採用事例

新製品の魅力を高めた
柔軟かつスピーディーな提案力

日本コカ・コーラ株式会社が2021年に発売した「1,2,CUBE(ワン・ツー・キューブ)」は、新ジャンルの「フリーズドライ飲料」です。TOPPANは、紙を主な素材としプラスチック樹脂使用量を抑えた包材を提案。商品のコンセプトと特徴に合わせたパッケージ開発をし、新商品のスピーディーな開発をサポートしました。


日本コカ・コーラ株式会社 三瀬浩之様
凸版印刷株式会社 パッケージソリューション事業部 営業 木村美帆

【 未確定要素が多いからこそ、期待された提案力 】

三瀬(日本コカ・コーラ株式会社):最初にご相談したのは「1,2,CUBE」発売の約1年半前ですね。「フリーズドライの一粒を溶かすだけで、お茶やコーヒーが楽しめる」という商品コンセプトは決まっていましたが、その「一粒」をどんな形状にするのかもまだ検討中という段階。その包材についても、そもそもどんな種類があるのか、どうやって商品を詰める(充填する)のか、あるいはコスト面も含めて、ほとんど何も分からないような状況でした。そこで、容器・パッケージについて広い知見があり、さらに充填先に関してもご相談できるのではと、TOPPANにお声がけしました。ですから、まず期待していたのは「提案力」です。私たちが具体的にイメージできていない部分について、ソリューションをご提案いただける総合力が重要でした。発売に向けたスピード感を共有できたこともパートナーとして選ぶ決め手になりましたね。


1,2,CUBE

<商品紹介>「1,2,CUBE」はキューブ1粒を水またはお湯に入れて軽く混ぜるだけで、淹れたてのお茶やコーヒーのおいしさが楽しめるフリーズドライ飲料。キューブは多孔質(ミクロの穴が無数に存在する)構造になっているため、水でも簡単に溶かすことができる。21年5月よりAmazon.co.jpにて順次数量限定にて販売開始。


木村(凸版印刷株式会社):お話をいただいた当初はまだ未確定なところが多かったので、まず当社のパッケージ事業部門の展示ルーム「L・IF・E(ライフ)」にお招きして、サンプルをご覧いただきながら弊社が扱う包材や、ご提供できるソリューションをご紹介しました。
その後は他部署の者とも相談しながら、フリーズドライ製品の包材開発にあたっての留意点や、製造上の管理、充填委託先候補などについてご提案内容を詰めていきました。リリースまでの期間は限られていましたが新たに挑戦することも多く、お打ち合わせのなかでの「時間がない、でも諦めない」という言葉が印象に残っています。

三瀬:完成度を高めながらもスピード感を持って発売し、お客さまの反応を見てさらに改善していきたいと。リリースは早ければ早いほど良いなというスタンスでご相談していました。

【 新商品の付加価値を高めた「紙製パウチ」 】

三瀬:容器としてまず候補に挙がったのは、プラスチック製の「ガムボトル」でした。フリーズドライのキューブは、溶けやすくするためもあってかなり脆い。ですから、お客さまの手元に届くまでに欠けてしまうことがないよう、容れ物は硬いほうがいいだろうと考えていたんです。

木村:ガムボトルであれば、容器や充填作業に既存のものが活かせるので、あまり時間をかけずにご用意することができるというメリットがあります。
ただ、一方で気になっていたのは、ご要望のなかに出てきていた「環境」というキーワード。環境やサステナビリティに配慮した包材をご提案したいという思いもありました。

三瀬:日本では環境問題やサステナビリティへの意識が広まっていて、ペットボトルのリサイクル率は高い。でもガムボトルに使用されるプラスチックは、まだリサイクルのしくみが整ってないんですよね。
その後、販売ルートをオンラインに限定することが決まりました。そこで出てきたのが「紙素材を使用した包材(パッケージ)にできないか」というアイデアです。オンライン販売の場合、輸送時にはダンボールなどで梱包されるので、包材(パッケージ)自体の硬さはあまり重要ではないからです。

木村:社内で開発中だった包材のサンプルが私の手元に届いたのは、ちょうどその時期でした。紙素材の質感、風合いの良さがありつつ、フリーズドライ製品に不可欠な防湿性も備えています。おもしろいかもしれない、と思ってお見せしたところ「これでかたちにしてみたい」というお返事をいただけて。まだ技術的に確立されていない部分もあったのですが、いいタイミングなのかなと思いました。テストを重ねて最終的に容器として完成したのが、今回ご採用いただいた「紙素材チャック付きスタンディングパウチ」(紙製パウチ)です。時間が限られているなかで仕様をまとめ、充填テストを繰り返すことになりましたが、充填を担当する工場の皆さんはこちらの要望に真摯に取り組んで、協力してくださって……。

三瀬:私自身も工場に伺いましたが、初めて紙パウチで充填テストをしたときは、ほとんどうまくいかなかったんですよね。でも、テストを重ねるたびに改善されていった。工場の皆さんがすごく主体的に改善に取り組んでくださったのが印象に残っています。そういう方々のご協力がなければ、このスピードでのローンチはできなかったのではないかと思います。

【 「今だからこそ届けたい」の思いを実現 】

三瀬:「濃縮フリーズ製法」(特許出願中)をはじめ、「1,2,CUBE」はいろんな部分に新しい取り組み、挑戦を組み合わせて生まれた商品です。2020年のコロナ禍にありながらも約1年という短い期間で発売できたのは、携わった皆さんが最大限のパフォーマンスを発揮してくださった結果だと思っています。
「今だからこそお客さまに届けたい製品」をつくりあげていく過程において重要だったのは、やはり「人」の存在ですね。これについては、本当に感謝しています。
ずっと、走りながら考えているような状態だったんですよね。木村さんも、当初とは違う要望や、変更されたり加えられたりしたことに柔軟に対応し、マネジメントしてくれたので非常に助かりました。フリーズドライ製品を担当されるのは今回が初めてとのことでしたが、最初から最後まで安定した対応で、信頼感を持ってお仕事をさせていただけたなと思っています。

木村:今回のプロジェクトでは、容器・包材のご提案、充填先確保のお手伝いをさせていただくだけでなく、お打ち合わせとご提案を重ね、スピード感を持って新製品のアイデアを実現していくおもしろさも味わうことができました。

三瀬:発売後、お客さまからは「個包装がないから、ゴミが少なくて良い」というご評価を多くいただいています。「紙製パウチ」が受け入れられ、ネガティブな印象が少なかったからこそ、その利便性に注目していただくことができました。現在の包材(パッケージ)は品質を保つため内側にプラスチックフィルムが貼られているのですが、できるだけ紙素材になるといいなと思っています。そういう部分も含めて、これからも「1,2,CUBE」を少しずつ改善していきたいですね。

※本文中の敬称は省略しております。
※所属企業名、部署名は2021年8月時点

2023.09.29

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