システム開発から運営までワンストップ提供!
「デジタルギフトサービス」をはじめ
多彩なソリューションにより健康ポイント事業の成功に貢献
九州のほぼ中心に位置する熊本市は、福岡市、北九州市に次ぐ九州3番目の規模となる政令指定都市で、市の中心部は、路面電車やバス、電車などの公共交通が整備されており、徒歩での移動もスムーズだ。熊本城をはじめ、市内に点在する熊本細川家ゆかりの史跡や、夏目漱石、ドラマで話題の小泉八雲ら文豪の旧居も同市の魅力だろう。
また、熊本市は医療体制も充実しており、全国トップクラスの病院数を誇っている。2020年から本格的に取り組んできたのが、市民の健康増進を目的とした「健康ポイント事業」だ。
スマートフォンアプリやデジタル技術を活用し、現在までさまざまな成果を上げてきた。
本コラムでは、熊本市が市民の健康増進を目指し、いかに地域特性を活かしながら健康アプリや関連サービスの導入を決定し、運用を進めているのか。その具体的な取り組みと、そこから得られた成果について、健康福祉局 健康福祉部 健康づくり推進課 主任主事 髙村 嘉幸氏にお伺いした。
スマートフォンアプリ「もっと健康!げんき!アップくまもと」
の活用で市民の健康促進を図る
の活用で市民の健康促進を図る
市民の運動習慣向上を目指し、スマートフォンアプリを立ち上げる
充実した医療体制の下、熊本市の平均寿命は全国でもトップクラスだ。健康維持・向上のためには日常的な運動を欠かすことができないが、市民の方が日ごろ運動する頻度は、他の都市と比較して特に高いとは言えないという。
『日常的かつ継続的に市民の方に運動してもらえるような仕組みが必要なのではないか』と考えて立ち上げたのが、熊本健康アプリ『もっと健康!げんき!アップくまもと』(以下、『げんき!アップくまもと』)でした。これは他の自治体でも実施している健康ポイント事業ですが、紙などのアナログで運用するのではなく、スマートフォンアプリを軸として進めていこう、と始まった事業です」と髙村氏は「げんき!アップくまもと」立ち上げの背景を振り返った。
TOPPANは、「げんき!アップくまもと」のアプリ開発から事務局などの運営支援まで、熊本市様の健康ポイント事業を一元的に支援しており、アプリの設計・開発からWebサイトの運用、デジタルギフトサービスの提供、コールセンターや抽選・賞品発送などの事務局業務、SNSなどを活用した広報活動などを任せてもらっている。
デジタルギフトや新機能で利用者のモチベーションアップを図る
「げんき!アップくまもと」は、ウォーキングや健康イベントへの参加、健診の受診などでポイントがたまる仕組みで、たまったポイントに応じて協力店舗で特典を受けたり、豪華賞品が当たる抽選会に応募できる。例えばウォーキングは1,000歩ごとに1ポイント、健康イベントなどに参加するとミッションポイントとして1回20ポイントが付与され、その他にも、健康状態を入力したりアプリを起動したりすることでポイントを獲得できる。
しかし、単純にポイントがたまっていくだけでは飽きられてしまうおそれがある。継続的な運動への動機づけとなるよう、これまで毎年のように新たな機能を追加してきた。特定期間中に指定スポットを回ってポイントを獲得できる「スタンプラリー」や、職場などのグループ同士で合計ポイントを競い合う「グループ対抗戦」などの機能を順次追加。
ゲーミフィケーションの要素を積極的に採用することで、楽しみながら健康づくりに取り組めるようなアプリとして機能している。その他、家族などとアプリ内の健康情報を共有できる「げんき!つながり機能」を使えば、高齢の両親の健康状態の確認や見守り機能としても活用できるのが頼もしいところだ。
一方、特典については、まず獲得ポイントによって授与される「げんき!アップカード」を協力店に提示することでさまざまなサービスを受けることができる。さらに、年に数回抽選会を実施しており、農産品や食品、生活雑貨、家電製品、宿泊券など、地元ならではの豪華賞品が当たる。
「2021年に、TOPPANの『デジタルインセンティブ(デジタルギフト)サービス』を利用したデジタルギフトを抽選会の賞品に追加しました。通常の賞品の手配や発送にはどうしても手間がかかるため、それをデジタル化によって効率化したいということと、デジタルギフトの追加によって応募者の選択肢が広がり、利用しやすくなることが導入の目的でした」と、髙村氏はデジタルギフト導入の経緯を説明した。
抽選会では、当選者を増やしてできるだけ多くの方に喜んでもらいたいが、あまり単価の低い賞品では参加者のモチベーションが上がりにくい。その点デジタルギフトであれば500円や1,000円といった単価でも、当選者が好きなものを購入可能で選択肢が広がり、賞品のボリュームアップにつながる点がメリットだ。現在は各抽選会で通常の賞品とデジタルギフトをうまく組み合わせて運用している。
周辺自治体との共同運用も拡大し10万ダウンロード達成!
共同運用によりコストや手間を抑制
「げんき!アップくまもと」アプリのリリース前に、アプリの機能やセキュリティ面などを検証するための実証実験を実施。また、同時期には運用準備として、割引商品などを提供していただく協力企業を探したり、施策の浸透やアプリの利用促進を目的とした広報活動を展開した。立ち上げ当初は熊本市単独での運用だったが、2年目以降、周辺の市町村も同アプリを活用した健康ポイント事業に参加。共同運用への参加は、阿蘇市や美里町、南阿蘇村など合計22市町村に達した。
「熊本市と各市町村との共同運用という形ではありますが、アプリを開発・運用するTOPPAN様とのやり取りなどの業務は当市がすべて行っています。各市町村では、例えば独自のミッションなどを設定して住民の方へポイントを付与することができます。アプリを各市町村で独自に開発すると、かなりのコストが必要になります。そのような初期投資が抑えられることと、運用負荷が少ない点が共同運用の大きなメリットではないでしょうか」と、髙村氏はこのように共同運用のメリットを強調した。
個人情報入力不要※で手軽に利用できる点が普及を後押し
アプリ内でのさまざまな新しい取り組みや利用促進のための広報活動、さらに、周辺自治体との共同運用の広がりなどが功を奏し、2025年4月にはアプリのダウンロード数が10万件を超えた。自治体が運営する健康ポイント事業向けアプリとしては、かなり多い部類に入る。ダウンロード数増加の要因には、アプリの利用形態にも理由がある。
「このアプリの特徴として挙げられるのが個人情報を取得しない※点です。手間のかかる手続きや登録が不要なため、気軽に利用できます。もともと市民の方に継続的に運動してもらうことや、健診をしっかり受けてもらうことを目的とした事業です。大変ありがたいことに10万ダウンロードを超えましたが、さらに利用者数を増すことで、健診の受診者数などももっと伸ばせるのではないかと考えています。そのためのアプリの改善や広報活動を、現在も積極的に行っています」と、髙村氏は今後も継続的な利用促進と啓発活動が重要なことを訴えた。
※抽選会に応募する際は、個人情報の入力が必要です。
アプリをきっかけに健診を受診、抽選会応募者数も倍増
イベント来場者や抽選会応募数の増加などさまざまな効果が
前述のとおり個人情報を取得していないため、利用者別の受診率やイベントへの参加率などを把握することは難しい。ただし、アプリに実装されているアンケート機能などを通じて調査したところ「アプリをきっかけに健診を受診した」という声が想像以上に多い。
「健康関連のイベントを実施する場合、例えば中学・高校の学園祭などでブースを出展する際には、その校区外の方に告知するのはなかなか難しいところがありますが、アプリのお知らせ機能を使って告知してみたところ、そのブースに前年より多くの方が来場されたというお声もありました。アプリから校区外の方へ広くイベント周知ができるうえ、イベントへの参加ポイント獲得が参加者増加の要因となっているのでしょう」と、髙村氏はイベント参加者増加の要因を推測した。
利用者別の状況把握は難しいものの、全体的な効果測定は行っている。例えば歩数データをアプリ利用前後で比較したところ、利用後に全体として歩数が増えていることが確認できている。
「アプリのダウンロード数が増えるにつれて、年々抽選会への応募者数も増加しています。3年前と比較して倍以上に増えていると思います」と、髙村氏は抽選会参加者数にも良い影響が出ていることに言及した。
さらに、「げんき!アップくまもと」の活用は庁内の他部署へも拡大しつつある。例えば観光地などにスタンプポイントを設けてスタンプラリーを実施したり、アンケートで市政などに対する意見を聞いたりすることも可能だ。
「路面電車の延伸の議論がなされている中、実際に当市の交通局が路面電車の利用状況に関するアンケートを『げんき!アップくまもと』内で実施したこともあります」と、髙村氏は他部署での活用例を紹介した。
TOPPANへの一元化によりスムーズな対応を実現
TOPPANグループは、「げんき!アップくまもと」のアプリ開発から事務局などの運営支援まで、熊本市様の健康ポイント事業を一元的に支援している。アプリの設計・開発からWebサイトの運用、デジタルギフトサービスの提供、コールセンターや抽選・賞品発送などの事務局業務、SNSなどを活用した広報活動など、これらをTOPPANに任せてもうらことで生じるメリットも感じていただけている。
「いろいろな側面があると思いますが、まず1つ挙げるとすれば業務間の連携がスムーズなため、さまざまな事象に対する対応が迅速なことです。仮に何か問題が発生した場合、別々の会社に委託していると我々が間に入って情報をやり取りする必要があるためどうしても対応が遅くなります。一方、TOPPAN様の場合はデジタルギフトの導入から広報誌の印刷まで多種多様な要求に応えていただけるので、選択肢が広がるのもメリットです」と、髙村氏は一元化のメリットを語った。
現在は、2025年4月に達成した10万ダウンロードを記念し、過去最多の賞品数を準備している年度末抽選会や、各地でのスタンプラリー、「5,000歩歩いて賞品を当てよう!」キャンペーンなどさまざまな企画を実施している。今後もアプリのダウンロード数が(登録数)が増えることが予想されるため、各抽選会への応募者数が増えた結果、当選確率が下がってしまい参加者のモチベーションに影響することがないよう、デジタルギフトを含めたさらなるサービスの充実を図っていきたい。
さいごに
TOPPANでは、今回の熊本市様にご提案をさせていただいた様に、アプリの企画・開発からリーフレットやチラシなどの印刷物の制作、ギフトの発送、キャンペーンの運営まで一貫して行えるのが強みです。お客様の課題に一緒に向き合い、最適なサービスを提供いたします。是非、お気軽にTOPPANへお問合せください。
2026.03.27