コラム

企業における人財育成の課題とは?
OJTによる解決策を解説

人財育成とは

人財育成とは、企業がある方針に沿って社員の能力を高めることを指し、組織の競争力を強化する上で有効な施策です。「人材育成」と記載されることもありますが、「人材」と「人財」の違いは、「human resources(人的資源)」ととらえるか「human capital(人的資本)」ととらえるかで区別されます。
人財育成の目的には、事業計画の遂行・人財の定着・次期リーダーの創出などがありますが、企業の持続的な成長の実現が最終的な目的となります。これを実現するために、正しい方法で研修や教育プログラム、キャリア開発支援を計画し、戦略的に人財育成のマネジメントを行う必要があるのです。

人財育成・社員教育の課題

人財育成・社員教育で多くみられる課題として、以下のようなものが挙げられます。

 ・人員が足りず教育のリソースが確保できない
 ・適切な育成能力のある社員が少ない
 ・社員の意欲が低い
 ・教育が属人化している
 ・成果が見えづらい

企業の成長にあたり、「人財育成」・「社員教育」は重要な取り組みのひとつですが、前述のような課題が実施の阻害要因となることがあります。
一般的な社員教育の方法に「Off-JT(Off the Job Training)」と「OJT(On the Job Training)」の二つがあります。Off-JTは、主に集合研修やeラーニングを通じて学んでほしい内容を社員に理解させる手法です。これに対してOJTは、実務を通じながら経験にもとづいたノウハウや知識を教え、即戦力となる社員を育成する手法です。企業はOff-JTとOJTを組み合わせ、“学んだ内容を実務に活用しながら、自らの意思で考え、能動的に業務を遂行し、企業や社会の発展に貢献できる社員に成長すること”を求めているのではないでしょうか。しかしながら、OJTは社員の成長が指導する社員・コーチのスキルや裁量に依存してしまい、属人化しているのが現状です。このような経緯からも、各企業のなかで効果的なOJTの方法を確立することが、社員教育の課題解決につながると考えています。

効果的なOJTの要 「経験学習サイクル」

「効果的なOJT」とは、どのようなものでしょうか。TOPPANは、効果的なOJTの要に「経験学習サイクルの実行」があると考えます。経験学習サイクルとは、アメリカの教育理論家デービッド・コルブが提唱した「経験を通じて学んだ内容を次の経験に活かすプロセス」のことです。具体的には、「経験する→振り返る→教訓を引き出す→応用する」の四つのステップで構成されます(下図)。それぞれのステップの機会を提供することが企業の役割であり、それは効果的なOJTを実行するために必要であるといえます。

経験学習サイクルを習慣化するために

経験学習サイクルを実行し習慣化するためには、日常的に振り返りを行うことが大切です。また効果的な成長のためには、他者との関わりが重要で、振り返り内容や頻度に応じてフィードバックやコーチングも必要となります。しかし、実務を行いつつ社員が自主的に振り返りを行い習慣化すること、コーチがその進捗を管理することは難しいと容易に想像できます。そこで振り返りの機会提供など、OJTの実行を支援するソリューションとして、TOPPANは「SODACHi&®(ソダチト)」を開発しました。

人財育成ソリューション「SODACHi&®」とは

「SODACHi&®」は、OJTの実行を支援するソリューションです。メンバーが自律的に「育つ力」、コーチがメンバーを「育てる力」、HRがメンバー・コーチと育成環境を「育む力」、この3つの育を支援し、お互いが関わり合うことでこれらの力を養うことに寄与します。ここで、主な特長を三つご説明します。まず一つ目に、定期的な振り返りを促し、学んだ内容を実務に活かす環境を実現します。二つ目に、成長を促す対話やメンバー間のつながりでコミュニケーションを活性化します。そして三つ目に、育成に関わる人の立場に合わせて育成過程や進捗の確認が可能になります。

「SODACHi&®」がもたらす効果

「SODACHi&®」が社員育成の課題解決に向けてもたらす効果は3つあります。まず一つ目に、定期的な振り返りによりメンバーは目標への到達度を確認できるので、成長を実感できます。二つ目に、振り返り内容に対してメンバー同士、またコーチもコメントすることができるので、職場でのコミュニケーション強化につながります。最後に、育成過程の確認により評価・支援するべきメンバーやコーチが明確になるので、HRによる人財管理にも役立てられます。

今後の目標

今後は蓄積された人財育成データを基にAI技術を用いて、独自性の高い学びや成長のアルゴリズムを導出し、一人ひとりの成長に寄り添い、成長し続ける社員・組織づくりを支援する人財育成の統合サービスへの発展を目指します。

2023.10.02

新着記事 LATEST ARTICLE
    人気記事 POPULAR ARTICLE
      関連サービス SERVICE