顧客分析手法を分かりやすく解説
~RFM分析・デシル分析からAI活用まで

2019.01.18

マーケティングを実施する際に、購入頻度やリピート率、購入金額、最終購入日などの顧客データを集め、「顧客分析」を行うことで、その顧客がどのような購買傾向を持っているのか、優良顧客かどうかを見極めることができるようになります。これにより、購買予測ができるようになり、マーケティングの効率が上がります。この顧客分析にはさまざまな方法があります。ここでは代表的な2種類の分析手法とともに、従来型の顧客分析手法とは異なる考え方で優良顧客を抽出する、“AIによる顧客分析”の考え方をご紹介します。

顧客分析手法1 RFM分析

RFM分析は、顧客の購入履歴から3要素を抽出して分析する手法です。その3つの要素とは「Recency (直近いつ購入したのか)」、「Frequency (どのくらいの頻度で購入したのか)」、「Monetary (購入金額)」です。

この3つの要素ごとに、顧客を5段階で評価するなどして点数付けをし、点数の高い順にランク付けを行うのが一般的です。これにより、最優良顧客、優良顧客、非優良顧客が分かるほか、安定顧客、休眠顧客といったグループ分けや分類を行うこともできます。これにより、例えば休眠顧客にクーポン付きのDMを送ろうといったように、それぞれの顧客に適した販促を実施することができることから、マーケティングの効率化が図られ、成果につながりやすくなります。

3つの要素を掛け合わせることで、より幅広い顧客心理やニーズに応じた施策を実施することができるのがRFM分析の大きなメリットです。

一方で、デメリットもあります。それは要素が3つあることに加えて、それぞれを5段階に分けることにより、自由度が高い反面、複雑になってしまう点です。また、購入時期、頻度、金額のみの指標で判断していることから、購入している商品の内容については範疇外ということもデメリットといえます。複数の商品を購入したとしても、どんな商品をいくらで購入したかということは当然、分かりません。

顧客分析手法2 デシル分析

デシル分析は、すべての顧客を購入金額の多い順に並べ、10等分してから分析する方法です。デシル分析の「デシル」はラテン語で10等分、10分の1などの意味があります。
例えば、一定期間、顧客が1,000人いたとすれば、10等分、つまり100人ずつグループ分けをします。10等分したグループは、購入金額の高い順に「デシル1」「デシル2」「デシル3」…と続いていきます。そして、一つのデシルごとに、全体の購入金額の合計を出し、それぞれのデシルの合計が全体の売上の何%を占めているのかを算出します。

これにより、例えば購入金額の高い上位300人、つまりデシル1~3の優良顧客層のグループが、全体の80%の売り上げを占めていることが分かったりします。このデシル1~3の顧客へのアプローチは、当然、デシル4~10までの顧客よりも強化するなどの施策を実施していくことができます。

このように、デシル分析は売上に貢献している度合いの高い優良顧客がどのくらいなのかを知ることができます。

デシル分析は、10等分するだけなのでとてもシンプルで単純かつ、手軽に実施できるというメリットがあります。

一方で、デメリットとしては、購入頻度が低いのにも関わらず、高額商品を買った顧客も、優良顧客に中に入ってしまうということが挙げられます。また、あまりにシンプルな手法であるため、RFM分析同様、「何を買ったか」ということは範疇外です。金額が高ければ、優良顧客ということになってしまうのです。

AIを活用した顧客分析手法

昨今、急速なAI技術の発展により、AIを活用して顧客分析を行う取り組みも始まっています。

AIを活用した顧客分析手法は、RFM分析やデシル分析とは根本的に考え方が異なります。RFM分析やデシル分析の顧客分析手法は「特定の軸」で顧客セグメントを分割する分析手法である一方、AIを活用する方法は、多次元で顧客をスコアリングする分析手法です。もっと言えば、特定の軸でセグメントを切るのではなく、「多次元でスコアリングする」という点で考え方が異なるのです。

例えばAIで顧客分析を行うと、「この顧客は、商品Aの購入ニーズは10点しかないが、商品Bの購入ニーズは70点ある」などが分かるようなイメージです。これはRFM分析やデシル分析では成し得なかった、「何を買ったか」ということを含む分析結果です。

「人ターゲティング」×「エリアターゲティング」の二重施策

また、AI活用の分析手法では、顧客の性別、年齢、エリア情報、家族情報、居住年数、契約情報などをもとに、優良顧客の特性を抽出し、同じような特性を持った非顧客を抽出したり、購買につながる可能性が高いエリアを特定したりするなど新規顧客の獲得にも利用することができます。

それは、AIがあるからこそできることです。例えば、あるITサービスの加入実績データが100万人分あったとします。この100万人分のデータの実績情報から、より加入ニーズが高い人をAIにより抽出することができます。

「人ターゲティング」×「エリアターゲティング」の二重の施策を実施することで、より分析の精度を高めることができます。

人ターゲティングのメリット

人ターゲティングとは、人単位でのスコアリングにより確率的に評価するもので、予測反応率が高い人へコミュニケーションを取ることができます。マーケティングコストと併せて、施策評価がやりやすいのが特徴です。

エリアターゲティングのメリット

エリアターゲティングとは、エリアごとの加入ニーズスコアを確率的に評価するものです。ポテンシャルエリアを抽出できれば、折込チラシの活用などの面で施策が可能になります。

このように、従来からある顧客分析だけでなく、AIを活用した顧客分析を実施していくことで、より効率的・効果的なマーケティングが可能になります。

まとめ

企業を長く継続させていくためには、常に時代の流れと顧客のニーズを捉え続ける必要があります。「売れた」「売れなかった」という結果だけを待つのではなく、ターゲットを絞り狙って売ることができるようになるためにも、ぜひこの機会にAIによる顧客分析を取り入れてみてはいかがでしょうか。

2019.01.24