AIを活用したマーケティング
~成否を左右するポイントとは?

2019.01.18

AIを活用してマーケティングを実践したいと思っており、構想を描いている段階では、基礎知識を豊富に収集したいものです。中でも、そもそも「機械学習」や「ディープラーニング」などの言葉を知ってはいるものの、どういう学習の仕組みなのか、マーケティングへの活用方法などが不明確ということも多いのではないでしょうか。そこで今回は、AIをマーケティングに活用して成功させるために知っておきたい基礎知識をご紹介します。

AIはマーケティングに活用できるのか

AI(人工知能)、つまり、人間のように自ら考えることができる知能が、あらゆる業界で業務効率化に活用され役立てられているということは、すでに耳にしているかと思われます。そのような中、マーケティング施策にAIを活用し、何かしらの効率化を図りたいと考えている方もいると思います。そもそも、AIはマーケティングに活用できるのでしょうか。結論から言えば、その答えはYESです。

現状、AIはマーケティングにおいて、主に、ターゲットとなる顧客をより効率的に絞り込むために活用されています。いってみれば、優良見込み客や、ホット客を見つけ出すことができるのです。デジタルマーケティングが当たり前のようになる中、日々蓄積されている膨大な顧客データが存在することでしょう。例えば、属性データや行動データなどです。これらのような膨大な個々のユーザーのデータをうまく効率的に活用して、AIによりマーケティングの効率を上げるということがすでに行われています。

しかし、現状は、AIもまだまだ万能ではありません。つまり「AIさえあれば何でもできる」というレベルではないというわけです。

「機械学習」と「ディープラーニング」の違いとは

AIをマーケティングに活用していくに当たり、まずは基本的なことを理解しておく必要があります。その中でも、よく耳にする「機械学習」と「ディープラーニング」について明確に知っておくのをおすすめします。

「AI」といっても、まだまだ定義が正式に定まっていないところがあります。その中でも、注目されている技術が「機械学習」や「ディープラーニング」です。

よく機械学習とディープラーニングと並列させられていることがありますが、これらは対比関係にはありません。結論から言えば、機械学習の中の一つがディープラーニングなのです。それぞれについて詳しくみていきましょう。

 

機械学習

機械学習とは、複数のデータから反復的に学習、分析し、そこに潜んでいるデータのパターンを見つけ出すことを指します。まず“複数のデータから反復的に”というところがポイントになります。ですから、機械学習には学ぶためのデータが必要になります。しかも膨大なデータが必要です。そしてデータのパターンを見つけ出した後、新たなデータがやってきたときに、学習したデータのパターンにあてはまるものがないかを探し、未来を予測します。

ディープラーニング

ディープラーニングは、機械学習の一つです。言い換えると「深層学習」です。機械学習ですから、先に述べた通り、データのパターンを学習し、自ら新しいデータに当てはめて分析、分類、予測などを行います。ディープラーニングは人間の神経細胞の仕組みを模したアルゴリズムであり、ニューラルネットワークを多層的に用いることで、データに含まれる特徴をより深く学習することができ、音声の認識や画像の特定などに活用されています。

マーケティングで活用するAIは解釈性や納得性が重要

AIを活用したマーケティングにおいても、他のAIと同様にその精度が重要になります。予測精度の高いアルゴリズムとしてはディープラーニングをはじめとしたニューラルネットワーク系や複数のアルゴリズムを組み合わせたアンサンブル型のモデルなどがあります。
しかしながら、実際のマーケティングの活用シーンにおいては、これらの高度で複雑なモデルを活用することはあまりありません。
それはなぜか

ブラックボックス化しやすいため

AIの技術の中でも、ディープラーニングは特にブラックボックス化しやすいところがあります。AIにおけるブラックボックス化とは、AIの思考プロセスが人間にはわからないことを指します。つまり、AIが自分で思考して何かを判断・予測する際に、その判断・予測の理由を人間がチェック、把握できないということです。
マーケティング施策を実施するにあたっては、AIによる予測だけでなく、「なぜその予測なのか」を人が解釈して、コミュニケーション設計を行ったり、コンテンツ制作を行う必要があります。そのため、精度が高くても人にとって解釈性の低いAIはビジネスの現場で浸透しづらくなっております。こうした実務的な問題をクリアし、AIを活用したマーケティングを実行するために解釈性は重要なファクターになります。

AIを活用したマーケティングで成功するためのポイント

AIを活用した、マーケティングで成功するためには、機械学習の精度を高めることも求められます。機械学習の精度は、1.モデル選択 2.教師データの活用・選定 3.ビジネスの理解度の3つに左右されます。それぞれ詳しくみていきましょう。

 

1.モデル選択

モデル選択とは、数多くの機械学習のモデルの中から適切なモデルを選択することです。例えば「サポート・ベクター・マシン」や「ニューラル・ネットワーク」といったモデルがあります。これらのモデルの中から、今から行おうとしているデータ分析について、最も適したものを選択することが求められます。選択を誤ってしまうと、精度の高い分析結果を出すことはできません。

 

2.教師データの活用・選定

先にも述べた通り、機械学習には学ぶためのデータが必要になります。しかし、そのデータの質が低いと、正解率が下がることから、当然、精度は落ちてしまいます。
データの質が低いというのは、特徴が分かりにくいデータのことです。例えば、ある新商品のプロモーションを行うに当たり、売上予測をしたいと思ったら、過去の商品購入実績のデータを用意します。これは、「教師データ」になります。つまり、「どういう場合に、購入に至った」という問いと答えがセットになっており、そのデータ自体が“教師”の役割をするデータとなります。教師なしのデータで学習させることもありますが、この場合のプロモーションで確実に購買層にターゲットを絞るためには、教師ありの教師データを活用して過去実績から学ぶことが重要になります。
もう一つ、精度を上げるために重要なポイントが、過去の商品売上実績をそのまま利用するのではなく、過去に実施した「同様の施策」で得られた売上実績データを教師データとすることです。まだ実績がないという場合、過去に実施した“似た商品の”プロモーション実績にする方法が考えられます。

 

3.ビジネスの理解度

3つめに重要になるのは、ビジネスの理解度です。マーケティングにAIを活用する場合、単純に数学や統計解析、データ分析に強いだけでは不十分といえます。AIシステムをマーケティングに活かすには、AIを活用するマーケター自身がビジネスについて精通し、ターゲットや商品を深く理解していないと、1のモデル選択も、2の教師データの活用・選定も適切に行うことができないでしょう。

これら3要素をすべて満たすことで、AIを活用した精度が高いマーケティング分析が可能になります。AIプラットフォームを導入したものの、使いこなせないというケースも見られます。AIプラットフォームはどれも精度が高いシステムで、どのプラットフォームでも一定レベルの分析は可能です。しかしこの3つの要件を満たし、それをビジネスに使いこなせる人がいなければ、成果を出すことはできないのです。

凸版は、AIのスペシャリストを擁しており、AIを活用したマーケティング分析で高い精度を出すための高度な知見を持った人材がサポートを行っています。AIを活用したマーケティングをお考えなら、ぜひ一度、凸版にご相談ください。

2019.01.24