働き方改革

工場見学をオンラインで実現するには

工場見学といえば、一般生活者が普段、親しんでいる商品についての生産工程を知り、商品への理解をより深める場として活用されています。その工場見学が、コロナ禍を背景にオンライン化されています。実際に、工場見学をオンライン化するためにはどのような方法があるのでしょうか。また、メリットや事例も併せてご紹介します。


オンライン工場見学とは

オンライン工場見学とは、従来ツアー形式で行われる工場の生産ラインや内部の見学を、インターネットを使用しオンラインで行うものを指します。Zoomやmeetsなどのオンライン会議ツールを転用してリアルタイムで実施するものから、内部の動画を撮影し、そのオンデマンド配信を行うものまで多岐にわたり、見学・参加希望者がリアル開催より手軽に参加できるのがメリットの一つです。
これまで工場見学というと、小学校の社会科見学や夏休みの自由研究に活用するイメージが強く、団体や子供連れがメインの印象がありました。さらに工場は広い敷地面積が必要なため、自動車交通を前提とするエリアにあることも多く、交通手段の限定された人や遠隔地からの参加が難しいという課題もありました。
見学者は、現場から遠く離れた場所にいても、パソコンやスマートフォンなどの端末からインターネットを通じて、映像のライブ配信や動画視聴によって工場見学を行うことができます。さらに大人のみの参加や少人数での参加もしやすいため、より多くのお客様に参加してもらい、商品の魅力やこだわりを発信することができます。

オンライン工場見学には2種類あり、一つは、映像をライブ配信して見学者がリアルタイムに工場内を見学できるもの、もう一つは、工場見学で紹介するコンテンツを事前に録画した動画を配信することで見学できるものです。

配信内容としては、商品の製造工程を解説を交えながら順番に案内するものが多く見られます。
企業によっては、製造工程における豆知識の解説や見学者からの質問受付、クイズの出題などオンライン上でコミュニケーションを取る手法もあります。

無料で個人の参加も受け付ける企業もあれば、クラスや学校単位で有料のプログラムを提供している企業も見られます。資料やお土産を事前に送付し、小学校の授業時間に合わせたタイムスケジュールで実施するため社会科学習の一環として人気のようです。

オンライン工場見学の実施メリット

オンライン工場見学を実施することで、実施する側(企業)は、多くのメリットを得ることができます。

・コロナ対応による施設の閉鎖、イベントの中止にも対応可能
工場見学の実施施設の閉鎖やイベントの中止など、企業はコロナ禍で対応を余儀なくされましたが、オンライン工場見学は、そのようなときの代替として有効な手段となります。

・リアルでは立ち入ることができない工程も見学できる
実際の工場では、セキュリティの関係や衛生面から見学者が立ち入ることのできないエリアについても、オンラインであれば、機微情報を伏せたうえで紹介できるケースもあります。

・CGを活用した見えない部分の可視化が可能
実際の工場では、大型装置の内部などのカメラでは撮影できない工程についても、オンラインでは、CGなどで再現することができるため、より深くお客さまにご理解いただくことができます。

・新規顧客の創出、自社製品の認知度向上
オンライン工場見学を実施すれば、これまで見学意向のなかった幅広いお客さまに視聴していただける可能性が高いため、自社製品の認知度向上につながります。

・自社や自社製品のファンの増加
オンライン工場見学をより多くのお客さまに視聴していただければ、自社や自社製品のファンが増えるというメリットも期待できます。

・人件費などのコスト削減
リアルの工場見学では案内スタッフの人件費がかかりますが、オンライン工場見学では、動画配信の形であれば撮影は1回、案内スタッフも最低1名で済むため、人件費をはじめとしたコスト削減につながると考えられます。また、サイトからの予約のみにするなどの工夫で、参加申し込みにかかるコストも削減できます。

・繰り返し見てもらえる
お客さまには、リアルの工場見学の場合、基本的に一回限りの見学になりますが、オンライン工場見学の動画配信の場合、繰り返し見ることができるので、何度も見てもらいやすいというメリットがあります。その結果として、自社や自社製品に対する理解が深まることが期待できます。

オンライン工場見学ツールについて

オンライン工場見学は、カメラによる映像と音声のライブ配信や動画撮影を行うことで実施することができますが、より臨場感を出し、視聴者が実際にその場にいるかのような体験を提供できる専用ツールが存在します。

トッパンの「IoANeck®」は、工場見学の解説者が首にかけて装着した機器の前面に搭載した端末を通じて、映像やさまざまなコンテンツの送受信が可能なツールです。解説者が工場内を移動しながら工場見学配信ができるので、視聴者は、解説者のリアルな視点で臨場感のある映像を見ることができるほか、双方向コミュニケーションも可能です。視聴者からのコマンドやアクションを受け付けることができ、それらは解説者にアイコンや振動で同時に伝わるため、言葉がなくてもスムーズにコミュニケーションが行えます。

このオンライン工場見学ツールは、工場見学だけではなく、さまざまなシーンに応用できます。例えば、次のようなシーンが考えられます。

・イベント会場・ショールーム案内
・リモート営業・商談会
・遠隔安全点検・教育

工場以外にも、遠隔からお客さまをイベント会場やショールームにご案内したり、営業活動においてリモートでの商談を行ったりすることが可能です。また、安全点検の業務などで遠隔から点検を実施したり、社内向けとして、遠隔の従業員に対してリモート教育を行ったりするシーンにも利用できます。

オンライン工場見学の事例

トッパンのIoANeck®を実際に活用して、ショールームの見学や遠隔安全点検・教育を実施した事例をご紹介します。

・遠隔酒造見学体験
ある酒造メーカーでは、都内にあるショールームにディスプレイを設置し、地方にある酒造の現場から、スタッフが酒造の工程などを映像で案内しました。ショールームにいるお客さまは、まるで現場にいるかのような感覚で酒造を見学でき、さらに、現場で造られた地酒を実際に試飲しながら、五感で体験することができました。

・遠隔安全点検・教育
ある製造業の会社は、製造拠点として全国に複数の工場を構えています。その各工場に、監督者が実際に足を運んで安全点検と指導を実施するのは、非常に労力がかかります。そこで、全国の製造拠点の現場スタッフにIoANeck®を装着してもらい、監督者が遠隔からその場にいるような感覚で、現場スタッフに対して安全点検・指導を実施しました。

まとめ

オンライン工場見学は、コロナ禍においても工場見学を実施するための有効な手段といえます。感染対策や遠隔から実施できる利便性のほか、集客面でもさまざまなメリットがあります。また、トッパンのIoANeck®を利用することで、視聴者に対し、よりリアルな視点の提供や双方向コミュニケーションが実現します。工場見学やその他の活動をオンラインで実施したいというご要望におすすめのツールです。

2022.03.28

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