コラム

BPO事業の推進に欠かせないPMOとは?
TOPPAN実務担当者インタビュー

  • TOPPAN株式会社 情報コミュニケーション事業本部
  • ソーシャルイノベーションセンター
    公共BPO本部 設計・開発部 設計1チーム
  • 鈴木 辰雄

TOPPANのBPOソリューションでは、お客さまの業務を行うにあたり「PMO(Project Management Office)」が重要な役割を果たします。PMOは目標達成に向けた計画を立て、プロジェクト全体を統括し、コントロールしていく役割です。

今回はTOPPAN株式会社 情報コミュニケーション事業本部 ソーシャルイノベーションセンター
公共BPO本部 設計・開発部 設計1チーム鈴木辰雄(すずきたつお)に、PMOの役割や活動内容について聞きました。


PMOとは何か?

―そもそもPMOとは、どのような意味で、どのような役割があるのでしょうか?

鈴木:PMOとは、「Project Management Office」の略で、プロジェクト管理を行うチームです。
そもそもプロジェクトとは、定められた期限内に、何らかの価値・成果を生み出す活動を指します。プロジェクトを成功させるカギになるのは「誰が・いつまでに・何をするのか」が明確になるよう計画を立てることです。立てた計画をベースに、プロジェクト全体を俯瞰して進捗を管理し、発生する課題や不測の事態に対して打ち手を考え、プロジェクトを成功に導くのがPMOの役割です。

BPO事業のプロジェクトの特性

―TOPPANのBPO事業におけるプロジェクトにはどのような特徴がありますか?

鈴木:TOPPANのBPO事業には3つの特徴があります。
1つ目は「ひとつひとつの事業のための業務をゼロから構築すること」です。
BPO事業では、お客さまから受託した事業ごとに、独自の業務フローを作り上げていきます。事業ひとつひとつに対し、その要件にもとづいた業務の流れと、各工程で誰が何をするのかを明確にした上で、必要なシステムの構築や手順の作成、環境の整備や人員配置など様々な準備を進めていきます。その過程の中では、お客さまを含む関係者と密に連携をする必要があり、関わるメンバー全員が同じ方向を向き、全員で前に進めるよう、プロジェクト全体を統括していくことが求められます。

2つ目は「個人情報を取り扱うこと」です。
TOPPANが受託するBPO業務では、個人情報を安全に取り扱うための品質保証プロセスを定めています。業務の立ち上げにあたっては、限られた期間の中で同プロセスを経て業務の稼働を開始する必要があります。その点を考慮して立上げまでの計画を立てる必要があります。

3つ目は「変化する状況への対応が求められること」です。
BPO事業のプロジェクト、特に年度内で実施の必要がある有期の事業等に言えることですが、業務の立ち上げから終局まで、限られた期間の中で日々変化する状況への対応が求められます。例えば補助金事業であれば、立ち上げの時期には、業務開始までに業務を構築し、立ち上げ後は、受け付けた申請の審査を行うフェーズから完了後の検査を行うフェーズへと進み、最終的には期限内に事務局を閉局する必要があります。限られた期間内でこれらの対応を行うためには事前の、緻密な計画が求められます。また、各フェーズでは申請数の増減やイレギュラーな事象の発生など、想定外のことが多々発生するため、状況を常に可視化して変化に対応する必要があります。


TOPPANのBPO業務の体制

―BPO業務では、プロジェクトの計画およびメンバー全体を統括するPMOの他に、どんな役割の方がいますか?

鈴木:TOPPANではBPO業務を進めていくうえで、次のような体制を組んでいます。

TOPPAN担当営業

プロジェクトの計画や進行、予算などの業務全般の進行管理において、常にお客さまと円滑なコミュニケーションを図る担当者です。

PMO(プロジェクト管理)

プロジェクト全体の計画を立て、中立的な立場で常に課題や問題点を指摘し、成功に向けて責任を持って管理推進する役割です。
定められた期間内に成果を生み出せるよう、プロジェクトの立ち上げからクローズまで並走し、部門間の調整や打合せのファシリテーションなども役割として担います。

業務設計

プロジェクトを進める中で、核となる業務を設計する役割です。オペレーションの効率性と安全性を担保するために、与件の仕様を紐解いて要件定義を行ったうえで、必要な工程・設備・人員を導き出し、「誰が・どのような流れで・何を行うか」などの項目や手順を業務フロー・処理内容を設計したドキュメントにて明確にします。
設計内容は、複数回に渡るチェック工程により妥当性を検証し、穴のない業務フローの構築を実現しています。

システム構築/技術

BPO業務を進める上でシステムやツール、それを動かす環境(例:ネットワークの構築)などが必要になります。そこで業務を行うために必要なシステムの開発、必要な技術インフラを構築する役割があります。特に近年はデジタル化が進んでいるため、業務システムを構築して、デジタル技術を積極的に活用していくニーズが高まっています。

運用管理

BPO業務を運用するチームです。業務設計部門が定めたフローに則り、現場にてオペレーションを行うための手順を明確にし、人員の教育や指揮管理を担います。BPO業務の円滑な進行管理やオペレーターの就業管理などを行います。
日々、手順通りに作業が行われているかをチェックすると同時に、業務設計部門と連携しながら更なる効率改善を検討するのもこの部門になります。

品質保証

設計された業務やシステムで事故なく進めることができるか、社内のプロセスに則ってチェックを行い、事前に問題点を想定し、改善の支援を行い、品質事故を未然に防止する役割です。

オペレーター

決められた手順や基準に従ってBPO業務を行う役割です。プロジェクトを進める上での最前線の役割を担います。


BPO業務におけるPMOに求められるスキル

―BPO業務において、PMOは特にどのようなスキルが求められるのでしょうか?

鈴木:BPO業務では、ゼロから業務を構築するにあたってお客さまを含む関係者と密に連携をする必要があります。そのように、複数の方々が関わる中で全体を統括し、コーディネートしていくことが重要です。お客さまと一緒に考え、決めていくことが多々あるBPO業務においては、事前に「いつ・何をする必要があるか」をお客様に明示し、業務の立ち上げを円滑に推進していく必要があります。

また日々の状況の変化に対応するためにリスクや課題を可視化し、その都度事業全体を俯瞰して判断をすることが重要です。プロジェクト全体の目標に責任を持ち、推進していくことも求められます。

そして先述の通り、BPO事業においては、システムの構築や、システムを用いた業務運用が必要となるため、デジタルやITの知識が求められます。自ら知識の守備範囲を広げることも求められるでしょう。


まとめ

最後にTOPPAN BPOのPMOの立場として、今後の意気込みを聞きました。

鈴木:PMOとしては、お客さまと一体となってプロジェクトを推進していきたいと考えています。課題が生まれれば、ともに考え解決していく。お客さまとともに歩んでいく。これまでもこれからも、そのような姿勢で業務を推進して参ります。

TOPPANには、各種事務局業務やコールセンターをはじめとする様々なBPOソリューションがございます。プロジェクトにてご一緒できることを楽しみにしております。

2023.03.15

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