コラム

ダイバーシティとは?
経営に取り入れた際の効果、事例を解説!

「ダイバーシティ」という言葉は、最近、ビジネス分野でよく見かけるようになりました。しかし、正直なところ、ダイバーシティをいざ説明しようとすると、適切に説明できるか自信がないという方もいるのではないでしょうか。
現在、グローバル市場で戦うためには欠かせない概念となっていることから、ぜひ押さえておきましょう。今回は、ダイバーシティの意味や課題、経営に取り入れた際の効果、事例をわかりやすく解説します。


ideanote vol.146 ビジネス視点から考えるサステナブル

ダイバーシティとは?

ダイバーシティとは、英語では「Diversity」、直訳すると「多様性」を意味します。

企業経営で意味するところのダイバーシティは、雇用する社員に対して、または職場環境において、個人や集団の間に存在しているさまざまな違い、多様性を考慮し、認める姿勢のことをいいます。多様性とは、年齢、性別、国籍、人種、民族、学歴、職歴、宗教、性的指向、性自認のことで、それらを認め、多様な人材を受け入れて積極的に採用していく姿勢と共に、文化や制度、プログラムなどの組織全体を変革する取り組みをダイバーシティといいます。


ダイバーシティとインクルージョンの関係と違いとは?

ダイバーシティという言葉が使われる際には、「インクルージョン」という言葉が一緒に使われることが多いです。「ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)」という言葉を目や耳にしたことのある方も多いのではないでしょうか。ダイバーシティとインクルージョンはどのような関係があり、どのような違いがあるのか確認していきましょう。

インクルージョンとは、英語で「Inclusion」、直訳すると「包括・包含」を意味します。
企業経営においては、年齢や性差、障がいの有無などを問わず、すべての社員や従業員を受容してそれぞれの経験やスキルが活かされること、そして組織が一体感を目指すことを指します。

ダイバーシティも多様性を認め、積極的に人材登用する点では似ていますが、ダイバーシティと比べると、インクルージョンは認めることで一体化する意味合いが強いといえます。

近年、D&Iが進化した「ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DE&I)」の概念が広がっており、「エクイティ(Equity)」つまり「公平性」も加味したマネジメントや戦略が求められています。DE&Iでは、すべての人が同じ地点からスタートできるわけではないことから、ただ平等に機会を与えるだけでなく、公平性を加味した土台の調整を行う必要があるという考えを含んでいます。

例えば、会社によっては、これまで女性社員はリーダー登用の候補に含まれていなかったことから、女性社員は社内での教育機会が少ないこともありました。そのため、会社側が女性活躍推進のために、女性社員に対して「リーダーにならないか?」と持ち掛けても、十分な教育がされていないという観点から、女性社員は戸惑ってしまう、もしくは辞退してしまうといった課題があります。こうした状況に対して、女性社員が男性社員と公平に並べるよう、研修機会を与えながらも、勤務同等の給与を支給するといった施策は、DE&Iの一つの例といえます。


ダイバーシティの取り組み例

ダイバーシティの取り組みにはどのようなものがあるでしょうか。既にダイバーシティに取り組んでいる企業が採用している事例を紹介します。

ダイバーシティ推進室を設置する

企業としてダイバーシティを推進する場合、「ダイバーシティ推進室」といった専門組織を作ることで、取り組みの目標やその進捗状況をより明確にすることができます。
加えて、ダイバーシティの取り組みを社内外にわかりやすく発信しやすくなります。

障がい者やLGBTの雇用促進

ダイバーシティの取り組みでは、障がい者やLGBTの方々も活躍できる環境づくりも重要です。
障がい者やLGBTの方々が能力や強みを発揮し、周りと協力体制をとりながら積極的に仕事に取り組めるよう、支援環境の整備や採用を推進している企業もあります。


ダイバーシティを経営に取り入れる効果

ダイバーシティを企業が経営に取り入れることによって、様々な効果が得られます。主な効果を確認していきましょう。

優秀な人材確保

ダイバーシティを経営戦略に盛り込んだ結果、優秀な人材確保に成功した企業が多いことが分かっています。また若年世代において、ダイバーシティ経営を行っている企業の好感度が高いともいわれています。

離職率の低下

社員が自分の能力を活かせるチャンスが社内に広がっていれば、転職や退職が減ります。また多様な人を受け入れる社内の姿勢は心理的な安心感を生み出し、働きやすさにもつながるでしょう。

創造性や革新性の向上

働きやすさが促進されれば生産性向上につながり、創造性も高まります。企業として他にはないアイデアで事業展開ができるといった革新性の向上も期待できます。


ダイバーシティ推進による課題

一方で、ダイバーシティを経営に取り入れた場合には、課題も生じるといわれています。

軋轢・対立・誤解・ハラスメント

多様性と一口に言っても、その多様性への受容を社員がそれぞれに意識しながら業務を遂行していく中で、社員それぞれが 無意識の偏見や固定観念を持っていることは避けられません。また、多様性を受け入れると、当然、多様な価値観が社内に共存することになります。これらの多様な価値観を互いに受容し合うには、共通認識が必要であることも多くあります。そのため、例えば、上長がダイバーシティを配慮して行った行為であっても、それを受け止める相手によっては求めるところが異なったり、誤解を生んだり、時には軋轢や対立を生んでしまうこともあります。

コミュニケーションの弊害

国籍や人種、第一言語などの違いがあると、単純にコミュニケーションが取りにくいという問題が生じてしまいます。言葉は通じても共通認識が異なることで誤解を生んだり、相互理解がされないまま業務を遂行しなければならないケースも出てくるでしょう。

チームパフォーマンスの低下

多様性を重視しすぎると、組織から大きくはみ出した社員が生まれることもあります。そうした場合、役割分担などを行い、うまく調整しなければチームとしてのパフォーマンス低下につながってしまいます。


ダイバーシティ推進の課題解決のアイデア

ダイバーシティを企業が推進する際には、上記のような課題が生まれるのは避けられません。しかし、解決のために活動することは十分可能です。そこで、ここではTOPPANのサービスや事例をもとに、課題解決のヒントとなるアイデアをご紹介します。

多言語対応サービス活用

外国人社員とのコミュニケーションを円滑にする際には多言語対応のサービスを活用することが一つの方法です。例えば、自社の公式サイトや社内ポータルサイトを多言語化することで、外国語を話す人も利用できるようになります。

TOPPANの多言語サイト生成サービス「WOVN.io(ウォーブン ドット アイオー)」を活用すれば、サイトの立ち上げ、翻訳内容の確認、運用管理などが容易に行うことができ、時間やコストの削減が可能です。和文で修正した箇所がリアルタイムで他の言語のサイトに反映されるため、情報更新も容易です。

また、音声翻訳サービス「VoiceBiz®(ボイスビズ)」は音声翻訳11言語、テキスト翻訳30言語に対応したアプリで、スマートフォンやタブレットに話しかけるだけで翻訳結果を音声とテキストにて即時に出力。窓口や店頭における接客や問い合わせ対応の用途のほか、社内では外国人雇用者とのコミュニケーションツールとして利用できます。

ナレーション自動生成で理解をサポート

バリアフリーのツールを社内にも導入することで、働きやすく快適なコミュニケーションと相互理解を実現します。例えば、TOPPANの「おまかせアナウンス」は、音声合成技術を活用し、テキスト原稿からナレーション音声を短納期・低コストで作成するサービスです。施設内放送や資料の読み上げへの活用はもちろん、目の不自由な方や高齢者、外国人の方などに向けて、内容の理解をサポートするツールとしても活用できます。

目でも指でも読めるユニバーサル書体を導入

TOPPANのユニバーサル書体「Braille Neue(ブレイルノイエ)」を用いることで、新たなコミュニケーションが期待できます。晴眼者が使う墨字と、視覚障がい者が使う点字が一体になっているため、目でも指でも読めます。これまで墨字と点字と別々の文字にアクセスしていた両者が、同じ文字で情報を共有できるのが特徴です。また、点字を設置する際に、これまで晴眼者が点字の不備に気が付くことは稀でしたが、Braille Neueであれば気付きやすくなることや、設置時に墨字と点字両方の表示スペースを取る必要もなくなるため、限られた空間でも情報を提供できるといったメリットもあります。


まとめ

ダイバーシティは今、世界的に会社経営に戦略的に取り組まれており、推進することで、大きなメリットが期待できます。課題を踏まえ、誰もが持ち得る無意識の偏見を排除しながら、受容と公平性を保ちつつ、推進していくことが求められます。
今回ご紹介したようなサービスを活用することで、よりダイバーシティの推進をスムーズにすることが可能です。TOPPANではこの他にも、ダイバーシティ経営に役立つサービスを多くご用意しております。ご興味のある方は、ぜひお気軽にご相談ください。

2023.06.05

新着記事 LATEST ARTICLE
    人気記事 POPULAR ARTICLE