め方やリニューアル後のサイト運用方法を具体的にイメージできるのが特徴です。
こちらのページからお問い合わせ、または資料のダウンロードが可能です。「リニューアルによってWebサイトのパフォーマンスを高めたい」「よりスムーズにリニューアルを進めたい」という方は、ぜひ詳細ページをご覧ください。
2026.03.27

