【2023年】インストアプロモーション市場解説!リアルDATAサイネージ®導入事例も紹介
インストアプロモーションは消費者データの活用で差が出る!リアルDATAサイネージ®導入の成功事例や手法も紹介
インストアプロモーションとは、店頭における販売促進活動を指すマーケティング用語です。コロナ禍が落ち着き外出する人が増えている昨今、インストアプロモーションの重要性は以前よりも増しています。しかし重要だとは知っていても、どのような手法を用いればいいのか分からない人も多いのではないでしょうか。インストアプロモーションの最新動向に加え、人々の消費行動の変化や押さえておきたいホットワードなどを今回解説します。
インストアプロモーションの2023年最新動向
コロナ禍の収束に伴って実店舗の小売市場にも活気が戻ってきました。人出が増えるため、インストアプロモーションの必要性も増してきます。どのように市場全体が変化していくのか、過去データから未来の予測までをチェックしていきましょう。
インストアプロモーション市場全体の様子
2020年頃から始まったコロナ禍の影響によって、一時的にサイネージ広告市場は縮小していました。しかしアフターコロナを迎えて、回復基調にあると2022年末以降いわれています。
店頭に訪れる人が増えるにつれて、自社で保有している消費者の購買データを活用しながら小売企業が効果的な広告を配信する仕組み「リテールメディア」への関心が高まってきました。リテールメディアを活用するために、小売店内の店頭や棚前に設置されるデジタルサイネージへの需要が同様に高まっているとの調査結果(以下参照)があります。
上図のグラフは、株式会社CARTA HOLDINGSが2022年12月19日に発表した「CARTA HOLDINGS、デジタルサイネージ広告市場調査を実施 ~2022年のデジタルサイネージ広告市場規模は690億円の見通し、2026年には1,338億円と予測~」のプレスリリースから引用したものです。
左のグラフが示すように、デジタル広告市場は右肩上がりに伸びていくと予想されています。2021年には582億円だった市場規模が、2026年には約2.3倍の1338億円になる見込みです。デジタル広告市場の中で、約38%の割合を店頭広告(グラフでは「店舗<商業施設>」と表記)が占めています。
また右のグラフは、店舗サイネージ広告の市場規模を表したものです。2026年には市場規模が512億円になると予測されており、中でも「小売店(GMS・SM・コンビニ・ドラックストア)」の拡大が最も大きく全体の約80%を占めています。上記のデータが示しているように、インストアプロモーションは今後さらなる市場の拡大が見込まれるでしょう。
インストアプロモーション(リテールメディア)に関するホットワード
マーケティング用語は新しいものが日々登場しています。インストアプロモーションやリテールメディアについてはすでに紹介しましたが、ほかにも関連する用語は多いです。関連する用語のなかでも、2023年の市場動向を理解する上で重要になるものを新たに3つ解説します。
OMOとは
OMO(Online Merges with Offline)とは、ECサイトなどのオンラインと実店舗のようなオフラインを掛け合わせるマーケティング手法です。商品を知って興味や関心が高まったところで購入に至る、いわゆるAIDMAやAISASといったものが、従来の消費者行動プロセスの標準でした。しかし2023年には、リアルな店舗とインターネットを分断せず、相互に掛け合わせる買い方が一般的になりつつあります。そこにOMOを活用すると、実店舗で購入した商品を基にして、ニーズに合った新製品の情報やクーポンの配信などが可能になるのです。
フィジタル(Phygital)とは
フィジタル(Phygital)とは、Physical(物理的)とDigital(デジタル)を掛け合わせたマーケティング用語です。小売業の持つ店舗や店員などの物理的な接点と、アプリやECサイトなどのデジタル技術の融合により、お客さまごとでベストな統合型購買体験を提供することを指す言葉です。従来のOMOをより具体化し、一歩先に進めた概念といえるでしょう。
センシング技術とは
センシング技術とは、センサーを利用してさまざまな情報を計測し、数値化して活用する技術の総称です。数値化が可能な情報には体温・音量・光量など数多くの要素があり、センシング技術はさまざまな分野で活用されています。先ほど説明したフィジタルを実現させるためには、センサーを使ったデータの解析が必要不可欠です。高い精度のデータ収集を行うために、センシング技術には注目が集まっています。
インストアプロモーションにセンシング技術がなぜ必要になるのか
顧客の消費行動は日々変わります。効率的なインストアプロモーションを行うために、消費行動のトレンドを正確に把握する必要があるでしょう。そこで注目されているのがセンシング技術です。なぜインストアプロモーションにセンシング技術が必要とされているのか、以下で詳しく解説します。
商品とお客さまの接点を知る(データを取る)必要がある
インストアプロモーションを効果的に行うためには、商品とお客さまとの接点を知る必要があります。来店前から来店後までの流れの中で、お客さまが何を見てどのように行動するのかが分かれば、購買行動に対して効率的なアプローチができるでしょう。商品とお客さまとのさまざまな接点をデータとして取得するために、センシング技術は必要不可欠です。フィジタルを成功させるためにデータが重要である点は、キンドリル(Kyndryl)の米国部門CTOであるカイラ・ブルサード氏もNRF(小売業界のイベント)での講演で強調しています。本当に求められているニーズを生み出すためにも、さまざまなデータを取得してマーケティングに活用することが重要になってくるでしょう。
消費者の行動の変化(買い物のスマート化)とそれに合わせたデータ収集
SNSを代表としたオンラインによる口コミなどの情報によって、消費者が商品を購買するまでのプロセスは従来よりも短くなっています。じっくり比較や検討をせず、直感的に購入する「パルス型」と呼ばれる消費行動をする人が増加しているためです。より直感的に購買を促せるかが重要になっています。
そのため実店舗でも、商品のタッチポイントを理解し、どのような体験をお客さまに提供して購買につなげるかを検討する必要性が出てきました。オンラインとオフラインの垣根をできる限り無くし、顧客体験を最大化させる「買い物のスマート化」を実現できるかが鍵になります。そして伝え方のニーズとして、インパクトのある大型サイネージの活用や、複数の映像が連動する広告の配信などによる、印象に強く残る映像体験への注目が増しているわけです。
インストアプロモーションの味方!
TOPPANのデジタルサイネージ「リアルDATAサイネージ®」、3つの進化点
インストアプロモーションを成功させる鍵になるのが、デジタルサイネージの活用です。TOPPANが提供する「リアルDATAサイネージ®」なら、データの収集・分析から運用保守までをワンストップで行えます。バージョンアップによって新たに導入した3つの進化ポイントをふまえて、リアルDATAサイネージ®の特徴や導入事例を紹介します。
TOPPANが提供するデジタルサイネージの特徴
TOPPANが提供するデジタルサイネージ「リアルDATAサイネージ®」は、店頭におけるお客さまの購買行動を可視化し、コミュニケーションを最適化する店頭サイネージサービスです。2021年の6月にサービスリリースを果たしました。リリース当初から下記の3つを特長とするサービスを展開しています。
店頭サイネージサービス
利用用途に合わせたサイネージの選択が可能です。液晶サイネージは、5~85インチまでのサイズを用意しています。POP型サイネージは、低コストでスピーディーな導入ができる定番ラインナップ型か、お客さまの用途に合わせたカスタマイズ型の2種類から選択が可能です。販促効果を高めたいとの要望に対応できるよう、サービス強化を続けています。
また表示する映像コンテンツ制作もTOPPANでは行っています。映像コンテンツ制作は、新規で制作するフルオーダー型か、テンプレート型の2パターンから選択が可能です。タレントやインフルエンサーのキャスティングを含め、企画から撮影編集までワンストップで提供できるのがフルオーダー型です。テンプレート型は、独自の設定テンプレートを使用して手間やコストを抑えた制作ができます。
データ取得・分析
リアルDATAサイネージ®を導入すると、来店・回遊・視聴・レジ通過といった集客段階のデータが取得できます。今まで可視化できなかった実店舗でのお客さまのリアルな行動データが収集できるので、より正確な分析が可能になった点もリアルDATAサイネージ®の功績といえるでしょう。TOPPANにはデータ分析の調査専門部隊があり、店舗状況や調査目的に応じた最適な調査設計も可能です(オプションとして提供)。正確な調査方法を用いて効果検証を繰り返し、競合に負けない売り場設計を実現できます。
設置・回収・メンテナンス
サイネージの手配だけでなく、店舗への設置作業や納品後のメンテナンス・回収も対応可能です。TOPPANでは、全国の物流網と今までの知見を活用し、配送ルートの最適化による配送コストの抑制を実現しています。設置作業において高度な技術が必要な場合は施工チームと連携し、よりハイクオリティな作業管理が可能です。長時間の運用や緊急性を要する案件にも対応できるように、設置・回収・メンテナンスなどの保守運用サービスにも力を入れています。
TOPPANのデジタルサイネージ、進化した3つのポイント
先ほど紹介したとおりリアルDATAサイネージ®は日々進化しています。v2.0へのバージョンアップによって、進化した3つのポイントをより具体的にご紹介しましょう
多様なシーンに合わせたハードとソフトの選定を強化
リアルDATAサイネージ®は、お客さまの多様なシーンに合わせたハード・ソフトの選定ができるようになりました。
■ ハード面での進化
先ほど紹介した最大85インチのリーズナブルな液晶モニターに加え、高輝度で発色が良く曲面展示や立体物の構造なども映し出せるLEDディスプレイの提供も新たに開始しました。LEDディスプレイは、100インチ以上のものも用意しており、屋外の明るい環境下でも使用可能です。ハードのオプションとして、初めてサイネージを利用する人でも安心の「3〜5年保証」と「省電力マネジメント」のサービスも選択できるようになりました。
■ ソフト面での進化
お客さまが用意するPCからクラウドサーバーを介して、各店舗のサイネージにコンテンツ配信する「コンテンツマネジメントサービス」が導入されました。コンテンツマネジメントサービスを導入するメリットは大きく分けて下記の3つが挙げられます。
・お客さまのPC上でコンテンツの一括配信が可能→従来の手動でUSBメモリーやSDカードを変更する手間を省略。
・Webページ上でコンテンツのスケジュール配信が可能→スケジューリングを設定すると、売り場状況や時間帯別に来店したお客さまのターゲット層に合わせたコンテンツを再生。
・導入しているサイネージが問題なく稼働しているか、Webページ上で確認が可能→不具合が発生した場合、該当のサイネージをPCから遠隔で再起動し、簡易的な復旧対応が実現。現地に出向いて対応する手間が省略。
視線計測による効果検証
リアルDATAサイネージ®を使用すると、視線計測による効果検証も行えます。TOPPANの顔認識カメラでは、顔のパーツや骨格などの情報を基に、性別・年代や立ち寄り時間のデータを取得可能です。また顔認識カメラの技術から拡張して、黒目の方向を判別するアプリケーションも実装しています。来店したお客さまがどこを見ているのかを可視化し、蓄積されたデータをヒートマップ化することで、POPやサイネージの効果検証に活用できる仕組みです。
ハードの保守運用サービスの強化
ハードの保守運用サービスも強化しました。納品後24時間365日対応ができる保守体制を敷いており、不具合が発生した場合は最短で現地へ駆けつけられるようにしています。
またシステムの不具合を自動で検出・復旧する機能を取り入れました。不具合修正を自動化すると、担当者さまの手間を軽減するだけでなく、より安定的な運用を実現できます。設置作業からメンテナンスまで万全の体制を構築し、お客さまが安心してサイネージを利用できるようサポートしています。
リアルDATAサイネージ®の導入事例を2つ紹介します。
某化粧品会社さま
顔の骨格と肌の色を診断して化粧品をリコメンドする自販機を開発しました。自販機の中に顔認識カメラを設置し、ブランドのメインターゲット層にリーチできているのかを検証する機械です。
導入の結果、想定通りメインターゲット層に利用され、自販機前を通過した人が高い関心を示して立ち止まったのがデータから分かりました。アプリケーション面の話題性もあり、設置の前と後で販売数が約5倍にも伸びています。香港のドラッグストアにも同様の自販機が設置され、顔認証カメラの導入機器は海外へ進出しています。
某スーパーマーケットさま
関西のスーパーマーケットさまの店内各売り場にサイネージを設置し、静止画・動画コンテンツを表示しながら顔認識カメラによる効果検証を実施しました。得られたデータを基に、認知促進や購買向上を目指して次回以降のコンテンツ制作に活用しています。本件のデータ分析はTOPPANで行っており、動画よりも静止画の方が立ち寄りや閲覧が多いとの結果が得られました。
インストアプロモーションにデジタルサイネージを活用しよう
インストアプロモーションの概要や効率的な運用方法について今回解説しました。消費行動の変化によって、インストアプロモーションが今まで以上に注目を浴びているのは紹介したとおりです。変化に適応するために、正確なデータの収集にまず努めましょう。
最新のセンシング技術を搭載したデジタルサイネージを用いると、購買につながる貴重なデータが収集できます。そして実店舗とデジタルを融合させた「フィジタル」を実現する上で、TOPPANのリアルDATAサイネージ®はきっと役に立つでしょう。データに基づく効率的なインストアプロモーションを行いたい方は、ぜひデジタルサイネージの活用を検討してみてください。
【参考文献・引用元】
https://cartaholdings.co.jp/news/20221219_1/
https://newscast.jp/news/0766915
https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/18/00772/00005/
2023.03.23