コラム

DMの平均開封率はどれくらい?
開封率アップの方法やポイントをご紹介

紙のDM(ダイレクトメール)は、このデジタル時代に紙の送付物による顧客との直接のコミュニケーションを実現する特徴的なマーケティングツールの一つです。デジタル化が進み、メールマガジンやSNSによるメッセージなどの方法も活用されていますが、紙ならではのDMの効果で成果を上げているケースも多くあります。

DMは、ポイントを押さえれば、開封率や反応率アップなどの効果を高めることができます。2024年の秋には郵便料金の値上げも見込まれており、費用のかかるDMに対して開封率アップなど費用対効果を上げていく取り組みを進める必要があります。

今回は、DMの基本やDM施策の効果測定方法と平均開封率、顧客情報の活用や形状の工夫で開封率をアップさせるポイントや具体的な方法をご紹介します。


DMとは?効果をご紹介

DM(ダイレクトメール)とは、主に商品やサービスを訴求する目的で企業が個人へ送付する印刷物やEメールを活用した広告を指します。

「ダイレクト」という名の通り、不特定多数の人へのマーケティングとは異なり、顧客や見込み顧客に対して直接アプローチするのがDMの特徴です。

EメールによるメルマガやSNSによるメッセージなど「ダイレクトメール」の送付方法の幅は広がっていますが、従来、「ダイレクトメール」といえば封書やはがきによる紙の送付物のことを指していることがほとんどでした。本記事でも「紙のDM」にフォーカスしてお伝えしています。

DMとメルマガの違いとは

DMと同様、Push型のアプローチとしてメルマガがあります。メルマガもまたサービス、キャンペーンの案内を顧客に送るマーケティング手法ですが、DMと違い配信ツールを活用し、Eメールで一斉配信します。
DMとメルマガは実施する目的は似ていますが、以下のような違いがあります。

・表現力
DMは、紙の表面への加工、特殊印刷が可能なため、実際に手に取ることを想定した表現をすることができ、また形や大きさも要件や顧客により変えることで印象に残りやすくすることができます。実物での差別化ができる点で、DMはメルマガよりも表現力が優れたアプローチ手法となります。

・開封率
メールはパソコンやスマホで簡単にみることができるため開封率が高くなりそうな印象もありますが、毎日届く多くのメールに埋もれてしまい、見られない、気づかれないというデメリットがあります。一方でDMは手元に残りやすく、開封率も高いという傾向があります。

・コスト
DMは紙代、印刷代、郵送費などのコストがかかるため、印刷方法や、送付方法を工夫しコスト削減する必要があります。メルマガは、作成や送付のリソースは必要ですが、それ以外ではほとんどコストがかからない手法になります。

紙のDMに期待できる効果

DMは、次のような効果が期待できます。

DMは手元に届くためキーマンにリーチしやすい

紙の送付物は手元に届くことから、企業宛てに送る場合、キーマンにリーチしやすいというメリットがあります。
実物を手に取ってもらうことができれば開封してもらえる可能性が高く、直接情報を届けられます。

DMは手元に残してもらいやすい

紙のDMは、物理的に手元に残してもらいやすいところがあります。
Eメールの場合、メールボックスに入ったまま未開封でそのまま気付かれることなく流れていってしまうこともありますが、紙のDMの場合、物理的に届いて残るという点が異なります。

紙DMならではのデザインの工夫で印象に残しやすい

紙のDMと一口に言っても、はがきタイプや封書タイプ、A4サイズの大判タイプなどさまざまな大きさや形状の選択肢があります。
またデザインも紙DMならではの工夫ができ、アレンジの幅が広いことから、受け取る相手の印象に残しやすいメリットがあります。

DM施策の効果測定方法と平均開封率

DMは、効果測定を行いながら改善を重ねていくことで成果を出すことが可能です。

効果測定方法

DMの主な効果測定方法としては、次の方法が挙げられます。

・DMにQRコードを付与し、流入数を計測
DMにQRコードを印刷しておき、スマートフォンなどで読み取ってアクセスしてもらうことで、追加で情報を提供する仕組みにすることも可能です。受け取り手に有益な情報を提供すると同時に、DM経由でのアクセスを計測できるので、流入数を計測すればDMの開封率や反応率を知ることができます。

・クーポンを付与して利用数を計測
DMにクーポンを付与しておき、商品の割引が受けられる仕組みにしておきます。DM経由でクーポンを利用したことがわかるようにしておけば、DMの開封率の一つの目安にできます。

・アンケートなどの返信用のはがきを同封し返信数を計測
DMにアンケートなどの返信用はがきを同封しておき、アンケートに回答した上でハガキを送り返してもらう仕組みにします。これにより、返信数を計測することで、DMの反応率を知ることができます。

DMの平均開封率

DMの平均開封率はどのくらいなのでしょうか。

生活者モニターの自宅に送付されたDMを収集しているTOPPANエッジの「DMライブラリ®」の統計資料によると、2022年度のDMの開封率の全体平均は58.5%でした。

特に開封率が高い業界は、「金融」で73.0%、次いで「公共・その他」の69.8%、「化粧品・トイレタリー」69.8%と続きます。
また形状別のDM開封率では「定形封筒(紙)」が72.6%と最も高くなっています。「はがき」は62.4%、「圧着はがき」は59.1%でした。

DMは業界や形状によって開封率は変動しますが、おおむね60%前後が平均的な開封率となっています。


紙のDMの開封率をアップさせるポイントとは?

DMの開封率を上げるポイントとしては、次のことが挙げられます。

ニーズと合致するターゲットにDMの送付先を絞る

DMの内容はユーザーのニーズを満たすものでなければ、開封される可能性は低いでしょう。あらかじめ、ニーズと合致するターゲットにDMの送付先を絞ることで開封率が上がり、費用対効果のアップも期待できます。

ユーザーが興味を持つようなDMのデザインや形にする

開封したくなるDMのデザインにすることも重要です。ユーザーが興味を持つようなデザインや形、開封しやすい形状にすることで開封されやすくなり開封率もアップするでしょう。

開封されやすいタイミングでDMを送付する

顧客や見込み顧客が購買意欲を持ちやすいタイミングでDMを送付することも一案です。
例えば、商品・サービスを購入しやすいボーナスが支給された後や、誕生日などにDMを送付することで開封率アップが期待できます。

プレゼントやサンプルを同封しDMを送付する

DMの形状の中には、プレゼントやサンプルを同封できるタイプがあります。
DMに同封することで開封を促し、印象に残すことで商品・サービスの購買促進につながるでしょう。

顧客情報を活用して紙のDMの開封率を上げる方法

一つ目は、顧客情報を活用してDMの開封率を上げる方法です。

DMの開封率を上げるポイントとして、先ほどターゲティングすることと最適なタイミングで送付することが重要だとお伝えしました。特に近年はMA(マーケティングオートメーション)やSFA(営業支援システム)といったツールで顧客情報を蓄積している企業も多くあるかと思われます。それらの顧客情報を活用すれば、よりパーソナライズされたDM送付が可能になります。

TOPPANエッジの「CloudDM/クラウドDM®︎」というサービスを活用すれば、MAやSFAツールと連携して、パーソラナライズされたDMを紙とデジタルで送付できます。

「CloudDM®︎」は、現在利用しているSalesforce、Salesforce Marketing Cloud、Marketo EngageなどのMAやSFAツールと自動連携し、最適なタイミングでDMを送付できるサービスで、お客さまからデータを受領した後、最少1通から最短翌日にDMを発送可能です。

例えば、商品を購入したお客さまに対して、1週間後にサンキューDMを送付する仕組みを作り、さらに商品を消費する一カ月後にフォローDMを送付してリピート購入を促すといったことも可能です。タイミングを逃さない上に、すべてのお客さまへの一律なコミュニケーションに替わる、個別のコミュニケーションを実現することができます。

送付するDMは、圧着はがき、定形封書、A4大判から選ぶことができる上に、デジタルプリントでのオンデマンド生産により、印字やパターンの差し替えが容易に行えるため、パーソナライズされた情報を手軽に送付できます。

形状を工夫し紙のDMの開封率を上げる方法

二つ目は、形状を工夫しDMの開封率を上げる方法です。ここでは3つの方法をご紹介します。

1.大判DMで多くの情報を掲載

大判DMを利用すれば、より多くの情報を伝えたり、サンプル品を同封したり、アンケート機能などの返信性を付与したりできます。 何より大判なのでインパクトがあります。

TOPPANエッジがご提供する「大判DM」では、巻き折りタイプ、クロス折りタイプ、冊子タイプ、サンプル同梱タイプの4種類から選ぶことができ、すべてのタイプに返信機能を付けられます。

2.ジッパーミシンがついた大判DMで大きな訴求を実現

多くの情報を掲載したい、見開きで大きな訴求を行い、順序立てて情報を伝えたいといったニーズに応えるのが、ジッパーミシンがついた大判DMです。

TOPPANエッジの「サイドジップメール®︎」なら、中に返信はがきや返信封筒、申込書などの返信機能を付けられるので、反応率の計測と向上につなげられます。

申込書などには、事前に名前や住所などを印字しておくこともできるので、ユーザーの記入の手間を削減し、申し込みのハードルを下げることができます。

3.圧着はがきで通常の2~3倍の情報量を送付

はがきでDMを送る場合、情報量が限られるという課題がありますが、圧着はがきを利用すれば、通常の2~3倍の情報量を送ることも可能です。

TOPPANエッジの「POSTEX®︎」なら、通常はがきサイズで、2~3倍の情報量を送ることができます。圧着はがきによって機密性を保持しながら、一般のはがき料金で郵送できます。

水にぬれてもすぐに開ける耐水紙タイプや、環境に配慮したFSC®︎認証紙タイプなど、形式や印刷の様式をニーズに合わせて選ぶことができます。

形態も豊富にあり、二つ折り、三つ折り、Wピール(Z折り)、Wピール(ブックタイプ)、返信はがき付きの往復はがきや8面タイプから選べます。


まとめ

DMは、工夫次第で開封率や反応率を高めることができます。高い効果を出したいとお考えの場合には、ぜひご相談ください。今回ご紹介した方法を含めて、お客さまにとって最適なDM施策をご提案いたします。


※ QRコードは株式会社デンソーウェーブの登録商標です。

2024.05.27