容器包装の精緻なCO₂排出量算定で見えてきた新たな課題
1)にしき食品、三井物産、TOPPAN、CFP算定実証を実施
株式会社にしき食品(本社:宮城県岩沼市、社長:菊池 洋一、以下「にしき食品」)、三井物産株式会社(本社:東京都千代田区、社長:堀 健一、以下「三井物産」)、TOPPAN株式会社(本社:東京都文京区、社長:齊藤 昌典、以下「TOPPAN」)の3社が連携し、にしき食品の人気商品の和風シリーズ 「豚の角煮カレー」の一次データを活用したカーボンフットプリント(CFP)※1算定の実証に成功しました。
本実証では、センサーをにしき食品の工場に設置し、製造時のエネルギーデータを収集、また、レトルトパウチ製造時のCO₂排出量はTOPPANが提供する容器包装CO₂排出量算定クラウド「SmartLCA-CO₂®」※2により算定しました。これらを一次データとして活用し、三井物産が提供するCFP算定ツール×算定業務支援サービス「LCA Plus」※3でのCFP算定を行いました。
にしき食品では、今回の実証を通じ可視化できた材料やプロセス・工程ごとのCO₂排出量の結果を分析・活用し、自社製品の製造だけではなく、サプライチェーンを通じた排出量削減の取り組みを進め、お客さまの食生活に貢献していく方針です。
TOPPAN・三井物産は、にしき食品が目指す、お客さまの体と地球環境に優しい、素材にこだわった価値ある商品づくりを引続き支援してまいります。
※1 カーボンフットプリント(CFP)
LCAに基づき、製品・サービスの原材料調達から廃棄・リサイクルに至るまでのライフサイクルを通して排出される温室効果ガスの排出量をCO₂排出量相当に換算したもの。
※2 LCA
LCAはLife Cycle Assessment(ライフサイクルアセスメント)の略。原材料調達(資源採取から原材料製造)から製品の製造・使用・リサイクル・廃棄までの、製品のライフサイクルにおける投入資源や排出する環境負荷を定量的に評価する手法。
2)レトルトカレーのCFP算定プロジェクト、取り組み事例

容器包装の環境負荷を明らかにすることにより、効果的なCO₂排出量削減施策の実現につながった本実証事例についてご紹介いたします。にしき食品では、三井物産が提供するCFP算定ツール×算定業務支援サービス「LCA Plus」を用いたCFP算定実証を昨年より実施していました。この取り組みは、にしき食品のオリジナルブランドカレーを対象に、製品のCO₂排出量を可視化し、削減に向けた具体的な施策を検討するためのものです。
レトルトカレーのCFP算定において、より精緻な算定を目指す取り組みの中で、容器包装のCFP算定についてTOPPANへご相談いただきました。
3)CFP算定ツールの連携による精度向上の実現
この実証では、製品全体のCFP算定に強みを持つ三井物産の「LCA Plus」と、容器包装に特化したTOPPANの「SmartLCA-CO₂®」を組み合わせることで、より正確なCFPの算定に成功しました。

「SmartLCA-CO₂®」は、TOPPANがパッケージの専門家として、長年培った算定ノウハウを活かして開発したクラウドサービスです。容器包装のCFP算定に必要な排出量原単位があらかじめ搭載されているため、導入してすぐにCFPを算出できます。
4)SmartLCA-CO₂®の特徴

「SmartLCA-CO₂®」の特徴は、パッケージの仕様情報を入力するだけで、CO₂排出量やプラスチック重量が算出できる点です。パッケージのCO₂排出量算定に特化したサービスの強みを活かし、入力項目を必要最小限に絞り込んでいます。一般的な軟包装であれば、基本情報と仕様情報の約30項目を入力するだけなので簡単です。
また、クラウド型システムであることから、ブランドオーナーが製造委託先のメーカーや包材サプライヤーに入力権限を与えられます。今回の事例では、容器包装サプライヤーであるTOPPANがデータ入力を担当しました。
さらに、2024年4月より外部連携機能の提供を開始しています。この機能により、「SmartLCA-CO₂®」に登録されたパッケージのCO₂排出量データを、APIを介して他の算定ツールやシステムへ連携することが可能になりました。企業や製品全体のGHG排出量算定を行うサービスとの連携により、今回の実証のようなCFP算定の精緻化や、サプライチェーン排出量(Scope3)の精緻化が実現します。
5)容器包装の環境負荷における重要性の発見

今回の実証において、ブランドオーナーでは把握しにくい容器包装の材料や加工工程の情報について、入力情報が不足していて正確な算定が行えていなかったため、当初は容器包装のCO₂排出量は製品全体のわずかな比率しかないと考えられていました。
しかし、TOPPANの「SmartLCA-CO₂®」を使用して、包材サプライヤーに入力を代行してもらった結果、実際には容器包装が製品全体のCO₂排出量の15%以上を占めていることが判明しました。この発見により、容器包装が環境負荷削減における重要な注力領域として認識されるようになりました。
6)カーボンニュートラルに向けた今後の展開

この実証を通じて、CO₂排出量の正確な可視化に取り組むことの重要性が確認されました。環境負荷を詳細に把握することで、より効果的なカーボンニュートラルに向けた施策展開につなげることができます。
TOPPANは「SmartLCA-CO₂®」を通じて、お客さまのサステナブルなパッケージ開発を支援しています。今後も、詳細なCO₂排出量算定により、環境負荷低減および、企業のサステナビリティ推進活動をサポートしてまいります。
2024.11.27