コラム

プログラミングなしで書類審査が容易に!
書類チェックシステム「NoEROR(ノエラ)」

  • TOPPAN株式会社
    情報コミュニケーション事業本部
  • ソーシャルイノベーションセンター
    公共BPO本部
    設計・開発部 次世代開発T
  • 後上 慧人

書類チェックシステム「NoEROR」(ノエラ)は、TOPPANが独自開発し、各種書類のチェック業務を請け負うBPOソリューションで2017年より導入している書類チェックシステムです。
すでにクレジットカード会社や銀行などの金融機関における審査業務や、公共機関における助成金の書類チェック業務などで活用実績があり、従来と比べて工数削減や業務効率化を実現しています。

今回は、書類チェックシステム「NoEROR」(ノエラ)の特徴や使用場面、今後の展望について、担当のTOPPAN(株) ソーシャルイノベーションセンター 公共BPO本部設計・開発部次世代開発チームの後上 慧人(ごがみ あきひと)さんにインタビューを行いました。


「NoEROR」(ノエラ)とは

書類チェックシステムである「NoEROR」(ノエラ)は、従来、紙のチェックシートで実施していた審査業務をデジタルに置き換えることで、業務効率化を実現する汎用的なシステムです。審査の処理時間の削減やケアレスミスおよび書類不備率の軽減、急な仕様変更への柔軟かつ迅速な対応が可能になります。またスキャン画像を用いてペーパーレスな審査業務も可能です。

書類チェックシステム「NoEROR」(ノエラ)の特徴はなんでしょうか。

後上:「NoEROR」(ノエラ)は、プログラミングのコード記述などは一切不要で、簡単な操作による設定のみで審査に必要なチェックの設問フローを組み立てられることが特徴です(特許第7176657号:「情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム」)。

従来は、審査の書類チェックを行う過程で「この書類はありますか?」という設問を用意する必要があった際に、その回答の選択肢もプログラミングによって設定して、「この選択肢を選んだ場合はこの設問に行く」という分岐も一つ一つプログラミングしていました。しかしそれを全設問分行い、個別の案件ごとに書類チェックシステムを新たに開発していると、審査業務の開始時期に間に合わなかったり、開発コストが予想以上にかかってしまったりといった問題が生じていました。

そこで開発なしでも、画面上の設定だけで設問を立てられるようにするために書類チェックシステム「NoEROR」(ノエラ)を開発しました。

ちなみに「NoEROR」(ノエラ)は、一連の審査業務のうち、エントリ・審査機能に特化したシステムのため、受付やスキャン、及び全体の進捗管理のシステムは別途必要となります。

「NoEROR」(ノエラ)の強みは、どのような点にあるのでしょうか。

後上:大きく3つあります。1つ目は、先ほどもお伝えしたように、プログラミングなしで、設定のみで設問フローを組み立てられる点です。加えて、設問の選択肢ごとに次の設問を設定することができるため、効率化も図れます。例えば「書類Aはありますか?」と確認する設問を設け、回答が「ない」が選択された場合は、後に続く書類Aに関する諸々の設問は飛ばして、書類Bのチェックに進むという設定ができるのです。

2つ目は、設問ごとに表示する画像を必要に応じて設定できることで、書類チェックを効率化できる点です。例えば、「申請者氏名は、本人確認書類と合っていますか?」という設問の際には、自動的に申請書類と免許証の画像を並べて表示することができるので、申請書類をわざわざ審査業務スタッフが探す必要がありません。

3つ目は、統計や集計が取りやすい点です。例えば「この日は何件審査したか」等をまとめたデータです。従来、案件ごとに書類チェックシステムを新たに開発していた際には、統計・集計の機能も別途開発する必要がありましたが、「NoEROR」(ノエラ)ははじめからシステム上で統計・集計を行う機能が備わっているため、スムーズに行うことができます。

「NoEROR」(ノエラ)の利用シーンと使用実績

後上:TOPPANのBPOセンターで審査を行う事務局が発足した際に、書類チェックが必要になった際に利用しています。審査業務は個人情報を含むものであるため、基本的にインターネットに接続しないパソコンにインストールして作業を行います。

実際、どのような使用実績があるのでしょうか。

後上:現在、クレジットカード会社様の審査業務で使用しています。「NoEROR」(ノエラ)ではチェック対象のデータの受け渡しにAPI(※)を用意していますが、それを利用することで、業務要件として求められるスピードに対応できています。

また銀行様の口座開設のための審査業務で導入した実績があります。審査業務では申請の内容についてTOPPAN担当者がお客さまに確認を行う「エスカレーション」という工程がありますが、この案件ではお客さまの行内パソコンと専用線をつないで、お客さまの担当者様が直接「NoEROR」(ノエラ)にログインしてエスカレーションの回答を行っていただいていました。

その他、公共系の事業で、新型コロナウイルス感染症関連の助成金の書類チェック業務等でも複数の導入実績があります。

※API:Application Programming Interfaceの略。ソフトウェアやアプリケーション同士をつなげる仕組みのこと。

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今後の「NoEROR」(ノエラ)の展開

後上:新たに2つの機能を追加するために、開発を進めています。
1つは、集計の機能として、設問ごとのミス率を可視化する機能です。この機能を追加することで、どの設問でミスが多いかを確認することができ、そこから設問文の変更や注釈をつける等の対策を取ることで、より効率化できると考えています。

もう1つは、OCRで読み取ったテキストデータと申請者側の入力データを突き合わせた際に「一致・不一致」の結果に応じて、自動的に設問へ回答するような機能を考えています。この機能を追加することで、人手で審査をする際に、回答する設問数を減らすことができるので、より効率を上げることができるのではと考えています。

これらの2つの機能は、2023年度に実装する予定ですので、ぜひご期待ください。

「NoEROR(ノエラ)」は、TOPPANのBPOソリューションにて審査などの書類チェック業務をご依頼いただいた際に、使用している書類チェックシステムです。審査業務の効率化をご検討の際には、ぜひTOPPANのBPOソリューションにお声がけください。

※NoERORは当社のBPO業務をサポートするシステムの為、システム単体での販売はしておりません。

2023.06.30

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