地域学校協働活動を推進するには?
学校側ができること
地域と学校が協働する動きが各地で活発になってきました。地域全体で未来を担う子どもたちの学びや成長を支えることは、地域創生にもつながります。
今回は、地域学校協働活動の概要から実施方法、課題、解決策までご紹介します。
地域学校協働活動とは?
「地域学校協働活動」とは、地域の高齢者、成人、学生、保護者、PTA、NPO、民間企業、団体・機関などの地域全体で、学校に通う子どもたちの学びや成長を支える活動全般を指します。
目指すところは「学校を核とした地域づくり」、つまり地域の将来を担う人材の育成と、学校を核とした地域づくりによる地域創生にあります。地域と学校が相互にパートナーとして連携・協働してさまざまな活動を行っていきます。
具体的には、子どもたちが地域における郷土学習をしたり、地域住民と共に地域課題の解決に取り組んだり、地域の行事に参画して地域づくりを行ったりすることが挙げられます。
地域学校協働活動が推進されている背景には、文部科学省が学校教育に関して提唱する「社会に開かれた教育課程」があります。これは社会や世界の状況を幅広く視野に入れ、よりよい学校教育を通じてよりよい社会を創る目標を持ち、学校内に閉じずに社会と共有・連携しながら目標を実現させることを目指す理念です。
地域学校協働活動の必要性と実施方法
地域学校協働活動の必要性と実施方法を見ていきましょう。
●地域学校協働活動の必要性
・改正社会教育法による規定
地域学校協働活動は、平成29年3月の社会教育法の改正により、法律に位置付けられています。教育委員会は地域学校協働活動の機会を提供する事業を実施する際には、地域住民と学校との連携協力体制の整備や、普及啓発活動などの措置を行うことが規定されています。
・地域課題解決による持続可能な地域社会のため
各地域では、少子高齢化が進んでいることを主な背景に、さまざまな課題に直面しています。地域の教育力の向上・充実は、地域課題解決に向けた連携・協働につながり、持続可能な地域社会の源となると考えられています。
●実施方法
・地域学校協働本部の整備
教育委員会は、コーディネート機能を持ち、多くの地域住民が参画する多様かつ継続的な活動を推進するための地域学校協働本部を整備し、積極的な支援を行うことが期待されています。
・地域学校協働本部と学校運営協議会との連携
地域学校協働本部と学校運営協議会は積極的に連携し、相乗効果を発揮していくことが期待されています。
・地域学校協働活動推進員(コーディネーター)の配置
社会教育法では、地域と学校をつなぐコーディネーターとしての役割を果たす「地域学校協働活動推進員」の配置が規定されています。教育委員会の施策に協力し、地域と学校との情報共有や活動を行い、地域住民などへの助言などを行う立場であり、地域学校協働活動をサポートしていきます。
地域学校協働活動の課題
地域学校協働活動を進めるに当たって、現状、次のような課題が挙がっています。
●教職員に余裕がない
学校側の問題として、学校内の職務に追われる教職員は、地域の学びにまで手が回りにくい現状があります。
●人材不足
地域学校協働活動に関わる全般的な人材不足が懸念されています。特に地域学校協働本部と学校運営協議会の運営者やコーディネーター不足に大きな課題があります。
●理解が不十分
学校内で学校運営協議会を開催する中で、運営がうまくいかないという課題があります。そもそも何のための会議なのか学校と教職員、及び委員の理解が不十分であり、まずは相互理解と信頼関係の構築が求められています。
●コーディネーターの選定に迷う
コーディネーターは、地域と学校、そして人と人とをつなぐ役割を果たすべきでありながら、ただボランティア的に参加するだけで、役割を果たせていない現状があります。教員や校長経験者や地域の中心的人物にあっ旋してもらうなど、人材選定はマッチングを重視する必要があります。
●地域と学校の話し合いの場がない
コーディネーターからの意見として、ただ学校側の要請を聞き、地域の学びの機会を提供してお手伝いをしているに過ぎず、話し合いの場がないとの声があります。地域と学校の接点が持ちにくいことが課題となっています。
課題解決の鍵は学校側が地域の参画を促す働きかけ
さまざまな課題に対して、解決への取り組みが進められています。
●主な課題解決策
大切なのは、学校と地域の連携・協働を推進することにあると考えられています。そのためには、学校の教職員への情報提供・理解の促進、コーディネーターの配置促進、地域住民への情報提供・理解の促進などが考えられます。
●課題解決の鍵になること
地域学校協働活動では、地域住民の参画を促す必要がありますが、それには学校側からの働きかけも重要になってきます。ただし、学校側が一方的にお願いして、地域側が言われた通りに開催するだけでは協働の意味合いが薄れてしまいます。学校側は地域からの意見を聞き、最適な形で学習やイベントを開催できるよう、相互理解とコミュニケーションを良好にすることが重要といえるのではないでしょうか。
課題解決につながる「まちスク™」
課題解決策の一つとして、TOPPANは学校と地域の教育支援マッチングサービス 「まちスク™」をご提供しています。
「まちスク™」では、地域と学校をつなぐ環境が整っており、地域の企業、各団体、大学などの教育機関が実施できる教育内容を登録することで、学校側が多くの選択肢から実施内容を選ぶことができます。
学校側からも他のカリキュラムができないか相談することもできます。このように地域の支援と学校の課題を双方向で登録できるため、よりお互いが協力し合える体制をつくることが可能になります。
電話やメール、手紙でのやりとりに負担を感じているケースも多い中、「まちスク™」のプラットフォームを利用すれば、Web画面上で地域と学校のマッチングやコミュニケーションが容易に行えます。
これらの機能から、地域学校協働活動の促進に寄与するのに役立ちます。
まとめ
地域学校協働活動は子どもたちの教育と地域課題解決と創生のために重要な活動です。すでに先進的な取り組みは見られますが、本格的に広がるのはまだまだこれからといえるでしょう。
TOPPANの「まちスク™」が地域と学校の連携のお手伝いします。ぜひお気軽にご相談ください。
2024.01.10