コラム

ライブコマースを成功させるコツ!
メリット・デメリットや向いている
商材を紹介

ライブコマースとは、ライブ配信の中で商品の紹介を行い購入まで促せる販売方式です。配信者と視聴者がリアルタイムでコミュニケーションをとれるため、商品への質問などがライブ中にやりとりできます。手軽に実施できるサービスがあるものの、ライブコマースを成功させるのは簡単ではありません。メリットやデメリットをはじめ、成功させるコツやツールの選び方などライブコマースを実施するための実践的なノウハウを紹介します。


ライブコマースのメリットとデメリット

ライブコマースにはメリットとデメリットがあります。それぞれ以下にピックアップしました。とくにデメリットを理解し、実施するときのヒントにしましょう。

ライブコマースのメリット

(1)ライブ配信の強みを生かした「新しい購買体験」を提供できる
双方向のコミュニケーションがリアルタイムで行える点がライブコマースの強みです。疑問点が浮かんだ場合、チャットを通じてライブ配信中に質問のやりとりができます。そのため「広告」でなく「体験型コンテンツ」として楽しませながら視聴者に情報を伝えられるのです。一方的に情報を発信するだけのTVの通販番組との大きな違いです。
またライブコマースに生産者や開発者が出演する例も珍しくありません。生産や開発の苦労や熱意など現場の声をリアルに届けられ、商品に対する信頼性や好感度の向上が狙えます。「この人の紹介だから購入する」という意識につながり、ファンの獲得およびリピーター化も狙えるのはライブコマースのメリットです。

(2)閲覧から購入までをスムーズに誘引できる
導線設計をうまくできれば、閲覧から購入までをスムーズに誘導でき、視聴者の購買意欲が一番高まっている状態で購入まで導けます。たとえばユニクロでは、動画で紹介している最中の商品の購入ページに視聴画面からすぐにアクセスできる(視聴画面下部のボタンを押すと、商品ページのリンク集がポップアップしてくる)設計にしてあり、ビジネスチャンスを逃さないようにしています。

(3)視聴者は来店しなくても購入できる
ライブコマースでは、実際に来店しなくても視聴者は商品の購入が可能です。コロナ禍を境に、感染リスクの観点から対面でのコミュニケーションに不安を覚えたり、店舗に足を運ばずにネットで買い物を済ませたりと、消費者の行動も変容しました。時代にマッチし、対面に頼らない販売方法はライブコマースの特長といえます。

(4)ECサイト販売の弱点をカバーできる
画像・テキスト・動画では伝わりにくい部分を、詳細に伝えられる点もライブコマースのメリットです。たとえばECサイトの販売には、商品を手に取れず質感やサイズ感などがユーザーに伝わりにくい弱点があります。(1)ともリンクしますが、ECサイト上の説明だけでは不足で、「思っていたのと違う」とクレームになるのを気にしている人も多いでしょう。そのような弱点を補えるのもライブコマースの利点です。

ライブコマースのデメリット

(1)ライブ配信特有のトラブルに見舞われる可能性がある
対面販売では起きないようなトラブルに、ライブコマースでは注意する必要があります。ネット回線が不調でライブ配信が途切れたり、不適切なコメントがチャット上に流れたりする場合もあるでしょう。事前のトラブルシューティングや視聴者に向けてのガイドラインを設定するなどの対策が必要です。

(2)さまざまな準備やスキルが必要
ライブコマースを成功させるには、SNSなどで日常的に情報発信を行い、視聴してくれそうなユーザーを事前に獲得する必要があります。告知を十分にしておかなければ、そもそもライブ配信に視聴者が集まらない事態も考えられるでしょう。
また出演者のスキルも重要です。視聴者からの質問にわかりやすく答えたり、商品が魅力的に見える画角で映したりするスキルが必要になります。スキルのある出演者を見つけるのも労力がかかり、見つけたとしても多くの引き合いがあるため、容易にアサインできるとはかぎりません。

(3)ライブ配信の内容によって企業イメージが損なわれる可能性がある
ライブ配信の内容次第では、企業イメージが損なわれる可能性があります。たとえば大人向けのブランドがポップなライブ配信をしていると、視聴者の期待やイメージとのズレが生じて違和感につながるでしょう。また配信者が不適切な発言をして炎上するケースも考えられます。即時性が特長ではあるものの、編集できない点がデメリットとして働く点に注意が必要です。発言をした本人だけでなく起用した企業のイメージまで損なわれかねないので、打ち合わせを綿密に行うなど、ライブ配信前にリスクをヘッジしておくのが重要です。

ライブコマースを成功させるコツ

ライブコマースを成功させるにはいくつかのコツがあります。代表的なものを以下にまとめました。参考にしてみてください。

配信および販売に耐えられる体制を作る

ライブ配信中の通信トラブルは、視聴者の満足度低下につながります。ライブ配信が途中で止まるなどのトラブルが起こらないよう、通信環境の整備や事前テストを念入りに行いましょう。また紹介する商品の在庫管理も重要です。ライブコマースを行うと、対象商品の注文が集中します。欠品が続くと、ビジネスチャンスを逃すだけでなく、クレームにつながりかねません。スムーズに販売や配達ができるよう、商品の在庫管理までしっかり行いましょう。

見て・買ってもらえる番組を作る

タレントやインフルエンサーを起用するだけで商品が売れるとはかぎりません。視聴者の欲している情報を配信者が提供できなければ、多くの人に見られはしても購入にはつながらないでしょう。ライブコマースで商品を多く販売するには、視聴者の共感が大事です。ストーリー性があり、「買いたい」とまで視聴者が思える企画作りが求められます。
またライブ配信する時間や頻度も大切です。商品のターゲットに合わせて、視聴者が見やすい時間帯を検討しましょう。なお時間が短すぎると、通知に気が付く前にライブ配信が終わってしまう可能性があります。リアルタイムで視聴して商品を購入してもらうために、時間は長めに設定しておくのがおすすめです。配信頻度は、週に1~2回が一般的だといわれるものの、ケースバイケースなので、何度か繰り返しながらベストな頻度を探っていくのがいいでしょう。

キャスティングする出演者をしっかり選ぶ

デメリットのところで紹介したとおり、視聴者とのコミュニケーションを円滑・瞬時に行える能力が出演者には求められます。リアルタイムで質問に答える上で、正確に返答できる知識も重要です。さらに企業のイメージとマッチしているかなど、ブランディング面でも問題がないかを考える必要があります。くわえて集客が狙えるキャスティングかまで検討ができていれば理想的です。SNSでの情報拡散力があり、ファンが元々ついていて視聴や購買につながりそうな人を選べると成功率が上がるでしょう。

ライブコマースに向いている商品かを吟味する

ライブコマースに向いている商品を知っておくのも重要です。たとえば動画で視覚的に使用感を伝えられる、アパレルやコスメとの相性はいいとされています。逆にその場で効果を見せにくい健康食品などはライブコマースに向いていません。ほかの販促方法を検討しましょう。

ライブコマースのサービス(プラットフォームやアプリ)の選び方

ライブコマースのサービス(プラットフォームやアプリ)がさまざまな企業からリリースされており、どれを使おうか迷っている人もいるでしょう。選ぶ際のポイントと目的別の選び方をまとめてみました。

ライブコマースのサービス(プラットフォームやアプリ)の比較

ポイント

(1)ターゲット層との親和性があるか
ターゲットが「幅広い層」か「商品の購入を検討している層」かで、適するライブコマースのサービスが変わります。新商品の宣伝や自社ブランドの認知を高めるのが目的であれば、多くのユーザーがすでにいて、幅広い層に一斉にアプローチできるサービスを選びましょう。一方で商品の購入を検討している層に対応する場合は、顧客別に丁寧な対応が行えるものがおすすめです。

(2)視聴や購買を促す機能が充実しているか
視聴・購入を促せる機能が充実しているかはチェックポイントです。多数のSNS上で同時配信する機能があれば、より多くの視聴者を獲得しやすいでしょう。また購買意欲の高い人に専門的な情報を提供するために、1on1のやりとりが可能なものもあります。さらにアンケートや抽選ができて、視聴するだけでなく積極的な参加を促せるものもあり、サービスごとで差が出るポイントです。

(3)コンテンツ制作や配信の支援があるか
質の高いライブコマースを実現するために、コンテンツ制作や配信の支援があるサービスを利用するのも有効です。撮影サポートのあるサービスであれば、機材やカメラマンの手配も行ってくれます。出演者をアサインしてくれるサービスの場合、配信者の要望やイメージに合う人を手軽に見つけられるでしょう。

ライブコマースのプラットフォームやアプリの目的別選び方

(1)ライブ配信の仕組み構築が目的の場合
ライブ配信の仕組み構築が目的の場合は、プラットフォームとして提供されているサービスを利用すると手軽にライブコマースが始められていいでしょう。投げ銭機能や双方向のコミュニケーション機能が付いているサービスを選べば、コンテンツ自体にファンを付けやすいです。

(2)ECサイト内の販促手法を広げるのが目的の場合
ECサイトをすでに持っているのであれば、ライブ機能をあとから付け足せるサービスがいいでしょう。コードを書き加えるだけで導入が可能なサービスもあり、開発のための作業や期間が削れて比較的安価にライブコマースを導入できるのが特長です。
またECサイトの構築から行えるサービスもあります。ECサイト構築型のサービスは、在庫管理がしやすいため、取扱商品数が多い企業におすすめです。購入経路の分析を行えるので、コンバージョン率の改善にもつなげられます。

(3)顧客ごとに違った接客をするのが目的の場合
視聴者全体ではなく顧客一人ひとりに丁寧な接客をするのが目的の場合、オンライン接客型のサービスを選ぶのがいいでしょう。スタッフが個別で対応するので、店舗で接客しているようなきめ細やかな接客が可能です。ビデオ/音声通話や通話メモなど、接客の質を高めるのに便利な機能が搭載されているものもあります。

まとめ

簡単に始められたとしても、ライブコマースを成功させるためにはノウハウが必要です。今回紹介しきれない、より実践的なライブコマースのノウハウを、ライブコマースソリューション「LIVE COM.®」としてTOPPANは提供しています。運用・配信のフォローを行う「戦略的番組構築&配信」コースと、自走をサポートする「インハウスコマーサー育成&実践型研修」コースの2つで要望に沿った支援をしています。資料請求など詳しくは専用のページでご確認ください。

2023.07.26

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