コラム

IPコンテンツとは?
活用のメリット・ポイントを解説

  • TOPPAN CREATIVE編集部

IPコンテンツは知的財産権で保護された創作物であり、アニメやマンガ、ゲームなどの作品やキャラクターなどが該当します。これらのIPコンテンツを活用する「IPビジネス」を企業が展開することで、ブランド力の強化やプロモーション効果の向上が期待できます。

この記事では、IPコンテンツやIPビジネスの概要と、IPコンテンツ活用のメリットや活用する際のポイントについて解説します。


【この記事で分かること】
・IPコンテンツの定義と具体例
・IPコンテンツを活用したビジネスモデル(IPビジネス)の仕組みと活用事例
・IPコンテンツ活用によるメリットと効果的な活用ポイント


IPコンテンツとは

IPコンテンツとは「Intellectual Property Rights(知的財産権)」によって保護された独自の創作物や知識を意味します。著作権や商標権などで保護された作品やキャラクター、デザインなどがこれに該当します。

これらのコンテンツは、企業やクリエイターが生み出した独自の資産であり、第三者が無断で使用することはできません。なお、形のない情報や表現もIPコンテンツに含まれます。

具体的には、以下のような例がIPコンテンツに当たります。

●アニメやマンガの作品・キャラクター
●映画・ドラマ作品
●ゲームソフトやゲームキャラクター
●小説や音楽
●ロゴやブランドデザイン

IPコンテンツは、創作活動やブランド構築によって生み出された「価値あるコンテンツ」であり、近年のビジネスやマーケティングにおいて重要な役割を果たしています。


IPコンテンツを活用したIPビジネスとは

人気キャラクターや作品の持つブランド力を活用した「IPビジネス」は、商品開発やプロモーションにおいて効果的です。続いて、IPコンテンツを活用することで得られるメリットやビジネス展開の具体例を詳しく見ていきましょう。

IPビジネスの意味

IPビジネスとは、IPコンテンツを活用して商品開発やプロモーション活動を行うビジネスモデルのことです。自社で保有するIPや他社からライセンスを受けたIPを使用し、新たな商品やサービスを開発したり、広告やイベントを行ったりします。

IPコンテンツを通じて他社と協業することで、独自の世界観やファン層を取り込み、これまでにない価値やブランド体験を提供できる可能性があります。

IPビジネスの例

IPコンテンツを活用したビジネスには、さまざまな形態があります。具体的には、以下のようなものがあります。

ライセンスビジネス:自社IPを他社に提供する
商品化ビジネス:人気キャラクターや作品をもとに商品を開発する
クロスメディア展開:映像作品をゲームや舞台に展開する

また、他社のIPと協業する「IPコラボ」も一般的で、人気アニメやマンガとコラボして、自社商品のプロモーションや限定企画を実施するケースもあります。

例えば、人気マンガのキャラクターを自社のCMに起用したり、キャラクターとコラボした限定グッズを販売したりすることなどがその一例です。IPコンテンツを活用することで、商品に付加価値を与え、話題性や販売促進につなげることも可能です。

企業がIPビジネスに取り組む意義

日本はアニメやマンガ、ゲームなどの分野で、世界的に高く評価されているIPコンテンツを数多く保有しており、これらを活用することで競争力を強化できます。

世界のコンテンツ業界では、テック企業によるメディア統合など、大きな変革が起こっています。この変化を踏まえ、日本のコンテンツ産業も長年培ってきた独自のIP資産を活かし、独自のビジネスモデルを築くことで、国際市場での影響力をさらに拡大できます。

IPを起点に、コンテンツ企業がテック企業や異業種と連携し、さまざまな市場で事業展開することで、新たな経済圏の創出や日本のコンテンツ産業全体の活性化が期待できます。IPビジネスは、日本の文化的資産を活かした戦略的な成長手段といえるでしょう。


IPコンテンツ活用のメリット

IPコンテンツをビジネスに取り入れることで、企業はブランド力の強化や新規顧客の獲得、話題性の創出など、さまざまなメリットを得られるでしょう。特に人気のあるIPコンテンツとのコラボは、従来のマーケティング手法を超える効果を発揮し、競争の激しい市場で優位性を築く方法として注目されています。

ここでは、IPコンテンツ活用のメリットについて解説します。

ブランドの差別化

人気の作品やキャラクターの世界観を商品やサービスに取り入れることで、自社だけでは生み出せない魅力的な体験をお客さまに提供できます。例えば、コラボキャンペーンで特別仕様の商品を展開することで、ファンの心をつかみやすくなります。

また、IPコンテンツを活用すると、競合との差別化を図れるだけでなく、ブランドイメージの向上にもつながります。企業の個性を打ち出す強力な手段として、IPコンテンツとの連携は非常に有効です。

新規顧客の獲得

IPコンテンツを活用するメリットとして、自社とこれまで接点のなかった層にもアプローチできることが挙げられます。具体的には、以下のような形で新規顧客の獲得につながります。

・コラボ先のファン層へのリーチ
アニメやゲームなどの人気IPコンテンツには、すでに熱量の高いファンコミュニティが形成されています。他社のIPコンテンツを活用することで、これまで自社製品に関心のなかったユーザー層にもリーチすることが可能です。

例えば、アニメキャラクターとコラボした商品であれば、そのキャラクターのファンが商品を手に取るきっかけになります。IPコンテンツを活用することで、新たな顧客層の開拓や市場拡大が期待できるでしょう。

・SNS・メディアでの話題拡散
人気アニメやゲームとのコラボは話題性が高く、SNSやメディアを通じての情報拡散が期待できます。特に、ファンがキャンペーンで入手した限定グッズなどをSNSに投稿したり、ファン同士での情報交換が行われたりすると情報が急速に広がります。

また、IPコンテンツの権利を保有する企業が公式に情報発信するケースも多く、複数のメディアから情報が発信されるため、話題性がさらに高まります。IPコラボの話題性は、ブランドの認知度を高め、新規顧客との接点を創出するきっかけにもなります。

コンテンツ開発コストの削減

他社のIPコンテンツを活用することは、コンテンツ開発にかかるコストや工数を大幅に削減できる点でもメリットがあります。そのため、コストパフォーマンスを重視する企業にとっては、非常に有効な手法といえるでしょう。

ゼロからオリジナルキャラクターやストーリーを作り、認知度を高めるには膨大な労力や費用、時間が必要です。しかし、すでに知名度のあるIPコンテンツを利用することで、その魅力やファンベースを即座に活用できます。そのため、オリジナルキャラクターの開発・活用に比べて短期間で企画を立ち上げることができ、制作コストを抑えつつ、効率的にマーケティング活動を進めることが可能です。


IPコンテンツ活用のポイント

IPコンテンツをビジネスに活用する際には、人気のある作品やキャラクターを単に使用するだけでは効果が得られません。選定や活用方法によって、施策の成果が大きく左右されるため、戦略的なアプローチが求められます。

ここでは、IPコンテンツを効果的に活用するために押さえておくべきポイントをご紹介します。

自社ブランドとの相性を重視する

IPコンテンツを利用する際、まず重要なのは自社の商品やブランドとの相性をしっかりと見極めることです。業種やターゲット層に合わないIPコンテンツを選んでしまうと、消費者に違和感を与える場合や、期待した効果が得られない可能性があります。

特にIPコラボでは、お互いの世界観や価値観が調和しているか、ファン層の親和性が高いかを事前に分析することが重要です。

また、他社のIPコンテンツを使用する場合、そのIPが築いてきたイメージやファンの期待を損なわないように細心の注意を払う必要があります。

ファンが喜ぶ付加価値や体験を提供する

IPコンテンツを活用する際には、単にキャラクターのイラストをパッケージや販促に使用するだけでなく、ファンにとって「特別な体験」を提供することが重要です。

例えば、IPコンテンツの世界観を反映させた限定メニューや、描き下ろしデザインの限定グッズを展開するなど、コラボならではの要素を盛り込むことで、ファンの心をつかむことが可能です。また、SNSを活用した参加型のキャンペーンを組み合わせることで、拡散力も高まり、より多くのファンとの接点を創出できます。

ライセンス費用と契約条件の確認

他社のIPコンテンツを利用する際には、ライセンス費用や契約条件をしっかり確認することが重要です。特に人気のIPコンテンツのライセンス料は高額になるため、費用対効果を慎重に検討する必要があります。

また、IPライセンス契約には「使用地域の限定」や「プロモーション目的に限る」といった制約があることが一般的です。契約を結ぶ前に、利用範囲や期間、展開地域などの細かな条件を確認しておきましょう。

万が一契約違反をした場合、損害賠償の発生や関係悪化といったリスクが伴います。契約違反を避けるために、コラボ内容については権利元と綿密なすり合わせを行うことが大切です。


IPコンテンツを活用して事業を成長させよう

IPコンテンツを活用したビジネスは、ブランドの差別化や新規顧客の獲得、開発コストの削減など多くのメリットがあります。一方で、IPコンテンツを活用する場合は、費用や契約条件の確認、権利元との連携など慎重な対応も求められます。

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2025.06.02