コラム

空中ディスプレイ導入事例:
東京ミッドタウン八重洲

空中ディスプレイは「不特定多数の人が触っていてできれば触りたくない」、「汚れた手でデータ入力することで画面を汚してしまう」など衛生面や特殊環境の現場から多くのお問合せをいただきます。その中で実際に導入された事例をご紹介しながら今後の空中ディスプレイの展望についてご紹介いたします。


【目次】
1.導入事例:東京ミッドタウン八重洲
2.採用の背景
3.空中ディスプレイ「La⁺ Touch™」について
4.空中ディスプレイの今後の展望
5.まとめ


1.導入事例:東京ミッドタウン八重洲

 「東京ミッドタウン八重洲」に、7インチの空中ディスプレイ「La⁺ Touch™」が採用されました。エレベーターホールに採用され、エントランスからオフィスまでのタッチレス入室を支援しています。

東京ミッドタウン八重洲のエレベーターホールに導入された7インチの空中ディスプレイ「La⁺ Touch™」

<東京ミッドタウン八重洲の概要>
街区名称: 東京ミッドタウン八重洲
施行者: 八重洲二丁目北地区市街地再開発組合
所在地: 東京都中央区八重洲二丁目地内 他
実施設計・施工: 株式会社竹中工務店
マスターアーキテクト: Pickard Chilton
スケジュール: 2022年8月竣工
ニュースリリース: https://www.holdings.toppan.com/ja/news/2021/09/newsrelease210915_1.html


2.採用の背景

  「東京ミッドタウン八重洲」では、ポストコロナ時代に安心して出社できるオフィス環境を構築するため、新型コロナウイルス感染症対策として様々な技術の実装が計画されています。顔認証によるオフィス入退館システムや、専有部入口の自動ドア化などにより、オフィスワーカーが接触行為を一切行うことなく、ビルのエントランスから執務室まで入館できる導線を構築しています。エレベーターの操作については、これまで上下ボタンや行き先階ボタンを指で物理的に押すことが求められていましたが、「東京ミッドタウン八重洲」では、エレベーターのインターフェースとして凸版印刷の空中タッチディスプレイを搭載した操作コンソールがオフィスフロアの全エレベーターホールに設置されます。


3.空中ディスプレイ「La⁺ Touch™」について

TOPPAN空中ディスプレイ「La⁺ touch™」の特長

 TOPPANの空中ディスプレイはマイクロレンズ方式を採用し、独自の光学設計技術と組み合わせ、スリムなボディで高品質な空中映像を生成する空中ディスプレイ「La⁺ touch™」を開発しました。空中ディスプレイ「La⁺ touch™」には下記3つの特長があります。

①平行表示かつ薄型による省スペース化
 独自の光学設計により光学プレートとディスプレイが平行に配置でき、スリムなボディを実現しま
 した。
②独自の光学設計技術を生かした見やすい空中映像の生成
 ディスプレイ分野で培ったノウハウと光学技術を掛け合わせて高輝度・高精細、ゴースト像を抑制
 した空中ディスプレイを実現しました。
③身長によらず見やすい広い視野角に空中映像の生成
 左右方向各15度ずつの視野角は維持したまま、上下各30度の視野角を実現しました。

従来空中ディスプレイとTOPPAN空中ディスプレイ「La⁺ touch™」の比較

4.空中ディスプレイの今後の展望

空中ディスプレイは、近未来的かつ意匠性の高い空中映像による広告的な効果の他に、非接触(タッチレス)の操作端末であるため、感染予防・汚染防止、衛生レベルの維持、作業効率の向上に寄与します。

①医療現場への導入

 タッチパネルなど既存の操作端末を空中ディスプレイに置き換えることで機器のタッチレス操作を可能にします。非常に高い衛生管理が求められる手術室や無菌病室の機器の操作端末として空中ディスプレイを導入すれば衛生レベルの維持に役立ちます。また、多くの患者が触れる待合室や受付の操作端末を空中ディスプレイにすることで感染予防が期待できます。
 TOPPANの空中ディスプレイ「La⁺ touch™」はお客さまのご要望に応じて、操作画面を使いやすいUIにカスタマイズできます。また、現在ご利用の機器の製造メーカーと連携し、「La⁺ touch™」を所望の機器に組み込んだ状態でご提供することができます。

②製造現場への導入

【a.操作端末を汚損するリスクのある製造現場へ導入】
 化学薬品などを扱う工場の製造現場では作業の際に防護手袋を着用しますが、装置の入力作業を行う際は保護手袋を付けたままでは装置を汚損してしまうので、保護手袋を外す手間があります。空中ディスプレイを導入すれば、保護手袋を着用したまま操作盤を汚さずに扱えるようになるため、装置の状態維持および作業効率の向上の有効な手段になります。

【b.操作端末の設置が難しい製造現場への導入】
 粉塵やガス、オイルミストなどが発生し、装置端末を設置すると汚損、もしくは故障してしまう製造現場があります。あるいは、特殊な電磁波が発生しているため、誤動作してしまう製造現場もあります。こういった特殊な環境は防護枠などで装置を保護する必要がありますが、保護が完全にできなかったり、保護枠のため操作しづらくなったり、スペースの問題もあります。このような環境下においても、空中ディスプレイの筐体自体を壁中や装置・什器への組み込むことで、完全に保護することができます。また、操作端末である空中映像が保護枠を透過して空中に生成されるため操作性が損なわれることもありませんし、筐体を壁中に埋め込んで設置すれば省スペース化にもなります。

 TOPPANの空中ディスプレイ「La⁺ touch™」は従来の空中ディスプレイと比較して、薄型化(従来比50%減)に成功しているため、設置の自由度が比較的高くなっております。いずれの用途でもTOPPANの空中ディスプレイ「La⁺ touch™」はお客さまのご要望に応じて、操作画面を使いやすいUIにカスタマイズできます。また、現在ご利用の機器の製造メーカーと連携し、「La⁺ touch™」を所望の機器に組み込んだ状態でご提供することができます。

③食品・医薬品・医療機器の工場への導入

 食品や医薬品、医療機器の工場は、オペレーターに対して高い衛生管理が求められます。多くの人が触れる製造機器の操作端末やクリーンルームへの入退室管理端末は、通常のタッチパネルでは衛生面の安全を担保できないため、各種端末の非接触化が望まれます。既存のタッチパネルを空中ディスプレイに置き換えることで解決できます。
 TOPPANの空中ディスプレイ「La⁺ touch™」はお客さまのご要望に応じて、操作画面を使いやすいUIにカスタマイズできます。「La⁺ touch™」の薄型筐体・省スペースの特徴から、従来タッチパネルからの置き換えも比較的容易です。

入退室管理端末イメージ

④不特定多数が触れる操作端末として導入

 銀行ATMやセルフレジ、オフィスの受付端末など、不特定多数が触れる操作端末として導入することで感染防止や汚染防止に寄与できます。また、近未来的かつ意匠性の高い空中映像により、利用者に他にはない注目度の高い新たな映像体験を創出できます。「La⁺ touch™」の薄型筐体・省スペースの特徴から、従来タッチパネルからの置き換えも比較的容易です。

操作端末としての活用イメージ

5.まとめ

 本コラムでは、東京ミッドタウン八重洲の採用事例と空中ディスプレイ「La⁺ touch™」の今後の展望について紹介いたしました。「できれば触りたくない」、「触れずに操作したい」、「映像が浮いていて未来感がある」などのニーズに対し、TOPPANでは空中ディスプレイ「La⁺ touch™」の開発で培った、映像浮遊技術や非接触技術をいろいろな形で提案してまいります。実際に空中ディスプレイを触ってみたい、さまざまな用途での使用を想定して実際に空中ディスプレイに画面を移してみたい等のご要望・ご興味がある方はお問い合わせからお気軽にご相談ください。

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2024.04.04

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