会員管理システムとは？
導入メリットや選び方を解説

会員サービスを提供している企業にとって、会員管理は事業の軸となる業務です。会員管理システムは会員情報を効率的に管理し、データとして効果的に事業に反映させるためのシステムです。会員情報の適切な保存・整理、更新、分析から、顧客との関係を強化し、より効率的なサービス提供や営業活動を行うことが可能になります。

会員管理システムの概要と導入のメリット、さらに種類と選び方について解説します。

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会員管理システムとは？

会員管理システムとは、会員情報を事業に役立つ形で効果的に管理するためのシステムです。
会員システムには主に、以下のような機能があります。

会員の情報を効率的に登録、管理するための機能です。会員の基本情報（氏名、住所、連絡先など）や購買履歴、利用状況などを一元管理できます。データベース機能を使用することで、顧客に関する情報へのアクセスがしやすく、条件による検索といった操作が容易になります。

プロモーション機能は、会員が利用するサービスや購買履歴を追跡し、それに基づいて会員に適したサービスや商品を提案する機能です。例えば、過去の購買履歴から好みや関心を分析し、個別にカスタマイズされたプロモーションやオファーを提供します。顧客満足度を高め、継続的な関係構築に役立ちます。

会員とのコミュニケーションを支援する機能です。メール、通知、チャット、FAQ（よくある質問）などを通じ、会員に対するサポートや重要な情報を提供します。最適なタイミングで会員とコミュニケーションを取ることで問題解決や情報提供を円滑にし、会員の満足度や利益の向上に貢献します。

報告書と分析機能は、会員のデータを基にレポートや統計を生成し、経営戦略の意思決定に活用するための機能です。会員の傾向や行動パターンを分析することで、売り上げ予測や市場動向の洞察を得られます。精度の高い分析は、戦略的なプランニングや改善策の立案に役立ちます。

これらの機能を組み合わせることで、会員管理や顧客満足度向上、効果的なマーケティング戦略の展開などが実現できます。会員管理システムは、ECサイト、スポーツジム、ゴルフ場など多くの会員を有するさまざまな分野で活用されています。

会員管理システムを導入するメリット

会員管理システムを導入する主なメリットを紹介します。

顧客の基本情報や購買履歴、連絡履歴などを一元的に管理することで、情報共有がしやすくなり、関係者間で常に最新の情報の確認ができるようになります。複数のデータソースを参照する手間を省き、正確な情報に基づいたサポート、営業提案が可能となります。

顧客の購買履歴に対する的確なサポート、興味関心の把握によるベストタイミングでの提案など、顧客のロイヤルティーを高める施策を通じて関係が強化されます。ニーズに素早く対応してもらえることで、顧客満足度が高められます。

会員管理システムを通じて、全体的な会員のニーズや好みの傾向がつかみやすくなります。顧客の要望や苦情を迅速に把握し、対応しながら、サービスの改善や個別向けのカスタマイズに取り組むことで、顧客満足度の向上につながります。

システムの提供するセキュリティ機能によって、企業の重要な資産である会員情報についてデータの安全性を確保し、不正アクセスや情報漏えいなどのリスクを最小限に抑えられます。例えば表計算ソフトなどで個別管理するのにくらべ、社内統制がとりやすく、リスクを軽減することができます。

顧客情報をシステムで管理することで、手作業によるタスクや煩雑なプロセスを減らし、業務効率が向上します。データの共有や連携により入力の頻度を下げられ、人為的なミスを抑制します。

会員管理システムの最終的な目的は、LTV「Life Time Value（顧客生涯価値）」の最大化にあります。上記のようなメリットがもたらされることで会員との関係強化、適切な提案が可能となり、LTV最大化が実現しやすい環境となります。

会員管理システムの種類

会員管理システムの種類を、提供する形態と機能のタイプ別で解説します。

クラウド型:
クラウド型は、ネット上にサーバーや設定が構築されているタイプです。インターネット回線を通じて各機能にアクセスするため、ローカルでの負担がありません。
ライセンス料が不要なため初期コストが比較的安価に抑えられ、ランニングコストも最小限ですみます。
アップデートは自動で行われ、セキュリティ管理や保守点検などすべてベンダーによる管理に任せられるため、高度な知識や技術を必要としません。

パッケージ型:
パッケージ型は、ソフトウェアを購入し、自社のPCやサーバーにインストールするタイプです。そのため、システムサーバー構築、設定は自社内で行う必要があります。また運用中の保守点検、セキュリティ管理も自前となります。システム構築とライセンス料が必要となるため、初期費用が高額になりやすく、保守費用が発生します。一連の作業や管理に際しては、専門的な知識と技術が必要となります。

パッケージ型のメリットとしては、PCに直接インストールするためオフラインでの利用が可能であり、スタンドアローンで使うこともできるため、顧客管理に特化したマシンでセキュリティの確保を万全にできるという点が挙げられます。
またカスタマイズの自由度が高く、自社の運用に合わせて柔軟な対応が可能です。

会員管理システムには多様な機能がありますが、特定の機能に強みを持つタイプも見られます。

会員管理業務強化型:
会費の徴収・集金などお金の管理関係が強化されており、自動計算やオンライン決済、会計システムとの連携などが可能です。
会員情報の管理と集金、決済、クレジットカード・口座情報などがひもづけられているため、返金などの処理も容易で確実に行うことができます。

アプローチ機能強化型:
会員情報の集約と分析にすぐれ、アプローチや提案に強みを持つタイプです。
メルマガ配信・自動DM配信・チャット機能などさまざまなタッチポイントを提供し、営業活動を支援します。
条件によるグループ分けで傾向に合わせたキャンペーン情報を送付するなど、効果的なプロモーションが実現します。

会員サイト構築機能強化型:
Webサイトの構築に役立つ機能が充実しているタイプです。
サイト運営に合わせて、会員登録フォーム作成・ログイン制御・パスワード設定・入退会管理・会員向けページの作成などの内容を組み替えられ、プラットフォーム構築が簡単にできる仕組みを提供します。
会員登録から自動的に会員データベースに情報が蓄積されるなど、サイト管理との連携がしやすいのが特徴です。

会員管理システムの選び方

会員管理システム導入を検討する際の、システムの選び方を解説します。

基本的な会員情報の登録・管理機能のほか、決済機能や分析機能など、そのタイプの強みに注目して選定することが大切です。自社ニーズに即した要素をピックアップし、優先順位をつけて導入後の有効性を図ります。

従業員が簡単に操作できる直感的なインターフェースや、使いやすい検索機能があるかを確認します。操作が煩雑、あるいは学習コストが高いシステムは、効率的な利用が難しくなる可能性があります。

自社の特定の要件に合わせてカスタマイズできるかは、重要なポイントです。また将来的な成長を見据えて、システムの拡張性についても確認します。

現在使用しているデータの移行がスムーズにできること、会計システムとの連携が可能であることなどは、導入および運用での利便性を左右するポイントとなります。必要なデータを再入力する手間が省け、双方向での情報共有がスムーズにできます。

会員管理では、個人情報の取り扱いが非常に重要です。データの暗号化、アクセス制御、定期的なデータバックアップなど、厳重なセキュリティ対策が整っているかを確認します。

特にパッケージ型を検討している場合には、システムの導入コストやライセンス費用、メンテナンス費用、システムの運用に必要なスタッフや社内リソースの負荷も考慮する必要があります。どのタイプを選ぶにしても、無理無く長期運用ができることが大切です。

まとめ：事業成果の拡大につながる会員管理システムの活用

会員情報を事業に役立つデータとするためには、管理を効率化し、情報を整理する必要があります。会員管理システムは顧客満足度を向上させながら関係性を深化し、新たな提案による収益拡大の可能性を広げる機能を提供しています。システム導入によって確実な効果を得ていくためには、自社ニーズと事業内容にマッチした会員管理システムを選定することが大切です。会員管理システムを十分に活用しながら、LTVの最大化による経営の安定を目指していきましょう。

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2023.10.11