バンダイ×TOPPAN
カードパックから、
カードケースに!
ファンとともに推進する
サステナビリティプロジェクトを共創
TOPPANと各社との対談で、日本企業のサステナブルな取り組みの課題解決と未来を探るシリーズ。
今回は、株式会社バンダイ・山﨑聖子さんをお迎えして、
バンダイ×TOPPANが共創した「開封済みカードパックリサイクルプロジェクト」を通じ、
企業が取り組むべきSX(サステナブルトランスフォーメーション※)と成功事例について、
TOPPANの担当者を交えて語りあっていただきました。
※SX:企業が長期的な「持続可能性」を重視し、ビジネスの安定とESG(環境、社会、ガバナンス)を両立する経営や事業変革のこと。
スピーカー紹介

株式会社バンダイ カード事業部 事業戦略チーム 山﨑 聖子 氏 |

TOPPAN株式会社 情報コミュニケーション事業本部 ビジネスプロデュースセンター 第五プロデュース本部 第二部 2T 村上 朝子 |

TOPPAN株式会社 情報コミュニケーション事業本部 情報系製造統括本部 技術開発本部 商材開発部 新商材技術T 岡田 麻里 |
※所属部署は2024年11月時点
バンダイナムコグループでは、サステナビリティ方針として「ファンとともに、バンダイナムコグループが向き合うべき社会的課題に対応したサステナブル活動を推進する」ことを掲げています。
その新たな取り組みとして、株式会社バンダイとTOPPANの共創で実現したのが「開封済みカードパックリサイクルプロジェクト」です。
子どもから大人まで幅広いファンを持つ「ONE PIECEカードゲーム」を通じて、開封済みのカードパック(=ピロー)をカードケースに再生するマテリアルリサイクルを実施。
2024年の「東京おもちゃショー」でも大きな反響を呼ぶなど、ファンとともに循環型社会を目指す活動の輪が広がっています。

【背景・課題】トレーディングカードを通じた循環型社会への貢献を目指して
―プロジェクトの背景や経緯をお聞かせください。
山﨑氏:当社では、以前からおもちゃのライフサイクルに合わせた環境配慮の取り組みを行っています。ガンプラでプラモデルを作った後に残るランナーを再利用する「ガンプラリサイクルプロジェクト」やガシャポンの空カプセルのリサイクル事業「ガシャポン カプセルリサイクル」もその一例ですが、私たちカード事業部でも何かできないだろうかという想いがありました。
―以前から課題感をお持ちだったのですね。
山﨑氏:はい。そこで着目したのが、カードパックを開封するたびに捨てられるピロー(包装材)です。ただし、カードパックは「開ける楽しみ」も重要な要素。単に素材を変えるだけでは解決できないため、開封のワクワク感と環境への配慮を両立できる方法を模索していました。
村上:TOPPANとしても、バンダイさまがサステナブル活動に積極的に取り組まれていることを認識していたので「それなら私たちと一緒にやりませんか?」と。弊社にはSXの専門部署もあり、「開封の楽しみとサステナビリティの両立」という要望に対して、さまざまなアイデアをご提案させていただきました。
山﨑氏:そこからスタートしたのが、開封済みピローを回収してカードケースに生まれ変わらせるリサイクルプロジェクトです。カードケースはトレーディングカードで遊ぶ際に欠かせないアイテム。これならユーザーと一緒に楽しみながら、環境にも配慮できる好循環が生まれるのではと考えました。

【プロセス】企画から製造、宣伝、エコマーク®認定までトータルサポート
―具体的なプロジェクトの概要とTOPPANが担った役割は?
山﨑氏:まず、全国のONE PIECEカードゲーム公式ショップに回収BOXを設置し、ユーザーさまからカードパックのピロー(包装材)を回収します。そのピローを再利用して再生カードケースを製造し、再びユーザーさまの手に届けることで、プラスチックごみの削減に貢献する仕組みを作りました。また、この再生カードケースは「東京おもちゃショー2024」のバンダイ・BANDAI SPIRITSブース内「未来・クリエイション」ブースで配布し、プロジェクトの認知を高めるとともにリサイクル活動への関心を広めることを目指しました。
村上:弊社は、本プロジェクトの企画からピロー回収BOXおよび再生カードケースの製造、さらにイベント告知用のランディングページやプロモーション動画の制作まで、総合的にサポートさせていただきました。
■リサイクルの流れ

―まさに二人三脚で進められたのですね。TOPPANをパートナーに選ばれた理由は?
山﨑氏:品質に対する信頼感、そして圧倒的なノウハウと提案力の高さです。バンダイとしてサステナブル案件をより強化していきたい想いがある一方で、私たちだけでは実現が困難な部分も少なくありません。そこを豊富な実績やソリューションで実現してくださること、そしてなにより企画から製造、プロモーションまでトータルでお願いできるのが大きな魅力でした。
―こだわった点や印象的なエピソードがあれば教えてください。
村上:プラスチックごみの削減とリサイクルという本来の目的を徹底的に追求した点です。当初は、再生カードケースを説明書と一緒にPPの袋に入れて配布する予定でしたが、それでは結局ゴミを増やすことになってしまいます。そこで説明や必要な表記を全てカードケース本体に表記し、そのまま配る形にしました。
岡田:また、今回の再生カードケースは、回収したピローを含む再生プラスチック材を45%使用し、「エコマーク®認定」を取得しています。バンダイさまにとって初の試みであり、おもちゃショーまでに間に合わせたいとのご要望に応え、当社も万全の体制で臨み、無事に認定取得が実現しました。
山﨑氏:エコマークの取得には、再生プラスチックの配合率をはじめ、さまざまな基準があります。さらに当社の規定もクリアしなければなりません。プロジェクトを遂行するためのスケジュール管理と要件整理はもちろん、常に私たちの期待を上回る提案をしてくださり、パートナーとして本当に助けていただきました。
―どのようなスケジュールで進められたのでしょうか?
山﨑氏:キックオフが2023年8月、10月にはプロジェクトの骨子が決まり、回収ボックスの製造やカードケースのデザインを進めて実際に店舗での回収フェーズに入ったのが年明けくらい。5月からは再生カードケースの製造、エコマークの取得、LPや動画などのプロモーションを集中して進めました。最初のゴールである「東京おもちゃショー2024」が8月末でしたのでギリギリでした。スピード感をもって確実に進めてくださったTOPPANさんに感謝ですね。
村上:私たちとしても非常に価値のある取り組みだと感じていたので、より良いものにしたいという想いで臨んでいました。


【反響と成果】開封済みカードパックで❝楽しみながら❞環境貢献
―本プロジェクトに対する社内外の反響や成果はいかがでしたか?
山﨑氏:「おもちゃショー2024」開催期間中、「未来・クリエイション」ブースには6,352名のお客さまにご来場いただき、リサイクルへの関心を高めるとともに、本プロジェクトの認知や理解を広める機会になりました。小学生以下のお子さまに再生カードケースを配布し、喜ぶ姿にこちらも嬉しくなりましたね。また、社内にも回収ボックスを設置しており、従業員の意識にも良い変化が生まれています。
村上:私も会場に伺いましたが、サステナビリティに特化した「未来・クリエイション」ブースの規模に、バンダイさまの環境意識の高さを改めて感じました。
岡田:今回のプロジェクトは、身近にあるおもちゃが起点。ファンも巻き込んで、楽しみながらサステナブルな行動変容を促していこうという視点やコンセプトが素晴らしいと感じています。このプロジェクトを通じて、プラスチックごみの削減という重要な社会問題にアプローチできたことは弊社にとっても大きな意味がありました。企画から製造、プロモーションまで、TOPPANならではの強みを活かした新たな成功事例になったのではないかと感じています。


【今後の展望】継続的な共創で、サステナブルな取り組みを深化
―今後の展望について教えてください。
山﨑氏:今後も開封済みピローを活用した再資源化プロジェクトを継続していく予定です。また、再生プラスチックの配合率をより高めていきたいと考えており、この点についてもTOPPANさんに相談しているところです。
村上:弊社としても、カードケース以外のリサイクル製品のラインナップを拡充し、さらにユーザーに喜んでいただける提案を続けてまいります。
岡田:TOPPANはDX(デジタルトランスフォーメーション)とSX(サステナブルトランスフォーメーション)の両面をサポートしています。今後は、リサイクル活動による環境負荷削減効果を数値化して消費者に伝えるプロモーション戦略や、デジタル技術を活用した業務効率化の支援、さらに企業の環境価値を「見える化」する取り組みなども含めて、サステナビリティ活動を包括的に支援してまいりたいと考えています。
―同様の取り組みに関心のある企業に向け、改めてTOPPANをパートナーにする価値をお聞かせください。
岡田:弊社の強みは、企画から製造、プロモーションまでを一気通貫でサポートできる対応力にあります。リサイクル材を取り扱う企業はほかにもありますが、部分的な「点」の支援にとどまるケースが多い中、弊社なら最適な形でプロジェクト全体を「面」でサポートすることが可能です。また、製造の視点を活かしつつ、リサイクルの取り組みを推進できる点も他社にはない大きなメリットといえるのではないでしょうか。
山﨑氏:私たちがTOPPANさんにお願いして得られる満足感は、まさにそこにあります。豊富な実績に基づき、全体のストーリーが見える提案をいただけるため、プロジェクトのイメージがしやすい点も魅力です。品質に対する信頼はもちろん、私たちの「やりたいこと」をベストな形で具現化してくれる、とても頼もしいパートナーだと感じています。

2024.11.13