教育

探究学習とは?
その目的や具体的な授業方法、
地域との連携方法など一挙解説!

探究学習は、課題解決力を養い、生徒たちの新たな可能性を引き出す重要な学習活動に位置づけられています。今後は学校が地域と連携してより幅広い学びを提供していくことが求められています。

今回は、探究学習とはどのような学習なのか、その目的や具体的な授業方法、地域との連携による学びの提供など、学校と地域関係者の方に役立つ情報を解説します。


探究学習とは?

探求学習「まちスク™」|TOPPAN

探究学習とは、学び手自身が自ら課題を設定し、その課題を解決するために情報を収集・分析し、他者と意見を交換したり、協働したりしながら進める学習活動のことを指します。
探究学習には、「課題の設定」「情報の収集」「整理・分析」「まとめ・表現」の4つの過程があり、これらの工程を経て考えや課題が更新され、次なる探究へと進むという過程を繰り返していきます。

●探究学習が推進されている背景
探究学習が日本国内で推進されている背景として、次のことが挙げられます。

現行の新学習指導要領において小・中学校では「総合的な学習の時間」、高等学校では「総合的な探究の時間」が設けられており、この時間に探究学習が行われています。

変化の激しい現代社会において、「同じ内容を正確に早くこなす力」よりも、より複雑でなかなか答えが出ない「難しい課題に取り組む力」が重視されるようになっています。

探究学習は生徒たちが探究的な見方や考え方を働かせ、横断的・総合的な学習を行うことを通して、課題解決と共に自分の生き方を考えていくための資質・能力を育成することを目標にしています。自ら責任を持って社会に役立つ人間に成長していく必要のあるこれからの時代において、探究学習はより一層、重要な役割を果たします。

探究学習を進める際の学校・教職員の課題

探究学習を進める際に、学校・教職員が抱える課題として次のことが挙げられます。

●探究学習の授業時間が足りない
探究学習は、従来の講義形式の授業とは異なり、自ら調査したり、まとめたり、人とのコミュニケーションを取ったりする十分な時間が必要です。しかしながら、現状の授業時間では限りがあるため、なかなか理想的な探究が行えないという課題があります。

●生徒への評価が難しい
探究学習は単純にペーパーテストだけでは評価できないことから、各学校において探究学習の目的と生徒の実態を照らし合わせ、評価の観点や方法を独自に作る必要があります。

●探究学習テーマのアイデアに乏しい
探究学習は教科書通りに行うものではないことから、テーマについてはさまざまなアイデアが必要です。生徒自身が興味・関心のあるテーマや課題を設定することから始まりますが、学校側がある程度、範囲を指定したり、外部調査先の選定を行うことが求められます。しかし学校・教職員だけではアイデアが乏しくなるという課題があります。

●地域連携のきっかけや連携先探しに手間取る
近年は地域と学校が連携し、地域学習を推進していく流れがあり、探究学習に地域の協力を仰ぐケースは多くあります。しかしいざ連携したいと思っても、きっかけがつかめず、連携先探しに手間がかかっているところもあります。

●探究学習になっていない授業も見られる
探究学習の中身は幅広いものであることから、各学校で探究学習かそうでないかの基準に差が開きがちです。
探究学習とは名ばかりで、補充学習のような特定の教科の知識・技能の習得を図る教育や、運動会の準備などと混同された内容が行われている例もあるといわれています。
この課題は、前述の授業時間が足りない、アイデアが乏しいといった要因も関係している可能性があります。

探究学習のさまざまな授業例

探究学習の授業では、さまざまな方法で進めていくことができます。課題解決のヒントとして、探究学習のさまざまな授業の方法を紹介します。

探求学習「まちスク™」|TOPPAN

●教室の中でイラストカードや写真を使った学びを深める
探究学習の課題の設定、情報の収集の段階の材料を教職員が提供する際に、例えば世界各国の文化をイラストカードや写真に印刷し、それについて生徒同士が話し合い、探究テーマを決めるという方法があります。

●海外文化の探究において外国にルーツのある生徒の協力を仰ぐ
海外文化の探究をテーマにする際に、外国にルーツのある生徒の協力を仰ぐことで、よりリアルな探究につながります。協力生徒も出身国の理解促進につながると考えられます。

●学んだことを自ら活かす絵本づくり
探究して内容をただ発表するだけでなく、各生徒が学んだ内容を絵本にして形として残すことも一つのアイデアです。絵本を通じて「誰に」「何を」 伝えたいかを明確にすることで表現力を養い、自ら行動する人への変容を促します。

●地域へのインタビュー・発表
地域内の大学・企業・地域NPO・自治体などの協力を仰ぎ、生徒によるインタビューを通じて情報収集を行うことは、地域学校連携の意味でも有効です。
成果の発表も学校内だけでなく、外部機関にて行う機会を設けることで、生徒の意欲を引き出し、より社会問題に密接した取り組みにつながります。

●地域の大学や専門学校、地域NPOや企業が講師を務める
授業そのものを地域による力を借りることも考えられます。大学教授や専門学校の教員、地元の専門職を講師として迎え入れることで、地域に根付いた深い学びを追求できます。

地域との連携による探究学習を進める方法

探究学習のテーマのアイデアに乏しい、地域との連携をしたいがきっかけや連携先探しに手間取るなどの課題を解決する一つの手段として、学校と地域の教育支援マッチングサービスを利用する方法があります。

TOPPANの「まちスク™」は学校が連携先を探し、手軽にコミュニケーションと依頼が可能なツールです。

「まちスク™」では、地域の企業、各団体、大学などの教育機関が自分たちにできる教育内容を登録してくれるので、学校は連携や協働が容易となり、多くの選択肢の中から連携先や学習内容を選べます。

また学校の課題も登録できるため、学校と地域の双方向のコミュニケーションを促進し、よりお互いが協力し合える体制をつくることができます。

これにより、有意義かつ効率的な探究学習の実現にもつながると考えられます。

まとめ

探求学習「まちスク™」|TOPPAN

探究学習は奥が深く、テーマの範囲も広いことから、学校内で閉じることなく、地域と連携しながらうまく進めていくことが学びを充実させるポイントといえるのではないでしょうか。

TOPPANの「まちスク™」は、学校や教職員の方々の理想的な探究学習の提供をサポートします。

ご興味のある方は、ぜひお気軽にお声掛けください。

2024.01.10

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