【オンライン会談】
サンリン株式会社さま(後編)
DMとデジタルの新活用も!企業と顧客の絆をさらに深めるアプローチ法
前編「 紙面展示会で目標成約137.5%を達成!新型コロナ禍で再認識したDMの可能性 」では、DM施策での成果や新たな発見について、サンリン株式会社の溝口さん、長谷川さんにトッパンフォームズ(現 TOPPANエッジ)の今井と相田がお伺いしました。顧客との絆を深めるためのDM制作やWebへの集客率向上など、施策が成功してもなお、お二人は次の目標に向かって進み続けています。
後編では、DMとデジタルとの組み合わせや新規顧客へのプロモーション手法など、最新の取り組みやトレンドについてご紹介します。
ゲスト
サンリン株式会社
環境事業本部 リフォーム部
副部長
溝口 将之さん
環境事業本部 リフォーム部
課長代理
長谷川 良樹さん
インタビュアー
トッパン・フォームズ株式会社
営業担当
相田 健太朗
企画販促統括本部 販売促進本部 メディア推進部 デジタルメディアグループ
今井 尋
※ 所属・役職、本事例の内容は執筆当時のものです。
※ トッパン・フォームズ株式会社は2023年4月1日付でTOPPANエッジ株式会社に社名変更いたしました。
【DM施策概要】
毎年、支店ごとに地域のお客さまを招いて感謝祭を開催されていましたが、新型コロナウイルス流行の影響により、リアルでのイベントを中止。代替施策として、DMでの「紙面展示会」とWebサイト上での「バーチャル展示会」を組み合わせて実施することになりました。DMは、画像の差し替えや多くの情報が掲載可能な「 サイドジップメール 」をご採用いただきました。
今後の展示会施策に残る、Webと広告連動への課題
溝口さん:今回の紙面展示会DMは当社のメイン客である高齢者層に非常に響きました。DMを開いてみて、「サンリンは身近にいる会社なんだ」と感じていただけた実感もあり、私自身、DMの魅力を再認識しています。ただ、バーチャル展示会は閲覧数が伸び悩んだこともあり、そこは今後の課題ですね。
今井:Web誘導の課題解決に向けて、検討されていることはあるんですか。
溝口さん:若い方にもアクセスしていただきたいので、レシピやYouTuberとのコラボ企画、ミニゲームといったコンテンツを増やしていきたいとは考えていますね。とはいえ、Webの内容を充実させるだけではなく、DMからQRコードでリンクする以外の誘導方法を探ることも重要だと思っています。
相田:今回、リスティング広告もお試しになっていましたよね。実際にバーチャル展示会の閲覧も増えたと伺っていますが。
溝口さん:確かに、効果はありました。同時にテレビCMも大々的にやっていたのですが、こちらはWeb閲覧への行動喚起にはあまりつながらなかった印象なんですね。DM紙面とWeb、そしてテレビが連携できるような広告戦略というのも考えていきたいです。
相田:DMだとQRコードを読み込むだけですが、テレビCMからWebへの誘導はネットで検索する行動が必要になってしまうので、認知は高まっても導線がつながりにくいのかもしれないですね。
溝口さん:これまでは「テレビCMが最強」みたいなイメージもあったんですが、ただやってみただけではうまくいかないことを痛感しました。
新たな顧客開拓や新施策の実施へ、DMから広がる可能性
今井:サンリンさまはご高齢の方と深いつながりがあって営業力も強みなので、親世代が子ども世代を紹介するとプレゼントがあるといったキャンペーンをするのも一案ですよね。親の紹介ならお子さんも安心してお悩みなどを相談してくれるでしょうし、営業さんへの信頼も高まり、課題とされている若年層へのアプローチを拡大できそうです。
溝口さん:いいですね。非常に参考になります!
今井:また、キャンペーンやプレゼント企画を実施する際にアンケート記入を事前にしていただく方式もあります。その回答が次の販促施策やDM改善に活かせるのではないでしょうか。
溝口さん:そうですよね。あまり一方通行なDMにはせず、お客さまからも情報がいただけるようなDMにしたいという想いはあります。
長谷川さん:これから当社が目標とするDMの形として、今井さんがおっしゃった「お客さまとのつながりを深める施策」がひとつの答えなんだと思います。あとは保管性の高いDMも狙いたいところなんですが。
今井:私がこれまで担当した中だと、弊社のDMの中でも特にシンプルな形状の「メールワン・シングル」を使い、切り込みを入れて角柱型に組み立てて置いておけるDMを作ったことがあります。あまり情報量は多くないのですが、表の4面に継続して楽しめる情報やクイズなどを掲載して手元に長く置いてもらい、なにかあったときにすぐ問い合わせをしてもらえるようにするんです。
溝口さん:お客さまを飽きさせない、新鮮な気持ちで見ていただけるDMを目指すうえで、そういったアレンジはとても面白いですね!
DM×デジタルを最大限に活用!今後の DM施策への期待
長谷川さん:DM施策のトレンドやデジタルとの組み合わせの活用事例などを教えてもらってもいいですか?
相田:最近ですと、Webの閲覧履歴を追いかけて、その内容に合わせたDMを送ることができる「 CloudDM/クラウドDM 」というソリューションがあり、消費者が求めている情報をダイレクトに訴求できます。DMの紙面を一部差し替えたりするのも、結局はデータによる制御なので、個人的には、紙のDMとデータの関わるWebって、とても相性がいいというか、あらゆることを実現できる可能性を秘めているなと思うんです。
今井:あとはSMSの活用ですね。既存のお客さまで電話番号データがある方へはSMSで情報を送り、ない方にはDMを送る。さらにDMに掲載したQRコードからWebに進んだ方を分析して、その方だけにフォローDMを追加で送る、といったことも可能です。「若い方はメールで商談を完結したい」といったお話もあったように、お客さまの年齢層によってどの媒体でコミュニケーションをとりたいと考えているかが変わってくるので、デジタルもうまく活用していただければと思います。
長谷川さん:今回の取材もそうですが、新型コロナ禍でWeb会議なんかも急速に広まりましたよね。まだ理想ですが、Web上でお客さまと商談ができるような新しい接点もつくりたいと考えています。そういった点でも、 DMとデジタルの併用は重視すべき点。まずはバーチャル展示会の集客課題をクリアしたいですね。それから、今まであまり接点のなかった若年層などの新規顧客を取り込んでいくためにも、顧客接点の持ち方やプロモーションの方法などコミュニケーション戦略全体に対して幅広くご提案いただきたいです。
溝口さん:これまでのリアルな展示会は、「お客さまに感謝の気持ちを伝えて、当社とのつながりを再確認してもらうこと」「にぎやかな雰囲気の中でお買い物を楽しんでいただくこと」という2つの想いを強く持って行っていました。今後の施策でも、その想いはブレないよう意識しながら、お客さまとの接点を増やし、喜んでいただける施策を企画していければと思います。相田さんには引き続き頑張っていただかないと(笑)。
相田:ありがとうございます(笑)!この新型コロナ禍の中で、私自身も非対面の営業活動を行うことも増えましたが、直接お会いできなくても、お客さまとコミュニケーションをとる手段はたくさんあることを実感しています。紙もデジタルも扱うデジタルハイブリッドに取り組んでいる当社だからこそご提案できることもあると思います。今後は、今まで以上にサンリンさまとその先のお客さまの感じ方なども意識したうえで、お客さまとのコミュニケーションを強固にしていけるようなご提案ができるように精進します!
本日はありがとうございました。
※ 所属・役職、本事例の内容は執筆当時のものです。
※ トッパン・フォームズ株式会社は2023年4月1日付でTOPPANエッジ株式会社に社名変更いたしました。
※ QRコードは株式会社デンソーウェーブの登録商標です。
新型コロナウイルス感染拡大の情勢を考慮し、オンラインでのインタビューを実施しました。
2021.03.09