コラム

校正業務のよくある課題とリスクとは?
解決策はヒューマンエラーをなくす
ツールと人のすみわけにあり!

製造メーカーなどは、商品ラベルや表示に関して、日々、目視で校正業務を行っていることでしょう。校正業務はただ実施すればいいわけではなく、集中して、誤表記などの大きな問題を発見する必要があります。

そのような中、「じっくりと時間をとって業務をしたいのに、他業務もあって思うように時間が取れないジレンマ」などを抱えていませんか?

校正業務の課題解決のカギは、本質的なヒューマンエラー予防にあります。

今回は、2025年12月5日に、TOPPANによる食品パッケージのオンライン校正×文章自動チェックツール「review-it! for Package」担当者が「第10回 ドリンク ジャパン -[飲料][液状食品] 開発・製造 展-」にて行ったセミナーの内容から、校正業務のよくある課題やリスク、課題解決策とリスクを取り除く方法、ツール選定の重要なポイントをご紹介します。


校正業務のよくある課題とリスク

日々の校正業務のよくある課題とリスクを見ていきましょう。
※今回は飲料開発関連の展示会におけるセミナーの内容となるため、例として取り上げるのは飲料・食品関連のものとなります。

飲料・食品関連の一括表示はミスが許されない

商品に貼付する飲料・食品表示は、一文字のミスで甚大な問題に発展することもあり、場合によっては食品表示法違反となり自主回収の必要が生じることがあります。

厚生労働省の2021年6月から2022年2月末までの約9ヶ月間のデータ(※1)によれば、食品衛生法違反の自主回収は464件であった一方、食品表示法違反の自主回収は958件と約2倍多い状況です。

また消費者庁のデータ(※2)では、食品表示法違反の自主回収の回収理由は、ラベルの「誤入力」や「入力漏れ」の件数が多いことがわかっています。

※1 出典:厚生労働省「食品等のリコール公表情報」
https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/000914633.pdf
※2 出典:消費者庁「食品表示法に基づく自主回収の届出状況」
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_labeling_recall/information/assets/food_labeling_cms203_240424_01.pdf

【具体例】
ここで一つ、例を見ていきましょう。この原稿とデザインデータの違いを考えてみてください。

正解は、「香料」の後の「、」の有無です。

これはアレルギー表示の形式ミスになります。このように、1文字抜けただけで意味が変わってしまい大きな問題となってしまいます。

じっくりと見たいけれど他にも多くの仕事がある

校正業務を行う担当者の方は、校正業務以外にも多くの仕事をこなさねばならず、じっくり時間をとって行うことができないのが実情ではないでしょうか。それでも「見逃してはいけない」というジレンマを感じていることでしょう。

ヒヤリハットの対策を実施しても撲滅が難しいヒューマンエラー

実際に、表記ミスを見逃しそうになったなどの軽微なヒューマンエラーを経験した職場では、「ヒヤリハットの法則」の通りに、徹底して対策を行っています。

ヒヤリハットの法則とは、ハインリッヒの法則とも呼ばれるもので、1件の重大事故の背景には29件の軽微な事故と300個の事故寸前の危機的状況が隠れているという経験則です。

これを踏まえ、軽微な事故である「ヒヤリとしたりハッとしたりする危険な状態=ヒヤリハット」を軽んじず、先んじて対策を行っておくことが重要であると考えられています。

実際にヒヤリハットを経験した会社の体験談をご紹介します。

食品メーカーの例

ヒヤリハット後、業務マニュアルを変えたり、人を変えたり、確認用の出力用紙を大きくしたりして対策した結果、年に一回あるかないかという状況にはなりましたが、あるとき、入稿したデータで大きな間違いが見つかり、印刷会社に無理なお願いをして刷り直したケースもありました。

酒造メーカーの例

ヒヤリハット後は、確認回数や確認人数を増やして対策を採りました。
しかし、その後もヒヤリハットが何度か発生しています。例えば「あります」が「ありす」となっていても、脳が勝手に補完して読んでしまい見落としてしまう状況にあります。

両社とも、ヒヤリハット後に実施した対策では根本的な解決には至りませんでした。ヒューマンエラーはどうしてもゼロにはならないのが現実です。

ヒヤリハットがなくならない3つの要因

人が校正している以上、ヒヤリハットはなくならないのが現実です。その要因として主に次の3つが考えられます。

1.思い込み(認知バイアス)
「これは合っているだろう」という人間が持ってしまう思い込みです。「認知バイアス」と呼ばれることもあります。

2.疲労
人はどうしても疲労と共に集中力、注意力の限界が訪れます。特に同じ作業を長時間行っていると、どんなに集中力や注意力がある方でも、散漫になってしまいます。

3.属人性
実際の現場では、“機械よりも早く校正できる”というベテランの方も少なくありません。しかし、同等のスキルレベルの人材を育成するのは容易なことではないため、再現性を保つことが難しく、属人化しやすいところがあります。

これらの要因はすべて人に起因するものです。ヒューマンエラーを人で解決しようとしても根本解決には至らないと私たちは考えています。

解決のカギは「個人の課題ではなく組織の課題」として捉えてヒューマンエラーを予防すること

先述の通り、食品表示法違反による自主回収は意外にも件数が多く、他人事ではなく身近な出来事として捉える必要があります。しかし、どれだけ対策を採ってもヒューマンエラーのリスクは避けられないのが実情です。

よって、リスクのある校正業務を担当者個人の課題として捉えることは避け、組織的な問題として捉える必要があるでしょう。

そのため「review-it! for Package」チームでは、「個人の課題ではなく組織の課題」として捉えた上で、解決のカギは「ヒューマンエラーを本質的に予防すること」であると考えています。

パッケージの校正業務における課題とリスク

パッケージの校正業務を行う際の課題を根本的に解決し、リスクを回避する方法を考えてみましょう。そのために、まずパッケージ制作の全体工程を俯瞰してみます。

全体工程:デザイン作成→部署内回覧→版下作成→部署間回覧

この工程には次の3つの大きな課題があり、それぞれにリスクが伴います。

1)デザイン作成
課題① テキストの記載ミス
リスク:原稿からの引用ミスなどのヒューマンエラー

まずデザインを作る工程では、原稿からの引用ミスの際の誤転記が考えられます。
例)48kcalを49kcalと転記してしまう
例)原材料の記載順を誤ってしまう

2)部署内回覧
課題② 納期への焦りや思い込み
リスク:多くの人が関わるが故に心の隙間が生まれてしまう

部署内で回覧して確認する工程では、納期が近いことで焦りがあるなか、多くの人員が関わるため、心の隙間が生じてしまい、思い込みにより確認しきれない部分が出てくることもあります。
例)「ベテランさんが確認済だし大丈夫かな…」と確認が漏れてしまう
例)「待たせているから早く確認しないと」と焦ってしまう

3)版下作成
課題③ 修正漏れや先祖返り
リスク:極めて細微な間違い探しにおける見落とし

版下作成の工程では、修正の漏れや先祖返りに気づかず進めてしまうことがあります。
例)食品表示法改正により、パッケージのデザインを一部変えた際に、先祖返りして2稿データが初稿のデータになってしまっている

これらは、どうしても人の目では気づけないこともあります。そこで、根本的な解決策となるのが、「校正ツールの利用」です。

パッケージ校正業務の課題解決&リスクを減らすツールの導入

校正ツールを導入することにより、「人間が見るべき箇所を可能な限り減らす」ことができます。

課題解決のポイント

先述の通り、どれだけ対策を採ってもヒューマンエラーは避けられないことから、機械が得意なことは機械に任せて、ヒューマンエラーの原因となる、人の目視に依存した工程を減らすことがポイントになります。

また解決のカギとしてお伝えした、「個人の課題ではなく組織の課題」として捉えるために、個人への対策だけでなく、“仕組み≒ツール”を用いて、組織的に課題を解決してリスクを取り除くことが肝心です。

校正ツール導入の効果

先に示したヒヤリハットの主な3つの要因に対して、校正業務に校正ツールを導入することで次の効果が期待できます。

・思い込み(認知バイアス)への対策効果
思い込みにより「あります」が「ありす」になっていたことに気付けない例でも、ツールなら洗い出すことができ、リスクが下がります。人は先入観なく校正業務に取り組めます。

・疲労への対策効果
集中力、注意力が低下したとしても、ツールならどれだけ細かいミスも機械的に発見できます。

・属人性への対策効果
ツールであれば誰が使っても同じ効果を得られることから、属人的になり、再現性を保つ難しさの課題を解決できます。

パッケージ校正ツール選定のポイント

パッケージ校正ツールは、次のポイントを押さえて選定することをおすすめします。

1.使いやすさ
□パッケージ校正向けのUI/UXか
□使い心地はシンプルか
□オンラインで作業できるか

2.業務への定着
□タスク管理できるか
□チーム利用に向いているか
□導入後のバージョンアップはあるか
□導入支援体制は整っているか
□照合の精度は100%か

3.パッケージ校正に向いているか
□原稿フォーマットの制約はあるか
□文字ポイントチェックはあるか
□ロゴ・マークチェックはあるか
□OCR機能に依存していないか

【ポイント】
ただの誤字チェックツールではなく、パッケージ校正業務に向いているツールかどうかを確認しましょう。特に重要な項目は次の4つです。

1.使い心地はシンプルか
使いやすいことは非常に大切です。ツールに慣れるまでに時間がかかってしまうと、業務定着に不安が出てくるため、まず使い心地を確認しましょう。紙での校正作業と同じような使用感であることも大切です。

2.導入後のバージョンアップはあるか
導入後にバージョンアップがないと、長期的に運用できない可能性があるため、念のため確認しておきましょう。

3.原稿フォーマットの制約はあるか
各社で表示原稿を作るときのフォーマットがあるものですが、導入負荷を極力下げるために、既存のフォーマットをそのままツールで使用できるかどうかがポイントです。

4.文字ポイントチェックはあるか
文字ポイントチェックまでできるかも重要です。例えば原材料であれば、8ポイント以上で書かれているかどうかなどをチェックできるかを確認しましょう。

これらの項目を確認しながらツールを選んでみてください。

商品パッケージの校正に特化した『review-it! for Package』とは?

上記のポイントをすべてクリアしているパッケージ校正ツールとしておすすめなのが、TOPPANの「review-it! for Package」です。

「review-it! for Package」イメージ

表示原稿の確認や、初稿と2稿でどこが変わったかの差分比較の確認が可能です。また、複数人で見る回覧機能もあり、パッケージ校正を効率化する機能を網羅しているサービスです。

「review-it! for Package」とは?

校正業務の “見なくていい” をつくるオンライン校正サービスです。紙の校正作業に近い使用感と高精度なチェック機能で、作業を効率化します。

「review-it! for Package」の3つの特徴

1.高精度な自動文字校正・差分比較で、確実に業務負荷と見逃しを削減します。

2.原稿のフォーマットは不問ですので、お使いのファイルをそのままご活用可能です。

3.自動チェック×オンライン回覧機能で、作業がオンラインで完結します。リモート作業にも適しています。

ご興味のある方は、ぜひサービスページをご覧ください。またご不明な点やご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください。


2026.02.03

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