企業のSNS運用はどう進める?
注意点や始める意義を解説!
近年、多くの企業はSNS運用に取り組んでおり、商品・サービスおよびブランド認知向上や顧客とのコミュニケーション促進につなげています。今回は、企業のSNS運用のメリットから業務内容、注意点まで、SNS運用を進める際に必要な基礎知識を解説します。
■企業SNSとは? メリットも解説
企業SNSとは、企業の公式SNSアカウントを指します。近年は企業がX(旧Twitter)やLINE、Instagram、Facebookなどのアカウントに登録し、情報発信を行っています。
アカウント取得そのものは無料であることが多いため、手軽に始めることができます。企業のイメージアップなどを目的として日々、投稿による情報発信を続けていくことで、商品サービスやブランド、企業の認知向上につなげられます。また、メッセージのやりとりなどにより顧客とのコミュニケーションを行うこともできます。
●企業SNS運用の目的
企業がSNSを運用する目的として、主に次のことが挙げられます。
・商品・ブランド・企業の認知拡大
SNSを運用することで、商品・サービスやブランド、企業の認知拡大を目指すマーケティング活動の一環となります。SNSは自社のホームページで情報発信するのとは異なり、拡散しやすいことから、できるだけ早く認知拡大を図りたい場合に向いています。
・顧客コミュニケーションの促進
企業が顧客と直接接点を持てる機会は店頭や顧客インタビューの際など時間と場所が限られています。SNSは日常的に顧客とリアルタイムに近い形でコミュニケーションを取ることができる貴重な場所です。顧客コミュニケーションを促進したい場合にうってつけといえるでしょう。
・コストを抑えた宣伝活動
Webマーケティングの一つである広告運用は、手軽ではある一方でコストが大きくなるものです。一方、SNS内では基本的に無料で宣伝活動を行えることから、広告運用とあわせて実施することで、コストを抑えることができます。予算が限られている中で、最大の効果を出したいという場合に、SNSが役立つこともあります。
・キャンペーンの実施
SNSでは活発にキャンペーンが行われており、ユーザーも積極的に参加しています。情報発信と共にキャンペーンでプレゼント提供などを行うことで、興味関心を惹きつけることができます。認知拡大やコミュニケーション促進、宣伝などSNS運用の目的を達成できる効果も高まると考えられます。
●企業のSNS運用の意義・メリット
企業がSNS運用を実施することによる一番のメリットは、SNSの拡散性の高さや手軽に運用できる点にあると考えられます。そのため、認知拡大から宣伝活動といった目的を達成するハードルが低いといえるでしょう。
また、顧客と直接気軽にコミュニケーションを取ることができる点から、顧客の声を収集しやすくなるため、商品やサービスの向上にも役立ちます。
■企業SNS運用担当になったら何をすべき?
企業SNSを運用する担当者になったなら、日ごろの業務内容や運用のポイントについて知りたいと考えるのではないでしょうか。そこで主な業務内容や運用のポイントをご紹介します。
●企業SNS運用の業務内容
・運用するSNSの選定
まずは運用するSNSを選定することから始めます。最適なSNS選定のためには、自社の商品・サービス、店舗、ブランドなどのターゲット層が多く利用しているSNSをリサーチしましょう。また、テキストや画像、動画などの投稿コンテンツの種類や投稿頻度、理想とする顧客とのコミュニケーション方法によっても変わってきます。さまざまな要素を考慮しながら選定しましょう。
・アカウント開設
まずは運用するSNSのアカウントの開設です。アカウントに紐づくアイコンなどを用意してプロフィールページを整えます。企業の公式ホームページやECサイトなどのリンクを貼っておくことで、誘導することができます。
・投稿内容やスケジュールなどの企画立案
SNSに投稿する内容や投稿頻度、投稿する曜日や時間などの企画設計を行います。あらかじめSNS運用の目的が決まっていると思いますので、その目的に応じた設計を行うことが重要です。
・コンテンツ作成
投稿する内容が決まったら、テキストや画像、動画などのコンテンツを制作します。企業発信のSNSなので、個人投稿とは異なり、クオリティを高め、ブランドイメージと合致するものであり、不適切な内容を避けるなど十分な配慮が求められます。
・リアクションへの対応
SNSではユーザーのリアクションとして「いいね」やコメントがつくため、そのようなリアクションへの対応も一つの業務です。コメントへの返信をするかしないかなどリアクションへの対応ポリシーをあらかじめ設けておき、それに基づいた対応を行います。
●運用のポイント
運用のポイントとして押さえておきたいのは、目的に沿っているか、企業イメージを損ねないコンテンツ内容になっているかを逐一確認することです。
また、運用しながら「いいね」の数やインプレッション数(投稿が表示された回数)などの推移を確認し、どのような投稿が好まれるのかを分析しながら、効果を高めていくことが大切です。
月一回など、定期的にレポーティングを行い、問題点を改善するなどして最適化していきましょう。
■企業SNS運用における注意点
企業SNSを運用していく際に、特に注意しておきたいことがあります。それは、炎上と情報漏洩についてです。それぞれの予防策や事後対応策を確認しておきましょう。
1.SNSで生じる炎上の予防
SNSを運用していると、投稿内容がもとになり炎上することがあります。炎上とはSNSのコメントなどが、まるで火が勢いよく燃えるかのように批判や意見などのコメントが集中的に投稿されることをいいます。SNS投稿をきっかけに議論が活発になることが良いことではありますが、炎上と呼ぶ場合、不適切な投稿内容に対する批判や誹謗中傷などが多くなっています。
実際、炎上を起こした企業の商品の売上が一定期間下がる、ブランドイメージの失墜などが生じています。
●SNSで炎上を防ぐには?
炎上を予防するには、あらかじめ炎上した過去事例を知り、「どのような投稿が炎上するのか」を運用担当者自らわきまえておくことです。また、運用を一人で行うのもリスクがあります。投稿内容に不安があったときも誰にも相談せずに投稿してしまうなどのケースも起こり得ます。投稿内容の事前チェック体制を作ることも重要です。
●SNSでの炎上が起きてしまった後の対応策
炎上が起きてしまった後は、早急に何が批判や議論の対象になっているのかを正確に特定することが先決です。その上で、不適切な内容について謝罪などの今後の対応を決めます。謝罪などの対応がひとまず完了したら、同じことを繰り返さないための対策を検討します。いずれにしても、炎上が起きたら迅速かつ正確に状況を把握することが重要です。そのために日ごろから炎上していないかどうかのチェック体制を整えておくことも肝心です。
2.SNSで生じる情報漏洩の予防
SNSでは、企業の機密情報や顧客の個人情報などの情報漏洩事故も起きています。重要な機密情報を漏洩したことで、被害額が巨額となった事例が多くあります。
●SNSで情報漏洩を防ぐには?
情報漏洩を防ぐには、SNSの使用に関するガイドラインの整備や教育、業務関連情報の投稿の禁止、投稿前に必ず複数人でチェックする体制を整えることなどが挙げられます。
●SNSでの情報漏洩が起きてしまった後の対応策
情報漏洩が起きてしまった後は、管理者や上長にできるだけ早く報告し、状況把握と原因分析を社内で行います。個人情報の流出の場合は、被害者へ早急に通知し、お詫びと悪用されることへの注意喚起を行います。個人情報保護委員会への報告も必要です。また社外に対しては記者発表による謝罪対応などの検討も行います。
二度と起きない対策を講じるために、徹底した原因分析を行い、再発防止の体制づくりを進めましょう。
■まとめ
企業のSNS運用にまつわる基礎知識をご紹介しました。SNS運用はメリットが多く有用でありながら、リスクもある業務です。しかしリスクを十分に踏まえたうえで運用することで、大きな効果を出している企業は数多くあります。ぜひ次なる効果を出すために、計画を進めていってください。
2024.09.13